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TREAT「COUP DE GRACE」(2010)

  • 2011/01/18(火) 00:00:00

COUP DE GRACE
【No.274】
★★★★★(2010)
年間ベスト2010年第1位

後にYNGWIE MALMSTEENAT VANCE等でも活躍することになるMats Leven(Vo)を2代目シンガーとして迎えた5th「TREAT」(1992)を最後に解散していた80年代北欧メタルの代表的バンドTREATが、2006年にオリジナルシンガーRobert Ernlundを含めたラインナップで再結成してリリースしたベスト盤「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)に続いて発表したオリジナルアルバムとしては18年振りとなる作品にして通算6枚目。北欧の哀メロファンを自認していながら、TREATとは何故か縁がなく今回初めて聴いた僕ですが、これが予想以上に素晴らしい作品で驚きました。このバンドはかつて「ポストEUROPE」と称されていたようで、再結成後に音楽性を変えて賛否両論あるEUROPEに対してTREATの復活作は上記のベストアルバムの後に聴いても違和感のない80年代北欧メタルらしい1枚となっており、何と言っても楽曲が素晴らしいということに尽きます。日本盤ボーナス込みで15曲(うち1曲はイントロ)という長丁場ながら、どれもがシングルカットできそうな秀曲揃いで、このクオリティの高さはベスト盤リリース後の4年間、いや活動休止中の18年間をソングライティングに費やして選りすぐりの楽曲だけを収録したのでは?(実際そういうわけではないようですが)と思いたくなるほどハイレベルです。

本作の収録曲は「ここで盛り上がってほしい」というところでしっかりハイライトを作ってくれるその「痒い所に手が届くメロディ展開」が秀逸で、僕の琴線に触れまくりなんですよね。その代表例が④Papertiger⑤Roarで、この2曲のサビメロを初めて聴いた時は「やられたぁ」という感嘆のため息が自然と出ました。その他に大好きな楽曲を挙げると、序曲①Prelude:Coup De Graceに導かれて始まるメロディアスハードのお手本のようなアップテンポ②The War Is OverJOURNEYっぽいAORバラード⑥A Life To Die ForRudolf Schenker(G/SCORPIONS)も作曲に関わったスケールの大きい⑧Skies Of MongoliaTERRA NOVA風の爽快感が気持ちいいSteve Lee(Vo/GOTTHARD)との共作によるロックチューン⑪No Way Without You(派手に弾きまくるギターもグッド)、明るい中にどこか甘酸っぱい切なさ漂う⑫We Own The Night、冒頭のギターメロディで勝負ありの⑬All For Loveなどですね。楽曲の大半を手がけているAnders Wikstrom(G)はTREAT解散時もソングライターとして精力的に活動していて、スイスのハードロックバンドGOTTHARDなどに楽曲を提供しています。ちなみにAndersが作曲者としてクレジットされているGOTTHARDの楽曲としては「LIPSERVICE」(2005)収録のAll We Are、Lift U Up、The Other Side Of Meや「DOMINO EFFECT」(2007)収録のThe Oscar Goes To…などがあるようです。

そんな楽曲の素晴らしさもさることながらアップテンポ、哀愁のミドルからパワフルなナンバー、バラードまでバラエティ豊富だし、そのメロディを全盛期以上の安定感で歌い上げるRobert、ツボを押さえたプレイで各曲を盛り上げるギタリストAnders、LAST AUTUMN'S DREAMでもタッグを組むリズム隊Nalley Pahlsson(B)Jamie Borger(Ds)も文句なしですね。80年代的な懐かしさだけでなく⑩I'm Not Runnin'などでは現代風のヘヴィネスも適度に盛り込むことで、甘くなり過ぎていないサウンドプロダクションも高ポイント。僕にとって本作がTREAT初体験盤ということもあってインパクトが大きいからかもしれませんが、この「COUP DE GRACE」はベストアルバムを超えているのではないかと思えてくるほどです。ここ10年間で聴いた全てのメロディックロック作品の中でも3本の指に入る大傑作!

【音源紹介】
・Roar

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敏紫さん

こんばんは。そうなんですよね、期待を裏切らないというか時にはその期待を上回るメロディ展開に悶絶のアルバムですよね。僕も「COUP DE GRACE」を聴きながらドライブしたことありますがホントに気持ちよかったです。敏紫さんや僕以外にもこのアルバムを年間ベスト(もしくはベスト候補)に挙げているブロガーさんもいらっしゃるようで嬉しい限りです。
あとは僕が勝手に師匠と崇めるB!の藤木さんが年間ベストにこのアルバムを挙げるかどうかが密かに気になってます。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/01/21(金) 23:46:49
  • [編集]

こんばんは。

まさに大傑作ですね。
「かゆいところに手が届く」メロディ展開に僕はのけぞりました。
今も主に車中でヘヴィロテしております。
僕もRoarを聴いて即買いでした。

  • 投稿者: 敏紫
  • 2011/01/21(金) 19:27:27
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Qazさん

はじめまして。当ブログに訪問&コメントありがとうございます。この記事を参考にして「COUP DE GRACE」を買われたこと、そして本作を気に入った上にコメントまでいただけて嬉しいです!ブロガー冥利につきます。
実は僕が最初にこのアルバムに興味を持ったきっかけも他のブロガーさんが紹介されていたRoarの音源でした。「COUP DE GRACE」は僕にとって何年かに1度出会えるかどうかの名盤なので、良いアルバムだと共感いただけてよかったです。これからどんどん聴き込んでください。僕もまだまだリピート中です。
僕と同世代のメタラーさんでメロスピがお好きとくればSTRATOVARIUSは避けて通れないバンドのひとつかと思います。「ELYSIUM」は前作「POLARIS」と同じかそれ以上のお気に入り盤になりそうな予感がしています。
最近はメロスピ系の記事が少ない当ブログですが、そっち系のバンドもおいおい紹介していくつもりですので、また遊びに来て下さいね!

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/01/19(水) 23:04:30
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はじめまして。

はじめまして、管理人様と同世代のメタル好きです。
このレビューを拝読し、そしてRoarにノックアウトされ、本当はSTRATOVARIUSのELYSIUMを買う予定だったのに本作品を買ってしまいました。

全体的に音が厚いのに、それに負けないヴォーカルがカッコいいですね。
インパクト的にはRoarが頭1つ抜けていましたが、全体的に骨太で、俗に言うメロスピばかり聴いていた私にもグッときました。
これから聴き込んで行こうと思います。
良い作品をご紹介頂き、有難うございました。

アルバムのインパクトが凄くてついコメントしてしまいました。
これからもレビューを楽しみにしています。

  • 投稿者: Qaz
  • 2011/01/19(水) 20:41:07
  • [編集]

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