DREAM THEATER「FALLING INTO INFINITY」(1997)

  • 2009/07/06(月) 00:00:00

FALLING INTO INFINITY
【No.158】
★★★(1997)

キーボードプレイヤーとしてのみならず、名曲Pull Me Underを手がけるなど作曲面でも貢献していたKevin Moore(Key)が脱退したため、後任にDerek Sherinian(Key)を迎えた4作目。僕が初めてリアルタイムで聴いたDREAM THEATERのアルバムである本作の第一印象は、ヘヴィでダークなサウンドに賛否両論だった前作「AWAKE」と比べて、質・量ともにメロディが豊富になっているなという感じでした。当時のバンドには2nd「IMAGES & WORDS」の続編を求める風潮が強く、本作の方向性にはレーベルやプロデューサーの意向が反映されているそうです。

本作の特徴はこれまでのDREAM THEATERサウンドと比べて、歌ものアルバムと言えるほどにボーカルメロディが多いという点。キャッチーなサビが耳に残る②You Not Me、ラジオでかかっていても違和感がない大衆バラード④Hollow Years、⑩Anna Leeなどが、その顕著な例だと思います。中でも④は哀感に満ちたスパニッシュ調のイントロからサビへの展開、James LaBrie(Vo)の絶品歌唱とボーカルメロディなど非の打ちどころのない名バラードです。これまでの作品では強調されることが少なかったバンドのポップセンスを活かしたこれらの楽曲以外にも、浮遊感あるメロディが心地良い③Peruvian Skies、トライバルなリズムとリラックスムードが新鮮な⑧Take Away My Pain、DREAM THEATERとしては珍しくノリのいいロックチューン⑨Just Let Me Breatheなど、多彩な表情を見せてくれます。初期2作品にあったわかり易さを推し進めた楽曲と、前作での緊張感溢れるプログレメタル曲の両方が混在する本作は、これまでの3作品の要素をミックスした1枚という印象です。ただプログレメタル系の楽曲に関しては作品中盤の3部作(ハードでヘヴィな⑤Burning My Soul~いかにもこのバンドらしいインスト⑥Hell's Kitchen~12分の大作⑦Lines In The Sand)は好きだけれど、アルバム冒頭とラストの長編曲にもう少し見せ場が欲しかったかな。

取っ付きにくさはあるものの聴き込むうちに段々好きになっていった前作とは対照的に、本作はすんなり入ることができる反面、リピートしてもその印象は変わらないアルバムのように思います。前作以上に「IMAGES & WORDS」寄り(あくまでも前作と比べて)なためリリース当初は好評だったようですが、DREAM THEATERの全作品の中で見ると「良作だけれど地味で掴みどころがない」という結論に落ち着いてしまいそうな1枚でもあります。余談ですが2nd「IMAGES & WORDS」、3rd「AWAKE」、4th「FALLING INTO INFINITY」の3作品を聴いていると、大半のファンが名盤と認める2nd「MOOD SWINGS」、バンドがやりたい音楽を追求した結果、当時流行していたグランジ寄りの音になったためリリース当初は酷評されつつも一部のファンには熱く支持された3rd「VOICE OF REASON」、レーベルやファンの声を作品に反映させたものの、どっちつかずで中途半端になった4th「BELIEVE」を発表したカナダのメロディック・ロックバンドHAREM SCAREMとダブって見えてきます。それと同時に「MOOD SWINGS」の呪縛から逃れられず残念ながら解散してしまったHAREM SCAREMに対して、後に「IMAGES & WORDS」とはタイプの違う名盤を生み出したDREAM THEATERは凄いバンドだと改めて思いました。

【音源紹介】
・Hollow Years(Live)

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ピッペンさん

こんにちは。このアルバムはDREAM THEATERの中でも手軽に聴ける作品だと思ってます。
僕も過去のアルバムの中でも引っ張り出して聴く機会が多いですね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2009/07/08(水) 19:05:32
  • [編集]

個人的には好きなアルバムです。
音がものすごくエモーショナルになった感じがするんですよね~。
改めて今日、聴いてみることにします。

  • 投稿者: ピッペン
  • 2009/07/07(火) 13:37:57
  • [編集]

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