KAMELOT「THE EXPEDITION」(2000)

  • 2011/08/01(月) 00:00:00

THE EXPEDITION
【No.297】
★★(2000)

バンドが大きな飛躍を遂げた4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)リリース後に敢行したヨーロッパツアー(NEW ALLEGIANCE TOUR)からドイツ、ギリシャ公演の模様を収めたKAMELOT初のライブアルバム。本作がリリースされた2000年は日本でKAMELOTがブレイクする前だったこともあってか、残念ながら現時点で国内盤は発売されていません。収録曲は当時の最新作である4作目の楽曲をメインにしたライブ音源8曲、映画音楽のように壮大な未発表インスト⑨We Three Kings、3rd「SIEGE PERILOUS」(1998)の日本盤ボーナストラック⑩One Day、2nd「DOMINION」(1996)収録曲のリメイク⑪We Are Not Separateの3曲を合わせた全11曲という変則的なものとなっています。今となっては本作以上に中身の濃いライブ作品「ONE COLD WINTER'S NIGHT」(2006)がDVDと2枚組CD仕様でリリースされているので本作は中途半端な作品という印象が強いですが、収録されているパフォーマンスを聴くとKAMELOTがライブアクトとしても優れたバンドであることが伝わってきます。

ライブ音源8曲中5曲が「THE FOURTH LEGACY」からのチョイスとなっていることから、バンドがこのアルバムに大きな自信を持っていることが窺えるし、実際にその最新作には良い曲が多いと実感させられますね。荘厳なイントロから一転して疾走曲①Until Kingdom Comeへと繋がるライブのオープニング、バンド随一の名曲⑥The Fourth Legacyを配した中盤、⑧Desert Reign/Nights Of Arabiaで締めるエンディングと、要所要所でキラーチューンを聴かせる構成が好印象です。また3rdアルバム以前の楽曲(2nd「DOMINION」からの曲は無し)に関しても違和感なく溶け込んでいるばかりか、流麗なメロディと共に駆け抜ける④Millenniumはひとつのハイライトになっているように思います。そしてRoy Khan(Vo/ex-CONCEPTION)のボーカルも⑥のサビなどの高音域は少し苦しそうではあるものの艶と表現力に満ちた歌声を響かせてくれていて、中でもバラード⑤A Sailorman's Hymnにはうっとりしてしまいますね。スタジオ作品では結構作り込んだ感が強いためライブでどこまでKAMELOTらしさを表現できるのかと心配していましたが、ゲスト参加のGunter Werno(Key/VANDEN PLAS)の活躍もあってバンドの世界観を損なうことなく再現してくれています。

デビュー作収録のへヴィチューン⑦Call Of The SeaではRoyが演奏陣のメンバー紹介をした後に各自が短いソロを披露するというパートが含まれていて、個人的には抜群の安定感でバンドを支える「Unbelievable Animal Behind The Drums」ことCasey Grillo(Ds)のドラミングが耳に残りました。当時のKAMELOTといえば「THE FOURTHE LEGACY」というそれまでの3作品を凌駕する力作を作り上げ、注目度がアップしてきた時期だったのでバンド自身もその4作目の楽曲群と過去作品から選りすぐりのナンバーをこうして1枚に纏めることでバンドの新たなスタートを印象付けたかったのかもしれませんね。「THE FOURTH LEGACY」でKAMELOTを知った僕にとっては、4thとそれ以前の楽曲のライブバージョンを手軽に聴けるという点でそれなりに重宝した1枚でした。ただし繰り返しになりますが、「ONE COLD WINTER'S NIGHT」が発表された今となっては聴く機会は激減してしまいましたね。

【音源紹介】
・Until Kingdom Come(Live)

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けー坊さん

こんばんは。A Sailorman's Hymnはスタジオ盤以上に素晴らしくなってますよね~。Roy Khanはパワフルだとか凄い声域を持っているといった基準では計れない味と個性がありますよね。特にこの曲のようなバラードは一段と魅力的です。高音域をライブで再現できないこともしばしばあったようですが、それを補って余りあるものを持った歌い手だと思います。それだけにKAMELOTの今後が心配なのですが…。
脱退に際してRoyが発表したコメントを読んでいるとKAMELOTを脱退するだけでなく音楽業界から足を洗ってしまいそうだとも感じたので、今後の動きが気になります。僕もRoyだけでなくCasey GrilloもKAMELOT躍進に欠かせなかったと思います。ただ、あくまで個人的意見ですが2人が加入する前の1st、2ndアルバムはその後のKAMELOTを知った上で聴くとなかなか厳しいものがあるので気をつけてくださいね(苦笑)。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/08/06(土) 00:03:43
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こんにちは。

このアルバムのハイライトはなんといってもA Sailorman's Hymnですね!これぞロイ・カーンという歌唱を披露をしてくれてました。

その他の曲も高音はかなりきつそうで所々フェイクでかわしつつも、情感に満ちた歌声はそれすら色気に変えていると思います。この頃と比べると、やはりここ数年で声域がかなり衰えていることが分かります。脱退の件と直接関係あるとは思いませんがやはり心身どちらかに何か問題を抱えながらプレイしていたんじゃないかという気がしますねぇ。

それはさておきカーンは勿論ケイシー・グリロの加入はKAMELOTにとって非常に大きかったんですね。僕は2人が加入して以降のアルバムしか聴いていないので、そのうち聴き比べてみたいです。

  • 投稿者: けー坊
  • 2011/08/05(金) 13:08:32
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