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SEVENTH WONDER「MERCY FALLS」(2008)

  • 2008/12/06(土) 09:43:34

MERCY FALLS.jpg
【No.079】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第10位

前作「WAITING IN THE WINGS」(2006)が素晴らしかったため、現在のプログレメタルシーンの中で僕が一番期待し、注目しているバンドSEVENTH WONDER待望の3作目です。本作はバンド初のコンセプトアルバムとなっていて、全15曲で74分に渡る濃密な世界が繰り広げられています。前作と同じく「IMAGES AND WORDS」期DREAM THEATERをパワーメタリックに仕上げたかのような極上サウンドは健在で、プログレメタルバンドにありがちな複雑な曲展開、小難しさは最小限に留めているので本格的なプログレは苦手な僕にも聴きやすい音になっています。

SEVENTH WONDERの大きな武器は耳に残る歌メロと、それを歌い上げるTommy Karevik(Vo)の存在です。優しいジェントル歌唱とアグレッシヴな唱法を表情豊かに使い分けていて⑤Tears For A Father、⑦Tears For A Son、⑬One Last Goodbyeといった弾き語りスタイルのシンプルな楽曲では、彼の歌声が一際輝いています。演奏陣も負けておらず、バンドリーダーAndreas Blomqvist(B)が操る太いベースラインとそこに絡むJohnny Sandin(Ds)の手数豊富なドラムとのコンビネーション、切れ味鋭いリフとメロディアスなソロを奏でるJohan Liefvendahl(G)、そして楽曲毎に絶妙の音色を駆使してギターと火花を散らすAndreas Soderin(Key)と、各プレイヤーに華があるのがいいですね。楽曲単位で見ても、アルバム前半のハイライトとなる起伏の激しい④Unbreakable、典型的SEVENTH WONDERチューン⑧Paradise、センス抜群のキーボードアレンジが美味しい⑪Hide And Seek、いかにもプログレメタルなテクニカルパートに始まりキャッチーなサビへと流れていく⑫Destiny Callsなど、親しみやすさとプログレらしい深遠な音世界を見事なバランスで織り込んだものが目白押しです。

と、非常に聴き応えのある1枚ではあるんですが、メロディのインパクトに関しては前作の方が上かなという気もします。曲間を繋ぐ意味深な会話やSEを挟んだり、これまでのメロディがフラッシュバックする⑭Back In Timeなど、コンセプトアルバムならではの工夫が仕掛けられている反面、本作随一の美旋律ナンバー⑤が2分足らずの小曲扱いになっていたり、⑬の感動的なメロディに登場人物の会話が被さったりと、コンセプトアルバムであることが逆に作品の足枷になっているように思える部分があるんですよね。コンセプトが楽曲を活かしきれていないというか…。とはいえ、過剰な期待を持たずに聴けば十分過ぎるほどに楽しめる好盤なので、これは僕が前作を聴いて大きな期待を抱いたせいかもしれませんが。とにかく今後も応援したいバンドだし、早くも次のアルバムが楽しみで仕方ありません。それにしても本作が現時点で日本発売の予定がないというのがホントに不思議。

【音源紹介】
・Unbreakable

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