KAMEOT「SIEGE PERILOUS」(1998)

  • 2011/07/20(水) 00:00:00

SIEGE PERILOUS
【No.295】
★★(2011)

アルバム制作段階でMark Vanderbilt(Vo)と創設メンバーでもあったRichard Warner(Ds)が脱退してしまったため後任に、当時解散して間のなかったノルウェーのメタルバンドCONCEPTIONRoy Khan(Vo)とオーディションで発掘したCasey Grillo(Ds)を迎えたKAMELOTの3作目。前任ボーカルの歌い方にはクセがあり、僕はどうも苦手だったのでMarkには悪いですがシンガー交代はバンド発展のためには必要不可欠だったと思います。Thomas Youngblood(G)がノルウェーに住むRoyに直接コンタクトを取って加入を打診したそうで、後にバンドが大きく飛躍したことを思うとこれはThomas一世一代のファインプレーでしたね。メタルシンガーとしては線が細いものの、抜群の表現力を持つRoyの歌声はダークでミステリアスなKAMELOTサウンドと相性抜群です。また、当時無名だったCaseyについてもタイトなドラムを叩いていて、これまで以上に楽曲が引き締まった印象を受けます。

そんなメンバーチェンジに加えて見逃せないのが、プログレ風のダークな正統派メタルを基盤としつつ楽曲自体が過去作品よりもとっつき易く、わかりやすいキャッチーなメロディを持ち始めている点です。その最たる例がバンド初のメロパワチューンと言っても過言ではない②Millenniumで、当時のKAMELOTにしては珍しく1度聴いただけで胸に響くキャッチーさがありますね。その他にもメロディ自体はやや薄味ながらも疾走感が心地よい⑦Parting Visions、Royのエモーショナルな歌声が楽曲の魅力を増幅させている美旋律バラード⑧Once A Dream、「ア~リィ~ア~ァ♪」のサビメロが耳に残る⑨Ireaなど、特に後半の充実振りが印象的です。Royがバンドに加入した時点で本作の楽曲は歌詞を含めてほとんど出来上がっていたためRoyのインプットは少なかったようですが、それでも上に挙げた僕のお気に入り曲の中で②、⑦、⑨には作詞面でRoyの名前がクレジットされているのも興味深いですね。ちなみに本編ラストのインスト⑩SiegeではRoyと活動を共にしていたTore Ostby(G/ex-CONCEPTION)がゲスト参加しています。

2人の新メンバー加入によって間違いなく成長したKAMELOTですが、それでも4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)以降と比べると本作はまだ発展途上にあると感じてしまいます。またRoyのボーカルに関しては、この時点では後の作品で聴き手を魅了するほどの官能的な響きには至っていないものの「硬質なヘヴィメタル」というサウンドイメージが強かったKAMELOTに湿り気たっぷりの叙情味をもたらしています。そんなRoyが持ち込んだ新たな要素こそが本作以降のKAMELOTの中核を担う特徴だと思うので、このアルバムはバンドにとって大きなターニングポイントと呼べる1枚なのかもしれませんね。

【音源紹介】
・Millennium(Live)

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