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陰陽座「鬼哭転生」(1999)

  • 2008/08/18(月) 07:25:37

鬼哭転生
【No.027】
★★★(2002)

妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座のデビューアルバム。2005年発売のライブDVD「我屍越行」風に改めてメンバーを紹介すると、魂有り余るベース兼ボーカルを務めるリーダー瞬火(B、Vo)0、魂を揺さぶるドラム斗羅(Ds)、魂を貫くギター狩姦(G)、魂を震わすギター招鬼(G)、魂を抱きしめるボーカル黒猫(Vo)という5人編成のバンドです。初のフルレンスアルバムということで、メジャーデビュー作「煌神羅刹」は勿論、インディーズ時代のもうひとつの作品である2nd「百鬼繚乱」と比べても荒削りで音質もさほど良くありませんが、男女ツインボーカルで歌うメロディアスなメタルをベースに泥臭さ、プログレ風展開をミックスさせた熱い音楽性と難解な日本語詞で表現される独自の世界観が本作で既に確立されています。

アルバム序盤こそ、泥臭さが強く複雑な曲展開が多いためノリ切れませんが、和歌を詠唱するような黒猫の「抜いた」歌唱が醸し出す「和」の香りとメタルのアグレッションが見事にマッチした⑤「文車に燃ゆ恋文」以降は陰陽座のレパートリーの中でも重要な役割を担うものばかり。雪女をテーマにした美旋律バラード⑥「氷の楔」、ライブでその真価を発揮する忍法帖シリーズ第1弾⑦「鬼斬忍法帖」、メンバーがステージを駆け回るライブパフォーマンスが有名なメロディックチューン⑧「百の鬼が夜を行く」、古来の童歌風メロディと地方民謡歌詞をメタリックに仕上げた⑩「亥の子唄」もさることながら、群を抜いているのが黒猫作詞作曲による⑨「陰陽師」です。瞬火の語りに始まりジャーマンメタル調のクサいメロディが炸裂した後、狩姦のテクニカルプレイ~ピアノソロと黒猫の語り~招鬼のエモーショナルギターを経て再び大疾走するこの曲は、「バンドの表題曲」と瞬火が自信を持って語るのも納得の名曲です。

「妖怪ヘヴィメタル」というバンドコンセプト、メンバー全員が白塗りメイクをして着物を身に纏うという色モノ扱いされかねない要素がありながら、陰陽座が幅広い層に受け入れられているのはやはりメロディ、楽曲の良さに尽きると思います。そして本作は、瞬火の明確なヴィジョンとプロデュース能力の高さで具現化される陰陽座の濃密な世界が味わえる1枚となっています。

【音源紹介】
・陰陽師(Live)

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