STRATOVARIUS「ELEMENTS PART1」(2003)

  • 2009/05/18(月) 08:10:33

ELEMENTS PART1
【No.139】
★★(2003)

出世作「VISIONS」でヨーロピアンメタル勢の中でも抜きん出た存在となり、続く7th「DESTINY」、8th「INFINITE」が本国フィンランドのナショナルチャートで1位(「INFINITE」はゴールドディスクを獲得)に輝くなど、名実ともにトップバンドとなったSTRATOVARIUS。前作「INFINITE」リリース後に、リーダーTimo Tolkki(G)がしばらくバンド活動を休止すると宣言したこともあり3年のインターバル(この間にTolkkiとTimo Kotipelto(Vo)はそれぞれソロ作を発表)を置いて発表された通算9枚目です。本作は地球や人間の要素(エレメント)である火・水・風・土をテーマにした2部作の前編という位置付けで、4大要素の中の「火」と「水」がテーマとなっています。

STRATOVARIUSがHR/HMファン限定のバンドではなく、より幅広い層にアピールできる普遍的な魅力を持ったバンドとなったことを雄弁に物語るオープニングのリーダートラック①Eagleheartを聴いた時点で期待が大きくなったのですが、その後がどうにも続きません。どこを切ってもSTRATOVARIUS印のスピードチューン③Find Your Own Voice、⑤Learning To Flyやテクニシャン揃いのこのバンドらしい激速インスト⑦Stratofortress以外はファンタジックで大仰なミドル、バラードが並んでいて、STRATOVARIUSのトレードマークはフックあるメロディの疾走曲だと考える僕にとっては、とっつきにくい楽曲が多いように思います。リピートしていると、スピードに頼らないSTRATOVARIUSの旨味が感じられる④Fantasia、12分の長さが冗長に思えるものの後半はゴージャスなアレンジで劇的に盛り上がる⑧Elements、ボーカルメロディが胸に染みるバラード⑨A Drop In The Oceanなどが気に入ってきたりもしているんですが、メロディ自体があまり耳に残らないんですよね。

あと気になったのは③、⑤といった疾走曲で顕著なキーの高さ。Kotipeltoの歌唱は自らの限界に挑戦するかのような悲壮感漂うハイトーンが魅力的なこともありますが、流石に③はキーが高すぎて悲壮感を通り越して痛々しいほど。Tolkkiのギターに加えて、このバンドのソロパートには欠かせない存在となった元祖鍵盤魔人Jens Johansson(Key)や一段と存在感を増したJari Kainulainen(B)、Jorg Michael(Ds)の力強いリズム隊を筆頭に演奏陣に余裕が感じられるだけに、ボーカルだけが切羽詰っているというアンバランスさも感じられます。ゴージャスなアレンジと緻密に作り込まれたサウンドからは、ベテランの風格とトップバンドの凄みが感じられる反面、メロディの即効性は過去作品には及ばないため聴き込みを要する1枚かもしれませんね。本作まではこのバンドの新譜が出る度に即買いしていた僕も、次回作はどうしようかなという迷いが出てきた作品でもあります。

【音源紹介】
・Eagleheart

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