BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2012/04/24(火) 00:00:00

AT THE EDGE OF TIME
【No.325】
★★(2011)

BLIND GUARDIANというジャンル」を築き上げたと言っても過言ではないジャーマンメタル界の重鎮が4年振りに発表した9作目。バンドの大きな特徴でもある綿密に作り込まれたサウンドを徹底的に追求した7th「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)は個人的にあまり好きになれませんでしたが、前作「A TWIST IN THE MYTH」(2006)はBLIND GUARDIANにしては薄味ながらも多様性を感じさせる作風で僕は好意的に受け止めていました。そんな2枚のアルバムに続く本作は6th「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)までの作品群で積み上げてきた「緻密でスケールの大きい曲調」「前のめりな疾走感」「楽曲に山場を生み出すクワイア」「フォーキーで吟遊詩人的な世界観」といったBLIND GUARDIANサウンドをきっちり提示してくれているので安心して聴けるアルバムだと思います。余談ですが、このバンドは6th以降4作品連続でFIFAワールドカップ開催イヤーにアルバムをリリースしていますね。

意外にも初めてオーケストラとの共演を果たした①Sacred Worldsはいかにも今のBLIND GUARDIANらしい9分の長編で、このまま近作に似た壮大な音世界を展開していくのかと思いきや、続く②Tanelorn(Into The Fire)では一転してバンド初期の衝動性を取り戻したメタリックチューンを聴かせてくれます。そんな突進系スピードナンバーは②のみならず④Ride Into Obsession、⑨A Voice In The Dark等も収録されていて、中でも⑨がMirror Mirrorに代表される過去の名曲群を一瞬思い出させてくれるほど強力だというのが嬉しい。今やこういったストレートなメタル曲はBLIND GUARDIANの本道ではなくなっていると頭ではわかっていても、やはりこの手の楽曲が僕は好きなんですよね。そんなメタルサイドの楽曲の合間にはバンドが持つ「静」の魅力を堪能させてくれる民謡調⑤Curse My Name、BLIND GUARDIANらしさに満ち溢れたミドル⑥Valkyriesなどを挟んで緩急をつけ、本編ラストには①同様にオーケストラサウンドをフィーチュアした大作⑩Wheel Of Timeを持ってくるというアルバム構成も良いですね。

Hansi Kursch(Vo)によるとアルバムの基本的なアイディアは4作目の「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)と関連しているようで、確かに作品そのものからは似た雰囲気を感じ取ることはできるのですが、バンドの代表作でもある名盤4thと比べると本作はメロディのフックが弱く印象の薄い1枚と言わざるを得ません。音楽的特徴は紛れもなくBLIND GUARDIANだし、印象的な場面はあるものの僕が最も惹かれていた「熱いクサメロ」というバンドの持ち味が魅力薄だというのが残念。本作でも孤高の世界観を繰り広げている辺りは流石ながら、90年代にバンドが作り上げた名作群に比べると「耳に残るメロディの少なさ」が感じられてしまうんですよね。ちなみに僕が持っている国内盤はボーナストラックとして⑤と⑥の別バージョンが収録しているのに対して、輸入盤ではバージョン違い2曲、カバー1曲とデモ音源3曲に加えてPVとスタジオ・ドキュメンタリーを収録した2枚組仕様も存在しているようです。

【音源紹介】
・A Voice In The Dark

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