BLIND GUARDIAN「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)

  • 2012/02/13(月) 00:00:00

IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE
【No.317】
★★★(1995)

前作「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)で分厚いクワイアがサビを盛り上げる劇的かつファンタジックな突進型パワーメタルスタイルをバンドの独自性にまで昇華させたBLIND GUARDIANの5thアルバムは従来のスタイルを残しつつも、これまで以上に緻密で作り込んだプログレッシブ・パワーメタルともいうべき構築美に重点を置いた作風となっています。そんな特徴はオープニングトラック①Imaginations From The Other Sideからして如実に表れていて、過去4作品全ての1曲目が疾走曲だったのに対して本作はミドルチューンで幕を開けます。幾重にも重ねられた音の厚みと細部まで丁寧に練り込まれた壮大で大仰な雰囲気が強いインパクトを残すこのタイトル曲は、これまでのBLIND GUARDIANとは一線を画す濃密なナンバーでA級バンドの凄みに満ちていますね。

今回は全体的に疾走感は控えめなアルバムではありますがスピードチューンもしっかり収録されており、ここに来て一段と存在感を増したThomas "Thomen" Stauch(Ds)が荒々しく叩きまくるドラムとアコースティックギターの絡みが素晴らしい②I'm Alive、これぞBLIND GUARDIANというキャッチーで壮大なコーラスを「リ、タ~ニ~ン オ~ブ ザ~ミラコォ~♪」と合唱したくなる④The Script For My Requiem、畳み掛けてくるサビに胸が熱くなるエネルギッシュな疾走曲⑧Another Holy Warなどはこれまでのスタイルに近い楽曲です。特に④はBLIND GUARDIAN屈指の名曲だと思いますね。そんな疾走チューンの間に配されたフォーキーなアコースティックバラード③A Past And Future Secretや、耳にまとわりつくようなサビメロが印象的なミドル⑦Bright Eyesといったヨーロッパ民謡風ナンバーも作品の主役とはいえないものの、絶妙なつなぎ曲として見事な役割を果たしている点も見逃せません。ただ①や④を差し置いて本作からのシングルカットがこの2曲というのが、個人的には疑問なのですが…。

圧倒的なスケールを誇る①に始まり、曲名からして本編ラストに相応しい壮大なミドルテンポ⑨And The Story Endsで締めくくられる本作は、これまでの作品と比べると即効性は今ひとつながら、聴いているうちにその濃密な音世界に引き込まれてしまう力作です。HELLOWEENフォロワーと呼ばれていた頃の面影はすでになく、これまでに築き上げてきたBLIND GUARDIANスタイルに深みと神秘性を加えた本作でBLIND GUARDIANは名実共にヨーロッパの大物バンドの仲間入りを果たしたといえるのではないでしょうか。このアルバム以降、バンドは初期のアグレッシブサウンドとは趣の異なるよりも緻密な作り込み志向を強めていくことになります。

【音源紹介】
・The Script For My Requiem

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アルちんさん

こんばんは。僕はこのアルバムがリアルタイムで聴いたブラガ作品で、3rdや4thとほぼ同時期に購入して、その圧倒的な作り込みとスケール感に飲み込まれました。客観的に見れば3rdや4thよりも本作の方が完成度としては上でしょうね。特に好きなのは本作での新機軸を象徴するImaginations From The Other Side、新味と従来のキャッチーさが融合したThe Script For My Requiemですね。濃密さも複雑さも本作くらいなら許容範囲なんですけどねー。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/05/05(土) 22:09:23
  • [編集]

一つの分岐点

 おはようございます。よしよさん!

 この5thアルバムは買ってから2回くらい聴いて「ブラガは変わってしまった…」とラックに封印されてしまったという不幸な境遇を受けたCDですw
改めて聴くと素晴らしいデキではあ~りませんか(どっちなんだよ)。

 ①Imaginations From The Other Sideってこんなに良い曲だっけ?と思ってしまった。緩急付けかたが今までのブラガの楽曲とは全く異なりますが、ミドルテンポのサビの部分がクセなる一曲ですね。
 その①がさらに疾走もまぶしてオペラちっくに、より荘厳になったのが④The Script For My Requiemですね、相当複雑な展開なのにこのキャッチーさは一体(笑)
名曲です。

 疾走曲が少ないのが、当時は厳しかったとはいえ、タイトルからして良いw②I'm Alive、歴代一番ヘヴィな⑥Born In A Mourning Hall、ストレート過ぎて逆にこのアルバムの中で浮いている⑧Another Holy Warの3曲がちょうどイイ位置に配置されていますw
 
 4thのアコースティックな路線を継承する③A Past And FutureSecret、⑤Mordred's Songも箸休め的に楽しめます。

 当時は相当ショックを受けた記憶がありますが、この半端無い作りこみは他のバンドではちょっと真似する事が出来ないレベルですね。
濃密で音数も多いので聴き疲れしてしまいますが、まだこの頃はメロディもあって当時より違和感ありませんでした。
もう何周か聴き込んでみますよ。

  • 投稿者: アルちん
  • 2012/05/04(金) 08:48:45
  • [編集]

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