「HEAVEN - BEST OF BALLADS PART 2」(2011)

  • 2011/10/05(水) 00:00:00

HEAVEN BEST OF BALLADS 2
【No.305】
★★★★(2011)

ヨーロッパ諸国、特に母国スイスで圧倒的な人気を誇るGOTTHARDのフロントマンとして多忙な日々を送る中「(趣味として楽しんでいた)バイクでアメリカを旅する」という夢を叶えるために休暇を取って渡米したSteve Lee(Vo)はフィアンセやバンドメンバーのMark Lynn(B)を含むバイク仲間達とツーリング中に不慮の事故に遭ってしまい、2010年10月5日に47歳の若さで天に召されてしまいました。本作はそんなSteveへの追悼盤であり、バンドとしては2枚目のバラードベストアルバムとなります。僕はこのバンドのスタジオ盤を全てチェックしているので本作に収録された18曲のうち②What Am I、⑩Have A Little Faith(Special Piano Version)、⑮Falling(Special Acoustic Version)、⑰Merry X-Mas、⑱Let It Be(Special Acoustic Version)を除く13曲を既に聴いているのですが、それでもリピートしたくなるほど素晴らしい1枚です。バラードベスト第1弾「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」(2002)、2枚組ベスト「ONE TEAM, ONE SPRIT THE VERY BEST」(2004) のバラードサイド、そして本作という3枚のバラード作品をリリースしているにも関わらず収録曲がほとんど被らずに、これだけのクオリティを保つことのできるバンドは稀有なのではないでしょうか。なお現時点での最新作「NEED TO BELIEVE(2009)と同時期に収録されたもののお蔵入りになっていたという未発表曲②は爽快感、優しさや温かさといったポジティブな要素が同居したナンバーで、この曲や⑩、⑮はSteve自身も制作を望んでいたというアコースティック作品「D FROSTED」の第2弾を想定してレコーディングされたものだそうです。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Heaven(5th「HOMERUN」)
02. What Am I(未発表曲)
03. Where Is Love When It's Gone(8th「DOMINO EFFECT」)
04. Need To Believe(9th「NEED TO BELIEVE」)
05. One Life, One Soul(3rd「G.」)
06. The Call(8th「DOMINO EFFECT」)
07. Don't Let Me Down(9th「NEED TO BELIEVE」)
08. Nothing Left At All(7th「LIPSERVICE」)
09. Unconditional Faith(9th「NEED TO BELIEVE」)
10. Have A Little Faith(Special Piano Version) (6th「HUMAN ZOO」収録曲未発表バージョン)
11. Tears To Cry(9th「NEED TO BELIEVE」)
12. Everything I Want(7th「LIPSERVICE」)
13. I've Seen An Angel Cry(7th「LIPSERVICE」)
14. Tomorrow's Just Begun(8th「DOMINO EFFECT」)
15. Falling(Special Acoustic Version)(8th「DOMINO EFFECT」収録曲未発表バージョン)
16. And Then Goodbye(7th「LIPSERVICE」)
17. Merry X-Mas(日本未発売のEP「MERRY X-MAS」)
18. Let It Be(Special Acoustic Version)(3rd「G.」収録曲。「DOMINO EFFECT」ツアーエディションにのみ収録)

アルバムの構成としては「Show me the way to your heart...」というSteveのベストパフォーマンスのひとつに数えられる歌い出しで始まる名バラードで、今回の悲劇の後にシングルがスイスチャートで1位にもなった①Heaven、バンド名の起源であるゴッタルド峠に3,000人以上のファンが参列したというSteveの葬儀で流されたアコースティックバラードの名曲⑤One Life, One Soul以外は7th「LIPSERVICE」(2005)~9th「NEED TO BELIEVE」(2009)の3枚からの選曲が中心で、聴いていて心温まる作品に仕上がっています。また曲順についても単に年代順に並べるのではなくSteveの追悼曲と言っても過言ではない①と前述の未発表曲②で始まり、後半にはバージョン違いの楽曲を挟みつつ曲名からして終盤に相応しい⑯And Then Goodbyeでひと区切りつけ、それ以降も厚みのあるコーラスと手拍子が温かさを演出するアルバム未収録曲⑰、オリジナルとは違った味わいが嬉しい日本盤ボーナス⑱に至るまで見事と言うほかありません。

バラード集の第1弾「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」収録曲の大半を占めていた3rd「G.」(1996)~5th「HOMERUN」(2001)の3作品では「G.」を除いて最もメロディアスな指向を強めていたのに対して、本作のメインとなっている7th~9thではバンドが骨太なハードロックに原点回帰しつつあるように思っていた僕ですが、こうして改めて聴くと第1弾に負けず劣らず感動的なバラードが多いことに気付かされました。また、それと同時に現代ハードロックシーンで最高の歌い手のひとりであるSteve Leeという至宝を失ってしまった悲しみがこみ上げてきますね。しかし、そんな悲しみさえも包み込んで聴き手に力を与えて励ましてくれる彼の歌声は筆舌に尽くし難いほどの素晴らしさです。このブログを訪れてくださった1人でも多くの方にSteve Leeの歌を聴いていただきたいですね。

【音源紹介】
・What Am I

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この記事に対するコメント

敏紫さん

こんばんは。What Am Iを含め、このバンドは未発表曲といえども気が抜けないですよね。早いものでSteveの訃報から1年が経ち、こうして彼の歌を聴いていると唯一無二のシンガーだなと再認識せずにはいられません。そして彼を失ってしまった損失の大きさも…。このブログを通じてSteve Leeの魅力を一人でも多くの方に広めていくことが僕に大きな感動与えてくれたSteveへの恩返しです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/10/08(土) 23:13:08
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けー坊さん

こんばんは。どうしてもSteveの歌声に注目してしまいがちですが、これだけたくさん名バラードを生み出しているメインソングライターLeo Leoniの作曲センスも凄いですよね。
彼の訃報から1年経った今も信じられない気持ちですが、おっしゃる通りここで立ち止まっていてもSteveはそれを望まないでしょうね。バンドはSteveの後任を探してバンドを存続させることを決定したので僕達ファンはそれをあたたかく見守るのみですね。そしてリアルタイムでSteveの歌声を聴ける時代に生きた一人として彼の素晴らしさを少しでも多くの方に知ってもらいたいです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/10/08(土) 23:12:34
  • [編集]

こんばんは。
「What Am I」の爽快感は気持ちいいですね。
未収録でこのクオリティの高さには感服してしまいます。
あれから1年経つんですね・・・。
至宝を失った損失は大きいです。
彼の残した曲を聴くとなおさらそう感じてしまいます。
彼の声に出会えて僕は幸せです。
この歌声はいろいろな人に聴いてほしいですよね。

  • 投稿者: 敏紫
  • 2011/10/06(木) 19:03:26
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R.I.P.

仰る通りこれだけバラード盤を出していてどれも素晴らしい水準を維持しているのはすごいことですよね。
このアルバムも1曲とて捨て曲が無く、どの曲も本当に人に力を与えてくれると思います。彼を失った悲しみは本当に大きく深いですが、メンバーやファンがそこに立ち止まることを彼は決して望まないでしょう。

今後のGOTTHARDの活躍を期待するとともに、本当に一人でも多くの方に彼の歌声を聴いて頂きたいですね。

  • 投稿者: けー坊
  • 2011/10/05(水) 13:28:36
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