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【現在の愛聴盤】DREAM THEATER「THE TWELVE-STEP SUITE」(2002-2009)

  • 2009/07/25(土) 09:46:34

【現在の愛聴盤】
このところDREAM THEATERの作品を重点的に取り上げ「DREAM THEATER祭」状態のこのブログですが、この記事をもってお祭りは一段落となりそうです。

2002年に発表した6th「SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE」の1曲目Glass Prisonに始まり、その後This Dying Soul(7th「TRAIN OF THOUGHT」2曲目)~The Root Of All Evil(8th「OCTAVARIUM」1曲目)~Repentance(9th「SYSTEMATIC CHAOS」5曲目)と続き、The Shattered Fortress(10th「BLACK CLOUDS & SILVER LININGS」4曲目)で完結した「アルコール依存症を克服するための12のステップシリーズ」全5曲のプレイリストを作り、よく聴いています。このシリーズはThe Twelve-step SuiteまたはThe Alcoholics Anonymous Suiteと呼ばれ、バンドのブレインであるMike Portnoy(Ds)も体験したアルコール依存症とその克服をテーマにした組曲で、Bill Wilsonが提唱した12のステップが主題となっています。

これまでは各アルバムの収録曲のひとつとして、これらの楽曲を聴いていましたが、こうして5曲を繋げてみると印象が違うというのも興味深いですね。同一のメロディやフレーズが登場することから、過去の楽曲の焼き直し、メロディの使い回しだと批判する声もあるようですが、この5曲は音楽/歌詞の両面で関連性を持つ組曲なんだと考えると、このような手法は必然であるようにも思えてきます。

簡単に全5曲、12のステップに分かれる各パートの感想をまとめてみました。ブックレットを見ても、どこで区切られているのか記載がないため、僕の主観で各ステップを区切っています。

1. The Glass Prison(13:52)
発表当時はDREAM THEATERの全レパートリーの中で、最もヘヴィで攻撃的な曲だと思いました。独立した1曲としても完成度の高いこの曲から57分にも及ぶ組曲が始まります。

Step I. "Reflection"(0:00~6:00頃)
5th「METROPOLIS PART2」のエンディングでも使われたレコードノイズ音から静かで不気味なイントロへと繋がり、そこから凶暴なリフが響き渡ります。熱いインストバトルが繰り広げられるヘヴィなパートもあって組曲の幕開けにピッタリです。

Step II. "Restoration"(6:00頃~9:40頃)
ややスピードダウンし、少し地味に思えるパートではあるかな。1曲目The Glass Prison~3曲目The Root Of Evilに共通する
"I can't break out of this prison all alone"
一人ではこの監獄から抜け出せない
という歌詞が初めて登場します。

Step III. "Revelation"(9:40頃~13:52)
John Myung(B)のソロが口火となり激しいインストパートへ突入。ボーカルパートはラストの1分弱しかありませんが、歌メロが凄く耳に残ります。

2. This Dying Soul(11:27)
Glass Prisonのフレーズを交えつつ、Glass Prison以上に重たく激しいナンバー。後の楽曲においても、この曲のフレーズがよく再登場しているので、このシリーズの中心的存在ではないかと勝手に思っています。

Step IV. "Reflections Of Reality (Revisited)"(0:00~6:30頃)
John Petrucci(G)のヘヴィなリフとPortnoyのツーバスで始まるアグレッシブなパート。ヘヴィなだけでなく5:45頃からはJordan Rudess(Key)による優雅なピアノも登場し、This Dying Soul前半のクライマックスを盛り上げています。

Step V. "Release"(6:30頃~11:27)
このパートの歌メロの一部がMETALLICAのBlackend(「...AND JUSTICE FOR ALL」収録)にソックリなのは非常に有名みたいですね。
そんなボーカルパートの後に登場する9:00頃からのソロパートは圧巻。特に10:30以降はとてつもない緊張感を放っています。

3. The Root Of All Evil(8:25)
これまでの2曲と比べると攻撃性はやや控えめで、この組曲の中では8分台と最も短い楽曲です。「OCTAVARIUM」の1曲目として聴いていた時より、組曲の3曲目として聴いた方が魅力的に思えます。

Step VI. "Ready"(0:00~3:50頃)
最初のリフはThis Dying Soulのエンディングを少しスローにした感じです。「OCTAVARIUM」発表当時のDREAM THEATERは前作のエンディングと次回作のオープニングに連続性を持たせるという試みにチャレンジしていたため、前作「TRAIN OF THOUGHT」2曲目にあたるThis Dying Soulと、「OCTAVARIUM」1曲目のこのパートの繋がりは若干不自然になってますね。

Step VII. "Remove"(3:50頃~8:25)
バンドの激しい面が強調されていたGlass Prison、This Dying Soulの2曲と耽美バラードRepentanceを繋ぐ橋渡し的役割を担っているだけでなく、終盤のボーカルメロディが素晴らしいパートです。インストバトルもありつつ、メロディを聴かせる姿勢が強調されてますね。

