EMIR HOT「SEVDAH METAL」(2008)

  • 2008/12/17(水) 08:15:39

SEVDAH METAL
【No.083】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第7位

かつてはNEON KNIGHTSというバンドに在籍していたボスニア・ヘルツェゴビナ出身のギタリストEmir Hotのソロ1作目。アルバムタイトルからもわかるように、東バルカン地方のトラッドミュージック「Sevdah(セヴダ)」を程よいアクセントとして取り入れたネオクラシカルメタルが楽しめる好盤です。こういったフォーク/トラッド色をメタルに融合させるというスタイルはヴァイキングメタルの専売特許という印象でしたが、正統派メタル好きの僕にとっては本作の基本線がネオクラ路線というのが嬉しいですね。例えるなら、YNGWIEスタイルのギタープレイにジプシー音楽をミックスさせたSteven Anderson(G)の名盤「GYPSY POWER」の歌モノバージョンという感じでしょうか。

本作でEmirを強力バックアップするのは、声質が変わったような気がするものの伸びやかなハイトーンは健在なJohn West(Vo/ex-ROYAL HUNT etc)、パワーヒットで楽曲にグルーヴをもたらすMike Terrana(Ds/MASTERPLAN、ex-RAGE)という2人のベテランで、本作をより魅力的なものにしてくれています。楽曲も②Devils In Disguise、④Skies And Oceansといったスピードチューン、ネオクラの王道をゆくミッドテンポ③World Set On Fire、Emirの繊細なアコギとJohnの熱唱が強烈な泣きを発散するバラード⑥Stand And Fight、Steven Andersonの作品でも使われていた欧州民族音楽フレーズを用いたインスト⑧Hora Martisoruluiとバリエーション豊かで、アルバムの流れとしてもバランスよく配されています。またアルバム中盤の⑤Sevdah Metal Rhapsodyは12分近くの大作で、ヨーロッパ民謡風の情緒とヘヴィメタルの攻撃性の両方を併せ持ち、途中にMikeのドラムソロまでもフィーチュアした聴き応えたっぷりの1曲。個人的お気に入りチューンは、エキゾチックな歌メロで駆け抜ける⑦Endless Painですね。曲のラストでスローダウンしたかと思うと、その後再び加速するというアレンジがツボです。

アルバムの主役であるEmirのギターは安定感とセンスの良さが感じられるだけでなく、ギタリストのソロ作品でありながら良質な歌メロ満載というのがいいですねぇ。サウンドプロダクションのショボさが気にならなくはないけど、そんなマイナス面を補って余りある充実の楽曲と各メンバーのプレイがぎっしり詰まった1枚です。John、Mike共に数多くのバンドを渡り歩くタイプのプレイヤーなので難しいかもしれませんが、次作も同じメンバーで作ってもらいたいですね。

【音源紹介】
・Devils In Disguise

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名刀シイタケさん

こんにちは。コメントありがとうございます。
Steven Andersonの「GYPSY POWER」はおススメですよ!このブログでも紹介してるので、よろしければ参考にしてください。もう一枚の方はプログレ的深遠世界に入り込んでて苦手でしたが。この前「GYPSY POWER」が中古500ワゴンセールに並んでるのを発見し複雑な心境です。

僕もJohn WestとMike Terrana参加が本作購入の決め手でもありました。次回作もこの2人が参加してくれますように…。

  • 投稿者: よしよ
  • 2008/12/25(木) 08:09:26
  • [編集]

私もコレ好きですね~!セヴダ・メタル・ラプソディーはかなり新鮮な響きがありました!!

それにしても、幻のギタリストと言われる「スティーヴン・アンダーソン」の作品にもそういう要素があるんですね!

名前だけは聞いた事はあったのですが、何せモノを中々見ない。

ジプシー・パワーだったか、それじゃないやつだったか、どちらかは見たことあるんですが。

このアルバムは、あとは私が好きなジョン・ウェストと、マイク・テラーナが参加っていうのも大きいです。

  • 投稿者: 名刀シイタケ
  • 2008/12/25(木) 01:54:50
  • [編集]

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