KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH「SIGN OF THE TIMES」(1998)

  • 2014/03/25(火) 00:00:00


SIGN OF THE TIMES
【No.395】
★★★(1999)

まるで外国人のような名前だけどれっきとした日本人のギタリスト/マルチプレイヤーKelly Simonz(本名は島津 和博さんだそう)がKELLY SIMONZ'S BLIND FAITH名義で発表した自主制作1stアルバム。彼のプロフィールを簡単に書くと、14歳でギターを始めるや僅か3年でLOUDNESSのオープニングアクトを決めるオーディションに見事合格し、LOUDNESSと同じステージに立つなど注目を集める存在となる。高校卒業後は単身で渡米し現地のミュージシャン養成学校に通ってPaul Gilbert(G/MR.BIG)らの元で音楽を学びながらセッションプレイヤーとしても活動。アメリカ音楽シーンの波に揉まれる中でそれまでの速弾き/テクニック重視だけでなくカントリーやウエスタン、R&Bなどへの造詣も深めていくと同時にボーカルやドラムもこなすマルチプレイヤーへと成長していった後に帰国して完成させたのが本作です。

聴き手の期待感を煽るパイプオルガンの音色から一転して鋭いギターが切れ込んで来る幕開けがカッコいい疾走曲①Eternal Flame、ネオクラシカル系バンドの2曲目によくあるタイプのミドル②Cry For Loveまでを聴いて、それまで国産メタルバンドと言えばCONCERTO MOONくらいしか知らなかった僕は「日本からこの手のアーティストが出て来てくれたのは嬉しいけれど総体的に見れば可もなく不可もなくかな」という感想だったのですが、続く大陸系バラード③I'll Never Say Goodbyeには驚かされました。ネオクラシカル一辺倒かと思いきやアメリカ滞在中に培った多様性が感じられるだけでなくメロディも秀逸なんですよね。そんな彼の特徴がよく表れているのがネオクラメタルを下地にしつつ1曲の中に様々な要素を詰め込んだ⑤Blind Faithでしょうか。また本作は全10曲中4曲がインストナンバーなのですが物悲しいアコギによる小品④Solitude、ネオクラの王道を行くスピードチューン⑥Sign Of The Times、クラシックを取り入れた⑦Suite In B Minor BWV1067Gary Moore(G)からの影響も感じられる泣きまくりナンバー⑧Cry For Youなど曲調が多彩なのでダレません。そんなアルバムの中で一番好きなのはパッヘルベルのカノンのメロディをフィーチュアしたバラード⑩Stay In My Heartですね。

なかなかの好盤に仕上がっている本作ですが、リリース当時に話題となったことが2つあります。まずは「一人様式美」と称されるKellyのマルチプレイヤー振り。ギターは勿論、ボーカルや他の楽器(ドラムはプログラミングのようですが)を含めて全てをこなしてしまうKellyの才能には脱帽です。賛否が分かれるボーカルパフォーマンスについては、確かにハードな曲を歌う分には線が細いとは思いますがバラードで一段と映える独特の甘い歌声は大きな武器となっていますね。そしてもうひとつは本作が1998年当時はまだ一般的ではなかったインターネットを介して販売されていたという点です。今でこそネット注文が当たり前となっていますがインターネットを使い始めた当時の僕にとっては驚きでしたね。ちなみに僕はネット注文する勇気がなかったので神戸のメタル専門ショップブルーベルレコードさんで買いました。

【音源紹介】
・Stay In My Heart

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する