CAIN'S OFFERING「GATHER THE FAITHFUL」(2009)

  • 2011/11/06(日) 00:00:00

GATHER THE FAITHFUL
【No.309】
★★★(2009)

SONATA ARCTICAが衝撃的なデビューを飾った頃からのギタリストとして活躍してきたものの、兵役問題の関係で5th「UNIA」(2007)を最後にバンドを脱退したJani Liimatainen(G)が新たに結成した新バンド(プロジェクト)CAIN'S OFFERINGの1stアルバム。Jani以外のメンバーは彼の旧友であるJani Hurula(Ds)こそ知名度が低いものの、他に名を連ねるのはメロパワの王者STRATOVARIUSのフロントマンTimo Kotipelto(Vo)、SONATA ARCTICA時代の元同僚で2011年11月現在はTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS etc)の新バンドSYMFONIAに在籍している若手キーボードプレイヤーの注目株Mikko Harkin(Key)、メロデスバンドNORTHERJukka Koskinen(B)というフィンランドメタル界でも名前の通ったプレイヤーが参加しています。サウンドの方はSONATA ARCTICA、STRATOVARIUSの両バンドに近いスタイルでありつつ時折プログレメタル的な展開もあって、メロディックメタルファンの僕にとっては嬉しい音楽性ですね。

ギタリストJani主導のプロジェクトでありながらギターはそれほど前に出てくることもなく、本作の中核を形成しているのはKotipeltoのボーカルです。STRATOVARIUSの作品では少し不安定な彼のハイトーンに危なっかしさを感じることもありましたが本作ではそんな場面が激減していて、これまでは彼の裏返りそうなハイトーンを聴くと「高音域を無理して歌っている」と感じたのに対し、本作では「感情を込めて歌った結果としてそうなっている」という風に不思議とポジティブに受け止めることができますね。Kotipeltoの大ファンを自認するJaniが書く楽曲は本家以上にKotipeltoの声の旨味を引き出しているのではないかと思えるほどです。きっとKotipeltoの歌声で一番美味しい部分を熟知しているんでしょうね。そしてJaniのギタープレイに関しては「フォア・ザ・バンド」の精神で本作に臨んでいるからなのか伴奏に徹している印象が強く、ギターソロと呼べそうなパートは⑨Stolen Waterくらいなので楽曲における存在感はMikkoのキーボードの方が大きいです。

個々の楽曲を見てみるとCAIN'S OFFERINGの音楽性を端的に表現したアップテンポのオープニングチューン①My Queen Of Winter、ドラマティックな展開美が素晴らしいミドル③Oceans Of Regret、クラシカルな速弾きフレーズも飛び出す待望の疾走曲⑥Dawn Of Solaceなどが特にお気に入りです。いわゆる疾走系の曲はそれほど多くなく聴かせるタイプが主流なのですがサビだけでなく、そこに至るまでの流れにおいても僕を惹きつけるボーカルメロディがあるというのがこのバンドの強みですね。STRATOVARIUSが本作と同年に発表した復活作「POLARIS」同様、日本盤ボーナス⑩Tale Untoldを本編の後に収録するのではなくエンディングをピアノバラード⑪Elegantly Brokenで美しく締めてくれるアルバム構成も◎。聞き流してしまいそうな楽曲もなく、Kotipeltoもベストと思えるパフォーマンスを披露してくれているので個人的には「POLARIS」以上のお気に入り盤となっています。Kotipeltoを筆頭に、ほとんどのメンバーが掛け持ち状態であるため正式バンドとして活動するためのラインナップをどう整えるのか気になりますが、次の作品にも期待したいですね。

【音源紹介】
・Dawn Of Solace

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