HAREM SCAREM「THE EARLY YEARS」(2003)

  • 2012/08/16(木) 00:00:00

H SCAREM E YEARS
【No.340】
★★★(2003)

カナダが誇るメロディックロック界の至宝HAREM SCAREMがデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)からRUBBER名義で「ULTRA FEEL」(2001)を発表するまでの約10年間在籍していたWARNERとの契約を勝ち取るきっかけとなった11曲のデモ音源集に未発表曲(①Whatever I Want、②When The Morning Comes、③Say Goodbyeと日本盤ボーナス⑮Lost In Yesterday)を追加した企画盤。何でも前述の11曲入りデモはプレミア価格がついていたそうで、その話を聞いたバンド側の「より多くの人に聴いてほしい」という思いから商品化されました。デモ制作当時のメンバーはHarry Hess(Vo)、Pete Lesperance(G)、Mike Gionet(B)、Darren Smith(Ds)という3rd「VOICE OF REASON」(1995)までと同じラインナップです(Mikeは1995年、Darrenは2000年に脱退)。HAREM SCAREMは本作をリリースした2003年までにベスト盤とライブアルバムをそれぞれ4枚、未発表曲を収録したシングル多数、そんなシングルのB面曲を集めた企画盤をリリースするなど商魂逞しいところがあったので今回もその手の作品かと高をくくっていたのですが、これが予想以上に粒揃いの内容となっています。

全15曲の中には既発曲も含まれていて⑤All Over Again、⑥Honestlyは1stアルバム、⑨Staying Awayは4th「BELIEVE」(1997)、①と⑭Out Of LoveはHarryとPeteが全面バックアップしたFIOREのデビュー作「TODAY TILL TOMORROW」(1998)に収録されています(一部歌詞やメロディが違う部分があったりロックソングは基本的にテンポが速くなったりしていますが)。「Harryが弱冠17歳で書き上げた」という枕詞でお馴染みの名バラード⑥が本作の時点で既に完成の域に達しているのには驚かされるし、「BELIEVE」ではDarrenが歌っていた⑨のHarryバージョンがここで聴けるのは嬉しいですね。上記以外に僕がわかっているだけでも③のブリッジは5th「BIG BANG THEORY」(1998)収録のTable Turning、⑮のヴァース~ブリッジは4th収録のDie Off Hard⑪One Of The Woundedのイントロ~ヴァースはFIOREの1st収録のAnythingなど、HAREM SCAREMやFIOREの楽曲の元ネタとなっているパートやどこかで聴いた気のするフレーズが散見されるので、このバンドを聴き込んだファンにとって興味深い内容だと思います。

だからといって本作がコアなファン向けの1枚かと言うとそうではなく、とにかく楽しげでHAREM SCAREM節全開のキャッチーソング④Looking Back、そのままアルバムに収録しても通用しそうなバラード⑫The Right Timeなど、そんじょそこらのメロディックロック作品以上に魅力的な楽曲が収録されています。あくまでデビュー前のデモ音源なのでHarryのボーカルは発展途上の段階にあるし、音質にも荒さが残りますがメロディの組み立て方の上手さとPeteの類い稀なるギターセンスには既にその片鱗が見受けられますね。楽曲の充実振りで考えると、デビュー当時のHAREM SCAREMが好きな人ならば他のアルバムよりもまず本作を聴いてみるのもいいかもしれないと思えるほどです(褒め過ぎかもしれませんが…)。

【音源紹介】
・Looking Back

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