KAMELOT「THE FOURTH LEGACY」(2000)

  • 2011/07/25(月) 00:00:00

THE FOURTH LEGACY
【No.296】
★★★(2000)

前作「SIEGE PERILOUS」(1998)でRoy Khan(Vo/ex-CONCEPTION)Casey Grillo(Ds)を迎えて一皮剥けたアメリカのメロディックメタルバンドKAMELOTの4thアルバム。2人の新メンバー加入は間違いなくKAMELOTにとってプラスとなり、バンドは飛躍のきっかけを掴みましたが、本作では大躍進を遂げるためのもうひとつの鍵を手に入れることに成功しています。それは本作以前ではANGRA「ANGELS CRY」(1993)、RHAPSODY「LEGENDARY TALES」(1997)などを手がけ、後にヨーロピアンメタル界屈指のプロデューサーとして名を馳せるSascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)とその相棒Miroとの合体です。2011年時点で、本作以降の全アルバムをSaschaとMiroがプロデュースしていることからもバンドと彼らの相性の良さが窺えますね。本作が僕にとってのKAMELOT初体験盤だったのですが、すぐさまこのバンドにファンになりました。このアルバムは何と言ってもシンフォニックで大仰な序曲①New Allegianceからクサメロと共に駆け抜ける疾走曲②The Fourth Legacyへ至る流れの素晴らしさがもう格別です。個人的にこのオープニングはKAMELOTの代表曲というだけでなく、HELLOWEENInvitation~Eagle Fly FreeANGRAUnfinished Allegro~Carry OnRHAPSODYEpicus Furor~Emerald Swordと肩を並べるメロディックメタル史上に残る幕開けだと思っています。

そんなアルバム冒頭がズバ抜けている本作ですが、それ以降も聴き応えのある楽曲が並びます。前曲の疾走感と絶妙な対比を見せるミステリアスなミドル③Silent Goddess、エキゾチックな小インスト④Desert Reignに導かれるアラビックなメロディが印象的なスピードチューン⑤Nights Of Arabia、リズミカルに跳ねる曲調を軸にフォーキーな旋律でエンディングを迎える⑥The Shadow Of Uther、その余韻を引き継いでしっとり聴かせる叙情バラード⑦A Sailorman's Hymnまでは本当に文句のつけようがありません。アルバム後半は初期作品にあったダークなプログレサウンドが前に出た少しとっつきにくい曲もあるせいか失速気味ではありますが、作品終盤で僕の心を奮い立たせてくれるキラキラ疾走ナンバー⑪Until Kingdom Comeの存在が輝いていますね。また日本盤ボーナスで、歌詞に「オオサカ」や「サヨナラ」といった日本語を交えたライブテイク⑬Can You Rememberもなかなかの好バラード。ちなみにブックレットに「Dedicated to Yumiko」と記載のあるこの曲はRoyがCONCEPTION在籍時に来日した時に過ごした女性(ユミコさん)との思い出を歌ったものだそうです。

本作がバンドの出世作、いや飛躍作となっている最大のポイントは前作から加入したRoyのソングライティング面での貢献でしょう。加入1作目だった前作では既に完成した楽曲を主に歌うだけという状態でしたが、本作ではバンドのメインライターThomas Youngblood(G)の作曲パートナーとしてほぼ全曲に関わり、その歌メロセンスを発揮した結果が今回の充実した楽曲群に繋がっているのだと思います。またSaschaとMiroという2000年代メロディックメタルに欠かせない2人(Miroはキーボード演奏、オーケストラアレンジも担当)がプロデュースした音作り、巧みなアレンジが作品のレベルアップに貢献している点も見逃せません。前作までが「アメリカ出身とは思えないほどヨーロッパの香りが漂うメタルバンドのひとつ」だとすれば、今回は「繊細なまでの美しさと哀感を纏ったヨーロピアン・メロディックメタルの雄」と表現したくなるほどの大化けっぷりですね。

【音源紹介】
・New Allegiance~The Fourth Legacy

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アルちんさん

キャプテン和田さんのラジオでThe Fourth Legacyなどが流れていたんですね。確かにこの曲をラジオで聴いたら僕も即買い決定だったと思います。その後もUntil Kingdom ComeやCan You Rememberをチョイスするとは流石キャプテン和田さんですね。本作は後半の失速がなければ僕にとって文句なしの名盤になってたと思います。
それでも、軽い気持ちで買った僕をノックアウトするには十分な衝撃でしたし、本作以前のアルバムからの飛躍的な成長には驚きました。次回作以降の作品は更に素晴らしいですしね。このアルバムを行方不明のままにしておくのは勿体ないので、なんとか見つけて下さい!

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/08/01(月) 08:56:50
  • [編集]

私もキャメロット初体験はこれ

 懐かしいです。
 キャプテン和田さんのラジオで、②The Fourth Legacyを聴いただけで、即買い決定でしたが、毎週⑪Until Kingdom Comeや⑬Can You Rememberがかかる度に「このアルバム捨て曲ないんじゃないの!?」と興奮はMAX状態(笑)。

 まぁ実際買うと、そりゃ全曲大当たりとは行きませんが、長いことプレイヤーのトレイに乗っかっておりました。
聴きたくなったのに、どこかに埋れて発掘出来ません><

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/07/31(日) 22:59:23
  • [編集]

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