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陰陽座「煌神羅刹」(2002)

  • 2008/08/21(木) 07:28:05

煌神羅刹
【No.028】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第9位

インディーズ盤で2枚のアルバムをリリースし、話題になった妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座の記念すべきメジャーデビュー作。インディーズ時代よりもわかりやすい作風を目指したためか、疾走曲の割合がこれまで以上に多く過去2作に比べるとクセがなく、すんなりと耳に馴染んでくる1枚です。

とにかくアルバム冒頭の3曲が実に強力。エキゾチックな和音階をメタルに融合させた①「羅刹」、伸びやかで飛翔感あるサビメロを黒猫(Vo)が力強く歌い上げる②「朧車」、タイトル通り煌めくほどのメロディの良さがギラリと光る③「煌」と、それぞれタイプの異なる曲での畳み掛けが凄いですね。特に③はつい繰り返して聴いてしまう名曲です。オープニングからの7曲中6曲が疾走系のため中盤やや単調な印象もありますが、陰陽座の全てを凝縮したといえるメジャーデビューシングル⑦「月に叢雲花に風」のメロディは耳に残ります。そして「鬼婆伝説」を題材としたアルバム後半のハイライト⑧「組曲『黒塚』~安達ヶ原」、⑨「組曲『黒塚』~鬼哭啾々」が本当に素晴らしい。鬼婆と化した老婆の悲しみを黒猫が切々と歌うバラードから背筋も凍る語りパートへ展開する⑧、流麗なツインギターをフィーチュアしながら一気に駆け抜ける物語の後半⑨という構成になっていて、その両方ともがバンドの卓越した表現力を堪能できる名曲です。そんな「組曲黒塚」のシリアスな世界観から、ガラリと雰囲気が変わってラストを締めるハッピーロックチューン⑩「おらびなはい」も秀逸。

過去2作品で見受けられたヘヴィでおどろおどろしい楽曲は④「牛鬼祀り」のみで、黒猫の美声が映えるバラードと陰陽座定番のお祭りソングを盛り込みつつ、大半をスピード曲で固めた本作からは、幅広いファン層を取り込もうとする瞬火(B、Vo)の狙いがうかがえます。各メンバーもそんなリーダーの気合いに引っ張られるかのように、充実のパフォーマンスを披露。その中でもやはり黒猫のボーカルパートを耳で追ってしまいますね。インディーズ時代から大幅なグレードアップを遂げた、メジャーデビュー盤かくあるべしという作品ですね。

【音源紹介】
・「組曲『黒塚』~安達ヶ原」(Live)

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