HELLOWEEN「THE BEST, THE REST, THE RARE」(1991)

  • 2011/10/31(月) 00:00:00

THE BEST, THE REST, THE RARE
【No.308】
★★★★(1995)

メロディック・パワーメタルのオリジネイターであり後続バンドに多大なる影響を与えたHELLOWEEN初のベストアルバム。本作に収録されている楽曲は1stフルレンス「WALLS OF JERICHO」(1985)、シングル「JUDAS」(1986)といったKai Hansen(G)がボーカルも兼任していたバンド初期、そして専任シンガーMichael Kiskeが加入して1988年と1989年に発表したメロディックメタルの金字塔「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」PART 1とPART 2という所謂「キーパー時代」、すなわち後にGAMMA RAYを結成するKai Hansenが在籍していた時期の作品から選ばれています。ただし「THE BEST, THE REST, THE RARE」というアルバムタイトルの通り、本作はシングルでしか聴けなかったレアトラックを収録していたり、僕を含めた多くのファンが超名曲と見なしているであろうEagle Fly Freeが入っていなかったりしているので純粋なベスト盤というよりは半ば企画盤として捉えた方がいいかもしれません。しかも本作がリリースされた1991年当時はシングルにのみ収録されていた楽曲群についても後に再発されたオリジナルアルバムに追加されていることもあって、KaiがHELLOWEENにいた頃の真髄を味わうなら「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」の2枚組(邦題「守護神伝 完全版」)、バンドの全体像を知りたいのであればKiskeの後任Andi Deris(Vo/ex-PINK CREAM 69)期も含めたベスト盤「TREASURE CHEST」(2002)の方が適しているように思います。

【トラックリストと収録作品】
01. I Want Out(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
02. Dr. Stein(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
03. Future World(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
04. Judas(シングル「JUDAS」)
05. Walls Of Jericho(「WALLS OF JERICHO」)
06. Ride The Sky(「WALLS OF JERICHO」)
07. Halloween(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
08. Livin' Ain't No Crime(シングル「DR.STEIN」収録)
09. Save Us(シングル「I WANT OUT」収録)
10. Victim Of Fate(Michael Kiskeバージョン)(シングル「DR.STEIN」収録)
11. Savage(シングル「DR.STEIN」収録)
12. Don't Run For Cover(シングル「I WANT OUT」収録)
13. Keeper Of The Seven Keys(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)

というわけで、今となっては中途半端な感が否めない本作ですが僕にとっては「HELLOWEENと出会った1枚」ということもあって非常に想い出深いアルバムです。メタリックな質感とキャッチーなメロディが絶妙のバランスで同居する楽曲の上でどこまでも伸びやかなKiskeのハイトーンが響き渡る①I Want Out、このバンド特有のコミカル路線を代表する②Dr. Stein、ポジティブムード全開で聴いていると元気になれる③Future Worldという名曲の畳み掛けに一発で魅了されました。その後に続くKaiボーカル時代の④Judas、⑤Walls Of Jericho~⑥Ride The Skyを聴いて冒頭の3曲とは異なる粗削りな曲調、シンガーの力量の差に戸惑いましたが曲そのものは気に入っているし、アルバムの真ん中と最後に配されたそれぞれ13分に及ぶ⑦Halloween、⑬Keeper Of The Seven Keysという大作2曲は僕にとって10分越えナンバーの初体験曲であるだけでなく、僕の中で長編曲を聴く際のひとつの基準にもなっています(非常に高い完成度を誇るこれら2曲を最初に聴いてしまったため、それを上回る大作曲になかなか出会えないハメになってしまうわけですが…)。

またシングルのカップリング曲を集めたアルバム後半は陽気でほのぼのムードすら漂う⑧Livin' Ain't No Crime、KiskeがANTHRAXにインスパイアされて書いたというHELLOWEEN流スラッシュ⑪Savage、つい口ずさんでしまう歌謡曲風メロディが魅力的な⑫Don't Run For Coverなど曲調が実に多彩。今でこそ15年以上に渡ってHR/HMを愛聴している僕ですが、当初はヘヴィメタルに対して「いかつい服装/髪型をしたメンバーによる喧しいだけの音楽」というようなマイナスイメージを持っていました(苦笑)。本作はそんな僕に対してヘヴィメタルの門戸を開いてくれた作品のひとつです。このブログで最初に取り上げたYNGWIE MALMSTEEN「ECLIPSE」(1990)が煌めくような美旋律でヘヴィメタルに興味を持たせてくれた1枚だとすれば本作は親しみ易さとキャッチーなメロディでメタルに対するネガティブな印象を払拭してくれた1枚という感じでしょうか。本作でジャーマンメタル、メロディックメタルに開眼した僕は「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」やEagle Fly Free、How Many TearsといったHELLOWEENの名盤/名曲に出会いましたが、今でも僕がこのバンドに対して抱くイメージは本作の冒頭3曲ですね。前述したように客観的に見ると中途半端なベストアルバムだと思うものの今でも本作を聴くと、初めてこのバンドと出会い衝撃を受けた当時の想い出がよみがえってきます。そういう意味で僕のミュージックライフにとって大切な作品です。

【音源紹介】
・I Want Out

既にHELLOWEEN脱退を決意していたKaiがこのI Want Out(外に出たい)という曲を書いたのだとか…。

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KnackValmさん

こんばんは。HELLOWEENとYNGWIEそしてROYAL HUNTなどが僕の音楽生活において大きな存在ですね。KnackValmさんもHELLOWEENが自身の音楽生活にとって大切な存在のようで同志として嬉しいです。人それぞれに思い出深い作品というのがありますよね。HELLOWEENのHellion~Electric Eyeですかー?ちょっと聴いてみたいですねぇ。
このアルバムは今やレアアイテム、マニアックなアルバムという感じですよね。僕が持ってるのはフォトブック付きで若かりし頃のメンバーのルックス、表情が微笑ましいです。
またSARGANT FURY「DO YOU REMEMBER」も参考にしていただいたようで、ありがとうございます!

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/11/05(土) 23:22:51
  • [編集]

失礼、パスワード登録してなかったので…

パスワード不備により、先ほどのコメントを編集できませんでした、失礼。


今回、SARGANT FURY の3CD-BOX「Do You Remember」をレヴューしました。
その際に、以前、貴ブログで紹介していた記事への直リンク(http://flyonsilverwing.blog50.fc2.com/blog-entry-927.html)を貼り付けておきました。 事後報告の形となりましたが、とにかく一報しておきます。
それでは。

  • 投稿者: KnackValm
  • 2011/11/03(木) 00:28:20
  • [編集]

ハロウィンの、レアか価値ある初期アンソロジー

HELLOWEEN が、自身の音楽生活にとって大切な作品だとは・・・!!!

奇しくも、私と同じではないですか!
 というのも、私としては、一番思い出に残っている(=インパクトがあった)のは、JUDAS PRIEST のトリビュートアルバム第1作目「Legend of metal vol.1」のオープニングで HELLOWEEN が「Hellion ~ Electric eye」をやっていた(当時はメタル駆け出しの頃で、まだHR/HM系のCDを10枚も持っていなかった) という事がありまして・・・


 ちなみに、このアルバムも持っています。 蛇足ながらこれを買った当時はメタル系CDの数は100に届くかどうかといった頃だったかと思います。
 レア価値、高いですよね。

  • 投稿者: KnackValm
  • 2011/11/03(木) 00:15:44
  • [編集]

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