陰陽座「百鬼繚乱」(2000)

  • 2008/07/30(水) 22:27:29

百鬼繚乱
【No.017】
★★★★(2001)

正統派ヘヴィメタルサウンドに男女ツインボーカルと「和」のテイストを巧みに取り入れ、「妖怪ヘヴィメタルバンド」というコンセプトで活動を展開する陰陽座の2ndアルバム(インディーズ盤)にして、僕が彼らの音に初めて触れた作品です。本作でこのバンドに惚れ込み、これ以降のアルバムも欠かさず聴いていますが、本作には次作以降の陰陽座がとっつきやすいメロディックメタルと洗練性を手に入れたかわりに失ってしまった強烈な個性が詰まっているように思えます。

ヘヴィなギターリフと能楽風コーラスを用いた導入部が「和」を感じさせる疾走曲①「式を駆る者」、独特のクセを持った男声ボーカル瞬火(B、Vo)とバンドの顔である女声ボーカル黒猫(Vo)が絡み合いながらキャッチーなメロディを歌い上げる名曲②「桜花ノ理」、プログレ的要素も若干盛り込んだ曲展開の中で招鬼(G)狩姦(G)のツインギターが冴えを見せるメロディックメタル曲④「癲狂院狂人廓」、ストレートなメタルチューン⑧「化外忍法帖」といった即効性の高い楽曲にまず耳が惹きつけられます。そんなメジャーデビュー後の陰陽座に通じる明快な楽曲に加えて、本作ではバンドの持つ禍々しさが渦まくドゥーミーなナンバー③「塗り壁」⑤「八咫烏」も収録されているし、黒猫の独唱による美麗バラード⑥「歪む月」、招鬼のデスヴォイス~黒猫による澄んだ歌声~瞬火が歌う勇壮なクサメロへと展開するミドル⑦「帝図魔魁譚」、9分に渡るダークなプログレ⑨「奇子」、彼らのライブには欠かせないお祭りソング⑩「がいながてや」など、とにかく楽曲の個性が強く濃厚なのが特徴です。

次回作でメジャーデビューを果たして以降、どんどん垢抜けて洗練された陰陽座も好きですが、本作の頃と比べると「あっさりしてる」とも感じます。「妖怪」という言葉から連想するおどろおどろしい空気とメタルサウンドのバランスの良さでは本作が随一だし、リピートする内にどんどんはまっていく中毒性という面でも3rd以降の作品に引けを取らない名盤です。リーダー瞬火が生み出すそんな独特の世界観と作曲能力の高さもさることながら、このバンドの最大の強みは黒猫の歌唱力でしょう。時には力強く、時には清らかに、曲によってはダーティーに、更には演歌調のこぶしの効いた歌い回しから語りまでこなす彼女の器用さと表現力の豊かさには驚きです。メンバーのルックスや、「妖怪ヘヴィメタル」という言葉を聞いて敬遠してしまうにはあまりに勿体ないバンドですね。

【音源紹介】
・桜花ノ理(Live)

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Metalaholicさん

ブログ訪問&コメントありがとうございます。
「紅葉」聴かれましたか。うらやましい限りです。僕も大学時代CDショップでバイトしたかったんですが、縁がなく断念した思い出があります。

Metalaholicさんのブログでも陰陽座を力を入れて紹介されてますね。「魑魅魍魎」リリースに合わせて当ブログでも、陰陽座のCD紹介していきたいので、また遊びに来てもらえれば嬉しいです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2008/08/02(土) 09:20:37
  • [編集]

こんにちは。
陰陽座が大好きな大学生メタラー、Metalaholic申します。
私のほかに陰陽座のレヴューをしている方を見つけて嬉しいです。笑

確かにメジャーデビュー後の陰陽座はキャッチーですよね。
初期の頃に見られた「どろどろした感じ」はなくなったと思います。

CDショップでバイトしているのでシングル「紅葉」は既に聞きました。
多少のマンネリ感はありましたが、瞬火らしい良い曲でしたよ。
9月に発売される「魑魅魍魎」、楽しみに待ちましょう。

  • 投稿者: Metalaholic
  • 2008/08/02(土) 02:49:04
  • [編集]

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