HAREM SCAREM「BELIEVE」(1997)

  • 2012/05/31(木) 00:00:00

H SCAREM BELIEVE
【No.330】
★★★(1997)

透明感あるハードポップサウンドだったデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)、センス豊かな音楽的魅力を凝縮した2nd「MOOD SWINGS」(1993)で日本のメロディック・ロックファンの心をガッシリ掴んだものの、前作「VOICE OF REASON」(1995)が大方のファンの期待を裏切るヘヴィ/ダーク路線だったHAREM SCAREMの4thアルバム。僕も前作の音にはショックを受けた1人だったので、初めて本作を聴いた時は前作のムードを継承しつつも基本的には初期2作品のメロディアス路線にシフトした音楽性に一安心したのを覚えていますが、元々「KARMA CLEANSING」というタイトルで曲順のみならず収録曲も異なっていたものを、レコード会社から注文が入ったため日本でのみ若干内容が異なる「BELIEVE」としてリリースされたという、いわくつきの作品でもあります。

上記のような経緯から「レコード会社に迎合して作られた商品」という見方をされてしまいがちなのに加えて、後にメンバー自身が「納得できるアルバムではなかった」と語っていることもあってある意味、問題作なのかもしれません。ただし個人的には結構気に入っていて、曲構成が2nd収録の名曲Change Comes Aroundに似た①Believe、いかにもHAREM SCAREMらしいシングル曲②Die Off Hardというロックソング2曲による掴みは良好だし、Harry Hess(Vo)よりも荒々しい歌い方をするDarren Smith(Ds)のリードボーカルをフィーチュアした哀愁のドライヴィングチューン④Staying Away、まるでPete Lesperance(G)のギターが歌っているかのようにメロディアスなインスト⑤Baby With A Nail Gun、アコースティックギターとストリングスでしっとり聴かせるバラード⑧Rainなどは僕の大好きな曲です。それでいて前作に近い曲調の③Hail, Hail、ほのぼのムード漂う⑥Morning Greyなどの配置も良い意味での箸休め的な役割を果たしていると思います。とはいえ、この曲順を決めたのはレーベル側であって、バンドとしては日本以外でタイトル曲となっている⑩Karma Cleansingのインダストリアルっぽくもある実験的サウンドこそが当時の真の姿だという気持ちがあったのかもしれませんが…。

そんな本作はオリジナル盤発表の約半年後に収録曲の半分(①、③、④、⑥、⑧)にMR.BIG等との活動でも知られるKevin Elsonがリミックスを施しているほか「KARMA CLEANSING」に収められていたCages、The Mirrorと新録曲SurrenderCHEAP TRICKのカバー)を追加した「BELIEVE SPECIAL EDITION」をリリースしています。このスペシャルエディションも聴いてみたところ「リミックスされた曲についてはオリジナルの方が好みだけど曲数が多く聴けるのは良いかな」という感じですね。「KARMA CLEANSING」にのみ収録されていた2曲については悪くないものの、これらの代わりに「BELIEVE」に収められていた④、⑤の方が僕は断然好きです。またSurrenderをカバーしたことがきっかけとなって、バンドは次作5th「BIG BANG THEORY」(1998)でパワーポップ色をがグッと強めていくことになります。

【音源紹介】
・Rain

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