KAMELOT「EPICA」(2003)

  • 2011/08/17(水) 00:00:00

EPICA
【No.299】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第8位

4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)、5th「KARMA」(2001)の2作品で荘厳なサウンドを信条としたメロディックメタルの代表的存在へと登り詰めたKAMELOTの6作目。Thomas Youngblood(G)Roy Khan(Vo)が共作した楽曲をGlenn Barry(B)、Casey Grillo(Ds)のリズム隊がガッシリと支え、Sascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)Miroのゴールデンコンビが豪華絢爛なアレンジで仕上げた上にRoyの感情豊かな歌声が乗ることで完成するKAMELOTワールドは今回も健在です。しかもメロディの充実度が更に向上している本作はバンドの最高傑作と呼びたくなるほどの1枚ですね。前作でエリザベス・バソリーをテーマとした3部構成の組曲Elizabethに挑戦した経験を活かして、今回はドイツの文学者ゲーテの戯曲「ファウスト」をモチーフにしたオリジナルストーリーによるコンセプトアルバムとなっています。余談ですが本作を聴いたMark Jansen(G/EPICA、ex-AFTER FOREVER)がその素晴らしさに感動し、バンド名をSAHARA DUSTからEPICAに変更したというエピソードがあるそうです。

ここ最近2作品のオープニングに序曲~疾走キラーチューンを持ってきていたKAMELOTですが今回もやってくれました。徐々に期待感を高める文字通りストーリーの導入部となる①Prologueに続く劇メロ疾走曲②Center Of The Universeは一撃必殺ナンバーだし、それに続いて波状攻撃のように襲い掛かってくる③Farewellに至る流れは素晴らしいとしか言いようがありません。これらのスピードチューンで聴き手の心を鷲掴みにした後は、バンドのエキゾチックな側面にスポットを当てた⑤The Edge Of Paradise、Royの艶やかなセクシーボイスが楽曲の儚さを最大限に引き出したバラード⑥Wanderと圧巻の畳み掛けを見せてくれます。名盤だった前作「KARMA」以上に本作は僕好みのメロディが多いだけでなく、このバンドにしては珍しい「躁」なメロディをフィーチュアした⑩A Feast For The Vain、タンゴ調のパートを上手く絡めたアレンジの妙が光る⑫Lost & Damned、「キャ~リ オ~ン キャ~リ オ~ン♪」というクワイアが耳に残るスケールの大きなヘヴィナンバー⑮The Mourning After(Carry On)など各曲のキャラ立ちの良さ、粒の揃い具合も過去最高レベルです。そんなKAMELOT特有の世界観を構築している最大の要因は神々しさをも感じさせるRoyのボーカルですね。僕は「THE FOURTH LEGACY」で初めて彼の歌声を聴いたのですが、今やRoyの歌を聴くためにKAMELOTの作品を聴いていると言っても過言ではありません。②の「ムゥ~ヴ、スロゥリィィ~♪」という歌い出しからしてクラクラ来てしまったし、⑥は切なさと色香漂う彼の繊細なハイトーンがなければここまで感動的な曲になっていなかったのではと思えるほどです。メタルシンガーというと超絶ハイトーンを駆使したり、力を込めて歌い上げたりするタイプが多い中、Royならではの絶妙な声の「抜き方」は強力な個性となっているだけでなく、その歌唱テクニックに聴き惚れてしまいます。今や彼を語る際に「元CONCEPTION」という肩書きは不要なのではないでしょうか。

本作はコンセプトアルバムということでボーナストラックを除いた全16曲中6曲が繋ぎ的な小インストなのですが、主人公アリエルと出会う女性ヘレナを演じるMariのソプラノボイスをフィーチュアした⑬Helena's Themeのような曲もあり、冗長さをあまり感じさせません。ただ⑭Interlude Ⅳ(Dawn)に実力派英国人シンガーIan Parry(Vo/ELEGY)が参加しているのに、彼のパートがセリフだけといのは勿体ないですね。Thomasによるとイギリス英語のアクセントによる語りが欲しかったとのことですが、その理由だけでIanを起用してしまうなんて宝の持ち腐れでしょう(苦笑)。Royとのデュエットが聴きたかった…。ちなみに本作は物語の前半部分に当たり、ストーリーは次回作「THE BLACK HALO」(2005)でエンディングを迎えることとなります。

【音源紹介】
・Center Of The Universe

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

KOYABURNさん

こんばんは。そうですね、メロパワ期のKAMELOTはこのCenter Of The Universeを筆頭にThe Fourth Legacy、Foreverなどオープニング曲が神懸かってましたよね。メタルの攻撃性だけでなく美しさも兼ね備えた彼等の世界観に魅了されたものです…。今のKAMELOTには今の良さがあるんですけど、僕もこの頃が懐かしいです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/08/20(土) 23:52:11
  • [編集]

どうもこんばんは。

うぁ~、Center Of The Universe...懐かしいです。
あの美しいメロディが癖になり、何度も聴いてましたよ♪

  • 投稿者: KOYABURN
  • 2011/08/17(水) 21:24:53
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する