KIM KYUNG HO「5th」(2000)

  • 2009/04/07(火) 08:09:21

KIM KYUNG HO 5
【No.122】
★★★(2000)

韓国の人気ロックシンガーKim Kyung Hoの5作目。バラードをメインとしつつメタリックな楽曲を交えた傑作3rd、全体的にソフトな楽曲が多くて歌謡ロックとさえいえそうな内容だった4thと音楽性が変遷していたので、今度はどんな方向性になるのか注目していました。結果的にはメタルシンガーとしての側面を強調する楽曲は少なく、前作の延長線上にある作品といえそうです。もっとヘヴィメタル然とした作品を期待していた身としては、少し残念な印象かな。

本作のアルバム構成は偶数曲にお馴染みのバラード曲を配し、その間の奇数曲に異なるタイプの楽曲を収録するという形になっています。まず奇数曲から見ていくとアルバム冒頭の①タルチュル(脱出)こそ掴みとしては弱いですが、ダンスビートと哀メロが見事に合体した名曲③Blood、タイトルからしてQUEENに捧ぐという風情のポップロック⑤Dear FreddieLee Hyun Suk(G)の泣きまくりのギターに始まり、曲終盤で劇的な盛り上がりを見せるKim自身が作曲したミッドテンポのメタル⑨ナエクリウムンノエティエ…(僕の心は君の後ろに・・・)など、聴き応えのあるものが並んでいます。また偶数曲についても、彼のバラードの中でもトップクラスといえる②ワインを筆頭に、ハイクオリティなものが多いのでメロディの印象度では前作を上回っているかもしれません。

楽曲単位で見れば好きな曲が多いのに名盤と呼べないもどかしさは、作品の方向性が定まっていないように思えるせいかも。特に聴き始めの頃は、僕が期待するKim Kyung Ho像から作品を重ねる度に離れてきているような気がして落胆しましたが、いろいろ調べるうちに彼を取り巻く韓国ロックシーンの現状と彼のHR/HMに対する考え方が見えてきました。Kimの活動基盤である韓国のHR/HMシーンは日本以上に厳しい状況で、メジャーで生き残っていくためには本作にあるダンスミュージックなどの売れ線的要素を盛り込まなければならないようなのです。また、彼が所謂「売れ線アルバム」をリリースする理由はそれだけでなく、CDやテレビで大衆受けするポップ/バラードを歌い、多くの人にライブに来てもらう、そしてライブで自身のメタルナンバーや海外メタルバンドのカバーを演奏することで、メタルの素晴らしさを多くの人に伝えたいという想いがあるそうです。メタルはおろかロックもまだ市民権を得たとは言い難い韓国で奮闘する彼の姿にはグッと来たし、そういう事情を知って彼のことが益々好きになりました。自分のやりたい音楽を追求するというミュージシャンとして当然のエゴを抑え、HR/HMを自国の音楽シーンに定着させるべくメタル伝道師に徹する彼の信念が実を結ぶことを心から願っています。Kimの卓越した歌唱力があれば、きっと実現できるはずです!

【音源紹介】
・ワインのPVはこちら

・Blood(Live)

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schneeさん

はじめまして。
ブログ訪問&コメントありがとうございます。
4月10日発売の「CHAPTER ZERO」はもちろん買いますよー!既に入手されている方もいらっしゃるようで羨ましい限りです。これからも韓国のロック伝道師キム・ギョンホを応援していきましょう!

  • 投稿者: よしよ
  • 2009/04/09(木) 08:06:56
  • [編集]

私もキム・ギョンホを応援しています

はじめまして。
私も韓国のロックの伝道師として生きる彼の生き方に感銘し応援しています。
ご存知かと思いますが、
今月10日発売の日本版CD「Chapter Zero 」お聴きになりましたか?
ここ何年病気と闘いながらいろいろありましたが、
昨年完全復帰し、さすがキム・ギョンホとうなずかせてくれます!
是非是非聴いてみてください!!!

  • 投稿者: schnee
  • 2009/04/08(水) 20:47:46
  • [編集]

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