BLIND GUARDIAN「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)

  • 2012/01/28(土) 00:00:00

SOMEWHERE FAR BEYOND
【No.315】
★★★★(1995)

3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)でBLIND GUARDIANサウンドと言うべきアイデンティティを確立したバンドが、その進化を止めることなく更に成長し続けていることを証明して見せた4thアルバム。前作と並んでバンドの最高傑作との呼び声も高い1枚です。「パワー、メロディ、ドラマ性」というメロディックメタルの3大要素がガッチリと噛み合い、緩急をうまくつけながら展開していくこのアルバムでデビュー作から追い求めていたバンドの音楽性が完成の域に達したように思いますね。

物悲しいアコースティックギターのイントロで静かに始まったかと思うと一気に攻撃性を増して勢いよく突っ走り、大合唱せずにはいられないキャッチーなサビが炸裂するBLIND GUARDIANらしさ満点の①Time What Is Timeとそれに続く②Journey Through The Darkの疾走チューン2曲はアルバムの掴みとして最高です。その後もピアノバラード小曲③Black Chamberを挟み、壮大でドラマティックなサウンドの極致④Theatre Of Pain、雄大なサビメロが実に素晴らしい⑤Quest For Tanelornの後に登場する本作第3の疾走曲⑥Ashes To Ashesの配置も絶妙。ヨーロッパファンの間で絶大な人気を誇り、ライブではHansi Kurush(Vo、B)の声を掻き消すほどの大合唱が巻き起こるという2部構成のバラード⑦The Bard's Song(Ⅰ:In The Forest Ⅱ:The Hobbit)とバグパイプによる短いインスト⑧The Piper's Callingを経て、ケルティックパートも交えつつ緻密に織り込まれた旋律が絡み合いながらドラマティックに疾走する名曲⑨Somewhere Far Beyondへと至る流れは圧巻で、個々の楽曲が高品質なだけでなく作品としての構成もこれ以外は考えられないと思えるほど練られています。

これまでのパワーメタルサウンドに加えて、ジャケットに描かれた吟遊詩人のイメージがぴったりな中世ヨーロッパの民族音楽をうまく融合させたバンドのセンスも見逃せません。今ではひとつのジャンルとして確立されたフォークメタル勢のルーツを遡っていけば、本作に辿り着くバンドも多いのではないのでしょうか。またボーナストラックとして収録されているQUEENのカバー⑩Spread Your Wingも、まるでオリジナルソングであるかのような仕上がりとなっていてバンドが自分達の世界観を築き上げたことを如実に物語っています。本作は90年代の欧州メタルシーンを代表する名盤だと思うし、僕はこの頃のBLIND GUARDIANが一番好きですね。

【音源紹介】
・Somewhere Far Beyond(Live)

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アルちんさん

確かに本作でBLIND GUARDIAN初体験というのは、良かったのか悪かったのか微妙かもしれませんね。なんせBLIND GUARDIANというバンドの独自性とメタルの旨味が絶妙なバランスで融合しているので、これを基準に他のアルバムを聴くと厳しい目になってしまうかもしれませんから。ただ僕の場合は、メタル歴1年目に本作を聴いたので速い曲以外は微妙かも…なんて思っていたのですが今聴き返してみると良さを再発見できたアルバムだったりします。
次の5th以降の大作志向&複雑な曲展開自体は好きなのですが、メロディの高揚感が下降気味なのが惜しいですね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/04/23(月) 23:34:21
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ブラガ初体験!

 この4thでがブラガの初体験だったのが、良かったのか悪かったのか…
この4thでブラガが目指す独自の音楽路線は完成してしまったと思う一枚で、これを聴いた限りは「ブラガって普通のジャーマン勢とは一線を画すバンドなんだなぁ」と思っていたので、過去の作品を聴いた時は少し違和感ありましたね^^;

 ①Time What Is Timeは、美しくも勇壮で静かに始まって疾走するという大好物の流れですw
②Journey Through the Darkも切れ味の良いギターが快感でエンディングも痺れます。
当時は「遅いからキライw」だった④Theatre of Painも、以降のブラガのドラマティック・大作路線の始まりだったかもしれないと戦犯モノの一曲かも…
この4分台位でコンパクトにまとめててくれたら聴き疲れないのにな。
⑤Quest for Tanelornは、サビのコーラスが「QUEENかよっ!」って突っ込みたくなるほど美しいです。
⑥Ashes to Ashesも④⑤の流れがあって栄える曲ですね。ほんのり哀愁も含んでいるのが良いです。
⑦Bard's Song: In the Forest、The Hobbit⑧Piper's Callingもフォーキーかつアイリッシュで、ツボな楽曲。
そして⑨Somewhere Far Beyondは、当時はなかなかイイ曲だったのが、今聴き直すと「一体この名曲は何!?」と思ってしまいました、複雑な展開をしているはずなのに、耳を離さない展開美と美しいコーラス、トラッドの要素も含まして哀愁を帯びて疾走するという恐ろしい曲ですねw

 この4thが、メタルとしての攻撃性も失わず、ドラマティックにフォーキーな風味も含んで最高傑作かな。と思います。
次作から、大作志向&複雑な曲展開が拡大されてブラガ熱がドンドン冷めていってしまうのですが…

  • 投稿者: アルちん
  • 2012/04/22(日) 00:03:31
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一志さん

こんばんは。僕も一志さんと同じくメタル初心者の頃に本作と出会いました。Hansiの歌い方は、それまでメタルを聴いていない耳には刺激が強いかもしれませんね(笑)。2nd辺りと比べるとその後のBLIND GUARDIANの成長には驚かされます。5th以降はバンドの独自性は保ちつつ、やや複雑な作風にシフトしていきましたね。そういうブラガも好きですが、やはり3rdと4thこそが僕にとっての名盤です。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/01/30(月) 22:09:23
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ピッペンさん

こんばんは。こういう表現が的確はわかりませんがブラガ全盛期の1枚だと思ってます。フォーキーな楽曲もバンドの持ち味ですが僕も大合唱必至のクサいサビメロを持ったスピードチューンが大好きです!

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/01/30(月) 22:08:34
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一志がまだメタル初心者だった頃に聴いた思い出深い作品です。
"Theatre Of Pain"を初めて聴いた時にはあまりの声の汚さにびっくりしたものです(笑)。こんな声で歌っていいの?みたいな(°□°;)
でもそれに慣れたら一気にはまっちゃいましたけどね^^;
BLIND GUARDIAN史的に見てもオリジナリティを確立し一気に化けた初期の傑作と位置づけられるんじゃないでしょうかね。

  • 投稿者: 一志
  • 2012/01/29(日) 20:39:57
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3rdから始まったブラガの大ブレイクの中枢にあるアルバムですよね~。
僕はもう何と言っても、#1、#2、#9のスピード・メタル・チューンだけで十分に満足です。これぞブラガ!たる疾走感がたまりませんね!

  • 投稿者: ピッペン
  • 2012/01/29(日) 00:28:54
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