ALLEN-LANDE「THE REVENGE」(2007)

  • 2013/06/04(火) 00:00:00

THE REVENGE
【No.378】
★★★(2007)

FRONTIERS RECORDS主導の単発プロジェクトかと思いきや予想に反して制作されたALLEN-LANDEの第2弾アルバム。前作「THE BATTLE」(2005)から約2年のスパンがあるとはいえ、中心人物のMagnus Karlsson(G/LAST TRIBE)はその間にTony Harnell(Vo/TNT)とタッグを組んだSTRABREAKERのセルフタイトル作、元PRAYING MANTISのシンガーTony O'hora初のソロアルバム「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)に全面参加、Mike Andersson(Vo/CLOUDSCAPE)を中心としたPLANET ALLIANCEにも大きく関わるなどしていたので、Magnusのワーカホリック振りには頭が下がります。FRONTIERSの社長Serafino PerginoLAST TRIBEよりもAORに近い曲を要請されたことからスタートし、誰がシンガーとなるのかわからない状況でソングライティングを進めた前作とは異なり、当初からRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)が歌うことをイメージしてMagnusが書き上げた楽曲群は全体的に1stよりもヘヴィでメタリックな仕上がりとなっているように思います。

「THE BATTLE」がアルバム序盤の畳み掛けで勢いをつけ最後まで聴かせるタイプだったとすれば、今回は聴き進めるにつれて充実感を増していく作品と言えそうです。そんなアルバムのハイライトとなっているのがJornが感情を込めまくって歌い上げる名バラード④Master Of Sorrow。ライナーノーツでMagnus自身も「今まで書いたバラードの中でもベスト」と語るこの曲以降⑤Will You Follow、⑥Just A Dream、⑦Her Spell、⑨Wake Up Callといったキャッチーなアップテンポ、メロハー風のアプローチを取り入れた⑧Gone Too FarWITHIN TEMPTATIONにインスパイアされたというMagnusのコメントも頷けるシンフォニックなミドル⑪Who Can You Trustなど良曲がズラリと並びます。個々の楽曲のインパクトでは前作に分があるかもしれませんが、アルバム全体の完成度では本作が上かもしれません。ラストをしっとり聴かせるバラード⑫When Time Doesn't Healで締める構成もグッド。日本盤ボーナストラックにその⑫のリミックス(アンプラグド)バージョンが収められているのですが、僕としては④の別バージョンを聴きたかったかな…。

というわけで今回も期待に十分応えるだけの逸品ではあるものの地味な印象は拭い切れないし、RussellとJornの共演がケミストリーを起こすことまではできていないという前作の課題はそのままです。それに加えて2003年を最後にLAST TRIBEが活動を停止して以降MagnusがこのALLEN-LANDEで2枚、STARBREAKER「STARBREAKER」(2005)、TONY O'hola「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、PLANET ALLIANCE「PLANET ALLIANCE」(2006)そして本作発表後にはMark Boals(Vo/RING OF FIRE、ex-YNGWIE MALMSTEEN)と結成したTHE CODEX「THE CODEX」(2007)をリリースするなど、供給過多と言えるほどにアルバムを乱発していることも僕の本作に対する印象に少なからず影響を与えているように思います。当初はLAST TRIBE以外でMagnusの曲が聴けることに興奮していた僕もMagnus絡みのプロジェクトが質は高いが決め手に欠けるものばかりだったこともあって、有難味が薄れてきてしまってるんですよね。数々のプロジェクトに携わる職人ソングライターのようなMagnusの活動スタイルに対して、一定以上の満足感を得ながらも「多忙な中でこれだけ良質な作品を連発できるなら、じっくり腰を据えてアルバムを制作して名盤を生み出してほしい」という複雑な心境になる1枚でもあります。

【音源紹介】
・Master Of Sorrow

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

アルちんさん

こんばんは。ヴォーカリストの二人が後から決定した件をどこで知ったか確認してみると「THE BATTLE」のライナーノーツでした。
本作については掴みがやや弱いこともあって僕も地味という印象が強かったですね。ただ記事を書くために聴き直していたらドンドン好きになったという1枚です。本文でも書いたようにそんな中で輝いているのが名バラードMaster Of Sorrowですね。それ以外の曲もじわじわ良さが伝わってくる本作はスルメ盤かと。

  • 投稿者: よしよ
  • 2013/07/05(金) 20:18:34
  • [編集]

Voの決定が後だったのですね

 こんばんは、よしよさん。

 ヴォーカリストの二人が後から決定したとはよしよさんがコメント返してくれるまで知りませんでした。このバンド名からしてヴォーカリストありきのプロジェクトだと思ってましたよ。

 この2ndは「イイんだけども地味・マンネリ」と最初聴いた時は手放しで喜べませんでした。
久しぶりに聴くとどんな感じなんでしょう?

1曲目としては弱い①The Revenge、近作はヘヴィな部分が増えるの?と面白みの無い②Obsessed、③VictoryでようやくMagnus節が出てきたなという感じテクニカルなGも冴えます。そして④Master Of Sorrowはまさに悲しみのマスター(笑)。泣き泣きだけでなく妙な熱さも感じる、素晴らしいバラードです。

 バラードの次にピッタリ!アップテンポな⑤Will You Follow、プログレッシブなkeyにキャッチーなメロ⑥Just A Dream、MagnusのGがグイグイ引っ張る⑦Her Spell、⑧Gone Too Farは爽やかなイントロからしてこのアルバムの中では異色の曲ですが、キャッチーな歌メロが秀逸です。

 そしてこのアルバムの個人的キラーチューン⑨Wake Up Call…だったはずなのですが、なんだか普通に感じてしまいました(笑)。勇壮なメロが心を打つ⑩Under The Waves、ラストを飾る⑫When Time Doesn't Healも良いですね。

 って「やっぱり聴いたらイイじゃん!」と我ながらどっちやねん。と思いつつMagnus最高!な訳です(笑)

  • 投稿者: アルちん
  • 2013/07/02(火) 21:32:53
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する