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ROYAL HUNT「X」(2010)

  • 2010/06/06(日) 00:00:00

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【No.239】
★★★(2010)

制作段階から70年代風のサウンドになるとAndre Andersen(Key)が語っていたROYAL HUNTの10作目。アルバムタイトルはシンプルに「X」(テン)となっています。僕は「新鮮味があるのに越したことはないけれど、Andreらしい哀メロが堪能できるならマンネリズムも大いに結構」という盲目的ファンなので、期待だけでなく不安も少々感じながら聴いた作品です。従来のROYAL HUNTにはあまりない要素を盛り込んだ作品がどうなるのか注目していたのですがAndreがオルガンサウンドを使う場面が増えていたり、Marcus Jidell(G)が加入して1作目にあたる8th「PAPER BLOOD」での速弾き主体のスタイルとは一味違う渋いギタープレイを聴かせたりしているものの、曲が流れてきた時点でROYAL HUNTだとわかるほど楽曲の根っこの部分は「らしい」1枚となっているように思います。7th「EYEWITNESS」の時もそうでしたが、Andreが曲を書けばROYAL HUNTらしく聴こえるものなんですね。

そんな本作はコンセプトアルバムではないものの①Episode X(Arrival)、⑪Episode X(Departure)というイントロ/アウトロがアルバム本編の楽曲を挟むという形になっています。楽曲そのものはROYAL HUNTらしいものではあるのですが、一聴して耳に残る歌メロは⑤Army Of Slavesくらいだったので聴き始めの頃は地味な印象が強い作品でした。その要因はイントロ後に②End Of The Line、③King For A Dayといった派手さが希薄なミディアムチューンを配したことでしょうか。アルバムの掴みとしては弱いところもある本作で僕が気に入っているのは中盤以降ですね。緊張感ある間奏が聴きどころの④The Well、本作随一のキャッチーメロディが冴える前述の⑤、カントリーっぽく始まり前作でも美声を披露してくれていた女性シンガーMichelle Raizinのソロパートが良いアクセントとなっている⑥Shadowman、LOUD PARK 09でも演奏された渋めのハードロック⑦Back To Square One、美旋律をドラマティックに聴かせる⑧Blood Red Star、儚いメロディにホロリとさせられる⑨The Last Leafと佳曲が続きます。そして4th「PARADOX」のエンディング曲It's Overを彷彿とさせるサビとバンド初期作品でよく聴かれたヘイヘイコーラスがROYAL HUNTらしさを主張する本作唯一のアップテンポ⑩Falling Downから曲間を空けず⑪に繋いで締める展開には、ついリピートを誘われますね。

加入後2作目となるMark Boals(Vo/ex-YNGIWE MALMSTEEN、RING OF FIRE etc)の歌唱もトレードマークであるハイトーンを必要最小限に抑え、前作で開眼したという中低音域の旨みが活かされています。ただ本作の音楽性であれば前任者John Westのソウルフルな歌声で聴いてみたかったような気もしますが。1995年からHR/HMを聴くようになりネオクラシカルサウンドに思い入れの強い僕としては、本作最大の特徴であるアナログ機材を使ってオールドスタイルのハードロックを追求しているという点にさほど心ときめかないというのが正直なところですが、これまでとは若干異なるアプローチでAndre節が楽しめる作品として愛聴しています。

【音源紹介】
・The Well

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