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HELLOWEEN「7 SINNERS」(2010)

  • 2011/02/21(月) 00:00:00

7SINNERS.jpg
【No.278】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第5位

バンドの結成25周年を祝う企画盤「UNARMED BEST OF 25TH ANNIVERSARY」(2009)では自らの楽曲群にお洒落なラウンジミュージックやオーケストラサウンドを大胆に導入するなどしてファンを驚かせたHELLOWEENがデビュー25周年を迎える2010年にリリースした13thアルバム。僕は「UNARMED」を聴いて「こんなことができるのもメタルバンドとしての攻撃性だけでなくコミカルな要素も併せ持つHELLOWEENならではだなぁ」と好意的に受け止めていましたが、ヘヴィメタルと距離を置きすぎた感もあった同作については賛否両論あったようで「Are You Metal?(おまえらメタルか?)」とバンドに問い掛けるファンもいたそうです。どうやらメンバーの中でも「UNARMED」の作業を進めるにつれて「メタルがやりたい」という気持ちは高まっていたようで、本作ではそんなメタルに対する熱き想いが爆発していますね。過去にPush(8th「BETTER THAN RAW」収録)やKill It(12th「GAMBLING WITH THE DEVIL」収録)で垣間見られたブルータリティを増量しながらも、メロディのフックは従来と同じかそれ以上の輝きを放つ本作の音楽性は自身が生み出したジャーマンメタルスタイルの現代アップデート版とでも言いたくなる逸品です。

①Where The Sinners Goこそメロディックメタルバンドの掴みとしては弱いと言わざるを得ないものの、「UNARMED」に否定的なファンから投げ掛けられた言葉を曲名にしたシングル②Are You Metal?はバンドのメタル愛が凝縮された激しい疾走曲だし、ポップなサビメロが印象的だったPerfect Gentleman(6th「MASTER OF THE RINGS」収録)の続編で本作随一のメロディラインが冴えるメロパワチューン③Who Is Mr. Madman?Michael Weikath(G)ならではのHELLOWEENらしさに満ち、フルートソロもフィーチュアした④Raise The Noise、それまで眠っていた作曲センスが前作収録のFinal Fortuneで覚醒した感のある創設メンバーの1人Markus Grosskopf(B)による⑤World Of Fantasy、ポップなキャッチーメタルだった前曲とは対照的な鋼鉄サウンドを叩きつけ、Andi Deris(Vo)が「JUDAS PRIESTと故Ronnie James Dioに捧げた」と語る⑥Long Live The Kingまで、息をつく暇もない流れに圧倒されました。それ以降は若干テンションが下がり気味ながら、往年のHELLOWEENサウンドを連想させる(特に中盤の間奏パート)Markus作の⑨If A Mountain Could Talk、いかにもヴァイキーらしい⑩The Sage, The Fool, The Sinnerという王道2曲、そしてドラマティックで大仰なメロディが素晴らしい⑪My Sacrificeがかなり良いですね。前作同様、今回も4人のソングライターが曲を持ち寄り、それをメンバー全員で仕上げるという方法でレコーディングが進められたようで、濃厚なメロディを聴かせるAndiが6曲(うち1曲は1分台の小曲)、ヴァイキー節とも言うべき独特のセンスが光るMichael Weikathが2曲、僕好みのドラマティックな美しさを感じさせるSascha Gerstner(G)が3曲、12作目以前のアルバムではあまり印象に残らない曲やシングルカップリング曲が多かったのが嘘のようにバンドの明るいイメージを担う楽曲を提供するようになったMarkusが3曲(ボーナストラックを含む)と、4人のソングライターの個性を感じさせつつ散漫になっていないのは自分達のサウンドに対して確固たるヴィジョンを持ったベテランだからこそなせる業なんでしょうね。

キーパー時代への思い入れが強いため、HELLOWEENのシンガーといえばMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME)という気持ちが根強い僕ですが、前作「GAMBLING WITH THE DEVIL」(2008)と本作でバンドが提示した「今のHELLOWEEN像」は文句なくカッコいいと感じました。ストイックなまでにメタルサウンドを追求しているためバンドの独自性のひとつでもあるコミカルさは控えめですが、それは「UNARMED」の制作過程においてヘヴィメタルに飢えていたバンドが良い意味でフラストレーションを発散させた結果でしょう。現在のバンドのメインソングライターAndiが書く曲がやや弱いのが惜しいですが、Saschaのペンによる③、⑪やMarkusが手がけた⑤などがそれを補っているので、総合的に見て前作以上に楽曲の粒が揃っていると思います。前作を聴いた時点で「これは僕にとってAndi Deris期HELLOWEENの最高傑作かも」と思っていましたが、この「7 SINNERS」はそれを上回るお気に入り盤となっています。

【音源紹介】
・Who Is Mr. Madman?

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