4. Repentance(10:43)
この組曲で唯一のバラード。耽美的でメロウなこの曲が、組曲として聴いたときに絶妙なアクセントとなっています。Portnoy曰く「いつか、この組曲を連続して演奏するときに、アドレナリンが湧き出るものばかりだと死んでしまうので、楽曲は進行中でも休憩できるようなものを入れたかった」のだとか。

Step VIII. "Regret"(0:00~5:45頃)
IV. "Reflections Of Reality (Revisited)"と同じく
"Hello mirror, so glad to see you my friend. It's been a while"
「こんにちは、鏡、しばらくだったね、会えて嬉しいよ…」
という歌い出しで曲がスタートします。ただし、ここでその一節を歌っているのはJames LaBrie(Vo)ではなくPortnoyです。このパートの終盤にはPetrucciによる極上のギターソロが収録されています。

Step IX. "Restitution"(5:45頃~10:43)
ここがPortnoyが言うところの休憩パートかな?全て語りです。ゲストがそれぞれ朗読パートを担当しているのですが、そのゲストが非常に豪華。

Mikael Akerfeldt(Vo、G/OPETH)、Jon Anderson(Vo/YES)、David Ellefson(B/ex-MEGADETH)、Daniel Gildenlow(Vo、G/PAIN OF SALVATION)、Steve Hogarth(Vo/ex-Marillion)、Chris Jericho(Vo/FOZZY)、Neal Morse(Vo/ex-SPOCK’S BEARD、TRANSATLANTIC)、Joe Satriani(G)、Corey Taylor(Vo/SLIPKNOT)、Steve Vai(G)、Steven Wilson(Vo、G/PORCUPINE TREE)

という錚々たる顔ぶれです。

5. The Shattered Fortress(12:49)
組曲のエンディングに相応しく、これまでの楽曲にあったメロディをダイジェスト的に、時には少し違う形にアレンジして再登場させています。フェードインから始まるオープニングと、再びGlass Prisonに戻るラストが素晴らしいですね。

Step X. "Restraint"(0:00~5:30頃)
冒頭で"Freedom"とPortnoyが歌い、"calls my name"と返すLaBrieとのやりとりは、II. "Restoration"の歌い出しでPortnoyの"Run"に対してLaBrieが"fast from the wreckage of the past A shattered glass prison wall behind me"と歌うパートを連想させます。

Step XI. "Receive"(5:30頃~9:20頃)
このパートの大半はIV. "Reflections Of Reality (Revisited)"、VII. "Remove"と同じメロディで構成されています。エンディング前に、組曲の肝となるメロディと歌詞が再登場しているという感じです。

Step XII. "Responsible"(9:20頃~12:49)
火花散るインストパートに続くラスト1分に印象的なボーカルパートを入れるという手法はIII. "Revelation"と同じですね。
組曲を締めくくる歌詞が非常に深いです。
"I am responsible when anyone, anywhere Reaches out for help, I want my hand to be there"
「俺には責任がある。誰でも、何処でも、助けを求めて手を差し出した時、俺の手がそこにあるようにしたい」
これはPortnoyが12のステップでアルコール依存症を克服する中で導き出した答えなのかもしれません。
そしてアウトロではGlass Prison冒頭のメロディやThe Root Of All Evilのドラムパートが顔を出しつつ、最後はGlass Prisonの始まりと同じレコードノイズでこの組曲は幕を降ろします。

ちなみに、この組曲について調べる中で知ったのですが、The Mirror(3rd「AWAKE」収録)という楽曲もPortnoyのアルコール依存症体験をテーマにしたものだそうです。そういえば、The Mirrorの歌詞にはThis Dying Soulに登場する4つ目のステップであるReflections Of Realityという言葉も出てくるし、そのIV. "Reflections Of Reality (Revisited)"とVIII. "Regret"では"Hello mirror, so glad to see you my friend. It's been a while"、X. "Restraint"では"Look in the mirror What do you see? "という一節もあり、Mirrorという単語をしばしば使っている辺りも関連性を感じさせますね。

既にPortnoyが公言しているように、ライブでこの組曲を繋げて演奏する計画があるそうです。全12ステップをテーマにした5曲だけでもいいけど、そこにThe Mirrorを絡ませてくれたら嬉しいな。各アルバムに収録されている5曲を繋げて聴いていると、曲間の繋ぎに不自然さを感じる部分もあるので、早く完全版を聴きたいです。この5曲の曲間を編集して繋げている音源を見つけました。こういう繋ぎ方をしてくれるといいですね。

今はThe Twelve-step Suiteがひとつの音源としてリリースされる日を楽しみに待ちたいと思います。

・Twelve-Step Transitions


・Twelve-step Saga Samples

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