STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

  • 2011/10/26(水) 00:00:00

POLARIS + POLARIS LIVE
【No.307】
★★★★(2011)

バンド名を冠したアルバムだったにもかかわらず自らのアイデンティティであるメロディック・パワーメタルサウンドとは距離を置いた11thにして問題作「STRATOVARIUS」(2005)発表後、リーダー/メインソングライターのTimo Tolkki(G)が脱退、後任に若手ギタリストMatias Kupiainenを迎えて新体制となったSTRATOVARIUSのお披露目アルバム「POLARIS」(2009)に伴うツアーからイタリアのミラノ、ブルガリアのソフィア公演の模様を収めたと思われるライブ作品。このバンドのライブアルバムとしては「LIVE! VISIONS OF EUROPE」(1998)以来2作品目となります。ちなみに現時点で本作はライブCD単発でのリリースはなく輸入盤「POLARIS」との2枚組仕様か、日本の販売元VICTORのサイトからの有料ダウンロードという形式で発売されていて僕は前者を購入しました。スタジオアルバムの方は日本盤ボーナストラックSecond Sightが収録されていないので国内盤より1曲少なくなっているほかは既に記事にした「POLARIS」と同内容なので、ここでは「POLARIS LIVE」について書きたいと思います。

【セットリストと収録アルバム】
01.Destiny(7th「DESTINY」)
02.Hunting High And Low(8th「INFINITE」)
03.Speed Of Light(5th「EPISODE」)
04.Kiss Of Judas(6th「VISIONS」)
05.Deep Unknown(12th「POLARIS」)
06.A Million Light Years Away(8th「INFINITE」)
07.Bach: Air Suite(Keyboard Solo)
08.Winter Skies(12th「POLARIS」)
09.Phoenix(8th「INFINITE」)
10.S.O.S(7th「DESTINY」)
11.Forever Is Today(12th「POLARIS」)
12.King Of Nothing(12th「POLARIS」)
13.Father Time(5th「EPISODE」)
14.Higher We Go(12th「POLARIS」)

9th「ELEMENTS PART1」(2003)以降、メロパワから離れつつあった彼らにとって「POLARIS」はSTRATOVARIUS新章の幕開けを告げるだけでなく、バンドの復活作と言える内容だったと思うのですがライブ構成もSTRATOVARIUSがメロディック・パワーメタルに帰還したことを印象づけるものとなっています。まずはバンドが確固たる地位を築いた90年代後半の作品「DESTINY」(1998)のタイトルトラックであり10分近くに及ぶ大作①Destinyによる大胆な幕開け、それとは対象的にコンパクトかつキャッチーなメロディが秀逸な②Hunting High And Lowで観衆の心をガッチリ掴みます。このツアーで最も注目されているであろうニューギタリストMatiasの紹介を挟んで彼の速弾きから曲が始まるスピードチューン③Speed Of Light、そして実はMatias同様に「POLARIS」がバンドに加入して最初のアルバムだったLauri Porra(B)の見せ場を盛り込んだミドル④Kiss Of Judas、バンドが黄金期と言える時期に発表した上記4曲と並んでも遜色ない新作のオープニング曲⑤Deep Unknownまでの流れは見事と言うほかありません。またJens Johansson(Key)がグイグイ楽曲を引っ張っていく⑥A Million Light Years Away、彼らしい音色で「バッハのG線上のアリア」を弾きまくるキーボードソロ⑦Bach: Air Suiteから⑧Winter Skiesへと繋がる中盤はJensの独壇場だし、それ以降も5th「EPISODE」(1996)~8th「INFINITE」(2000)から厳選されたグレイテストヒッツ的セットリストと「POLARIS」からの5曲が違和感なく溶け込んだ好演が展開されています。新作の楽曲に関しては前述の⑧や⑫King Of Nothingなど、スタジオ盤では地味に思えたナンバーが更に魅力的になっているのも好印象ですね。

本作はスタジオでの手直しがほとんど施されていないこともあって荒いながらも「生」の新生STRATOVARIUSの姿を楽しむことができるのが特徴で、Timo Kotipeltoのボーカルは⑩S.O.S、⑪Forever Is Today、⑬Father Timeなど一部の楽曲で高音域が苦しそうではあるものの大半の曲はしっかり歌えているし中低音域は実に魅力的です。それに加えてオーディエンスの煽り方やショウ運びも上手く、YouTubeで見ただけですがステージアクションも華があるので、メタルバンドのフロントマンとしては屈指の存在だと思いますね。本ライブ単体でのリリースがない変則的な作品でありながら全14曲で収録時間70分以上と聴き応えがあるし、選曲も良いのでSTRATOVARIUSファンは買って損することのない1枚ではないでしょうか。ちなみに僕は13th「ELYSIUM」(2011)の日本盤ボーナスとして収録されているAgainst The Wind、Black Diamondのライブバージョンと合わせてよく聴いています。

【音源紹介】
・Winter Skies(Live)

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