ALLEN-LANDE「THE BATTLE」(2005)

  • 2013/05/27(月) 00:00:00

THE BATTLE
【No.377】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第9位

Magnus Karlsson(G/LAST TRIBE)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が歌うプロジェクトALLEN-LANDEの1stアルバム。とはいえこのプロジェクトを企画したのでは彼等ではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino PerginoがMagnusにAOR寄りの曲作りをオーダーしたところから始まり、Magnusが作曲を進めるのと平行してFRONTIERSがシンガーを選定した結果RussellとJornに白羽の矢が立ったというのがALLEN-LANDE誕生の経緯のようです。ちなみに上記の2人と言えばRoland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN)MASTERPLAN結成する際、Russellに加入を要請したものの断られたためJornに打診、結果的にJornがシンガーの座に就いたというエピソードがありましたね。また、このプロジェクトの仕掛人Serafinoは本作と同じ2005年にMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフィーチュアしたPLACE VENDOMEのアルバムをリリースするなどしていたので、僕の中で彼に対する注目度が高くなってきたのもこの頃だったと思います。LAST TRIBEのシンガーRickard Bengtssonも作品を重ねる度に成長はしていたものの、Magnusが手掛けた曲をトップクラスのシンガーの歌唱で聴きたいという気持ちがあったのでALLEN-LANDEの話を初めて耳にした時は期待に胸が膨らみました。

このアルバムに収められているのはSYMPHONY Xタイプのネオクラ系プログレメタルでもMASTERPLANのようなパワーメタルでもないサウンドで、曲によってはLAST TRIBEよりもソフトなメロディアスHR/HM路線です。こうしてJornがメロハー系の曲を歌っているのを耳にするとMILLENIUMの傑作「HOURGLASS」(2000) をふと思い出したりしますね。プロジェクト名の影響もあってボーカルに注目が集まりがちですが、Magnusファンとしては楽曲面の充実振りに目が(というか耳が)いきます。軽快なハードロック②Hunter's Night、爽やかなサビメロが冴え渡る③Wish For A Miracle、LAST TRIBE時代には希薄だったメジャー感溢れるバラード④Reach A Little Longer、攻撃的なギターリフとポップなサビの対比が印象的な⑤Come Aliveと続くアルバム前半がハイライトでしょうか。レーベルから「こんなタイプの曲を書いてほしい」と依頼されて、指定された音楽性の枠内でここまでの仕事ができるMagnusの才能には脱帽ですね。

LAST TRIBEの3rd「THE UNCROWNED」(2003)と同じく、スピードに頼らずメロディの良さで勝負するそのスタイルは楽曲の幅が狭くなりがちなので間延び感がしてしまうのは否めませんが、曲毎に取り出して聴けばどれも高品質なものばかり。ただMagnusが作詞作曲を担当しRussellとJornという実力的に申し分ない2人のシンガーが単独で歌い、曲によってはデュエットするというこのプロジェクトに対する事前の期待値からすると物足りなさを感じるというのも事実だったりします。その要因のひとつがプロジェクトの肝であるシンガー2人はそれぞれ素晴らしい歌を聴かせてくれてはいるものの声質が似ているためブックレットを見ないとどちらが歌ってるかわかり難く、コラボレーションによる相乗効果が生まれるには至っていないことでしょうか。この辺りは参加メンバーに対する期待が大きいためハードルが高くなっていることが関連していると思うし、客観的に見れば満足できる作品であることには間違いないんですけどね…。

【音源紹介】
・Wish For A Miracle

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アルちんさん

こんばんは。僕の音楽遍歴に目を通していただいてありがとうございます。かなりの長文なので時間のあるときにでも読んでやってください。
たしか本作用にMagnusが曲を書き始めた時点では誰がシンガーになるのかは未定で、のちにRussellとJornが歌うと決まった時に2人のファンだったMagnusが大喜びしたという記事をどこかで読んだような気がします。RussellがSYMPHONY Xの時のような怒りの感情は抑え気味で爽やかな唱法を軸にしていることも2人の差別化がしにくくなってる要因でしょうか。おっしゃる通りアルバム後半も良い曲が並んでますよね。これだけの楽曲を揃えられるMagnusはもっと評価されて欲しいコンポーザー/ギタリストです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2013/07/01(月) 20:27:51
  • [編集]

メロハー?AOR?

 こんばんは!よしよさん。
よしよさんの音楽遍歴はボリュームがありすぎて、じっくり時間をかけて読ませて頂きたく思います。

 Magnusさんの関連ではビッグネームのヴォーカリストを二人借り出してのプロジェクトとして、Magnusさんも相当プレッシャーがあったのではないでしょうか?
正直、Russell AllenとJorn Landeの二人のVoの違いがあまり分かりません(爆)
どれだけ二人のアイディアや歌メロが反映されているかわかりませんが、基本やはりMagnusの楽曲ありきなんですよねぇ。

 イントロから「キタ~」な①Another Battleは地味ながら良曲です、4分台に入ってからのMagnusの軽快なGが堪らない③Wish For A Miracle、良く出来たバラード④Reach A Little Longer、このアルバムを代表する曲⑤Come Alive、POPなkey捌きにキャッチーな歌メロが堪りません。
 
 よしよさん前半だけじゃ~終わりませんぜ!「イヤ~イヨ~」の謎コーラスがキャッチーなメロハー⑥Truth Of Our Time、これまたキャッチーにドライヴする⑦My Own Wayは4:13からの短いながらGソロが絶品です。
後半のハイライト⑩Where Have The Angels Goneは哀愁をタップリ含んだ素晴らしい楽曲です。
イントロの泣きのGだけでガットポーズ物の⑫The Forgotten Onesもラストを飾るに相応しい楽曲です。

 Magnusさんの実力が如何なく発揮された名盤だと思います。
久々聴いても本当に良いアルバムです。

  • 投稿者: アルちん
  • 2013/06/30(日) 21:21:21
  • [編集]

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