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SOILWORK「STABBING THE DRAMA」(2005)

  • 2011/05/21(土) 00:00:00

STABBING THE DRAMA
【No.288】
★★★(2005)

まだバンドの知名度が高くなかった2001年にリリースした3rd「A PREDATOR'S PORTRAIT」を聴いたメタルゴッドRob Halford(Vo/JUDAS PRIEST)が「SOILWORKはメタルの未来だ」と称賛したその予言通り、4th「NATURAL BORN CHAOS」(2002)と5th「FIGURE NUMBER FIVE」(2003)の2作品で北欧のみならず世界的なエクストリームメタルシーンを代表するバンドのひとつとなったSOILWORKの6thアルバム。基本的にはバンドの出世作となった4作目以降と同路線の本作ですが、存在感が大きくなってきていたSven Karlsson(Key)が今回はそれほど目立っておらず、初期作品にあったザクザクしたギターが戻ってきているように思います(相変わらずソロは控えめですが…)。それに伴って作品全体の質感も少し違ってきていて、ヘヴィながらも弾力性と厚みが感じられた前作が「綿(わた)」を連想させるサウンドだとすれば、ソリッドかつシャープな本作は「これぞ重金属」というハードさが強調され、Bjorn“Speed”Strid(Vo)が歌うサビのコーラスについてもハーモニーを重ねるのではなく、シンプルに歌メロを聴かせるアプローチとなっています。

それにしてもBjornはグロウルパートの迫力もさることながら、これまでは清濁の声色を使い分けているレベルだったクリーンボイスの表現力がどんどんアップしていますね。重くアグレッシブな演奏で緊張感を高めておいてサビでは打って変わって歌心ある旋律を聴かせるという今のSOILWORKらしさが詰まったオープニングのタイトル曲①Stabbing The Dramaからしてサビメロが一段と強化されているのが窺えるし、そんな歌ものとしても十分に通用しそうな親しみ易さは⑦Distanceでも発揮されています。僕が本作で気に入っているのは作品中盤で、モダンヘヴィネスの空気を吸い込んだメロディアスミドル⑤Nerve、バンド初期の衝動性とともに駆け抜ける⑥Stalemate、抜群のボーカルメロディが絶大なインパクトを残す前述の⑦という、タイプは違えどSOILWORKの魅力を詰め込んだ3連発はなかなか強力。また⑥のようなデスラッシュチューンは作品終盤にもう1曲⑩Blind Eye Haloが収録されていて、初参加のドラマーDirk Verbeuren(当時はフランスのエクストリームメタルバンドSCARVEも掛け持ち)が凄まじいドラミングを披露してくれています。この⑥や⑩はバンド初期のスタイルに近い楽曲なのは間違いないのですが、これまでは爆走感の中にもダークな雰囲気が漂っていたのに対して、今回は爽快感すら漂っているのがメロデスからエクストリームメタルへの変貌を遂げた現在のSOILWORKらしくもありますね。

上記のようにアルバム全編に渡って、いかにもSOILWORKらしいサウンドが繰り広げられてはいるものの過去2作品と比べて印象に残らない楽曲が増えているのが少し気になりますね。この点についてはあくなきチャレンジ精神を持ち続けた結果、4thで独自のスタイルを手に入れたSOILWORKが今回は逆に自らのスタイルに縛られてしまったようにも感じられます。バンドが安定期に入ったと見れなくもないですが⑥と⑩を除いて楽曲のフォーマットが似たり寄ったりで、前作まではフックのあるメロディがカバーしていた飛び抜けたキラーチューンの欠如やマンネリ感といったバンドのウィークポイントが顕在化してしまったと言えるのかもしれません。ただこれはあくまでもSOILWORKの過去作品と比べた場合の話であって、本作も単体で見ればクオリティは高いので十分楽しむことができました。

【音源紹介】
・Stabbing The Drama

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この記事に対するコメント

アルちんさん

こんばんは。こういうスルメ盤との出会いも楽しいですよね。本作を聴いてやはりアルバムはじっくり聴き込まないといけないなーと改めて思いました。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/05/25(水) 23:23:39
  • [編集]

スルメ盤、それです!

 よしよさん、こんばんは~。確かに6thはスルメ盤ですよ!
僕も最初なぜあんなに、このアルバムに抵抗感持ったのかわからないですよw
今ではすっかりお気に入りなんです。

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/05/24(火) 22:27:36
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アルちんさん

アルちんさんも僕と似た感想でしたかー。実はこの記事を書くために聴き直すまでは「お気に入り度★★くらいかなー」なんて思ってたのですがリピートするうちに上方修正することとなりました。SOILWORKにしては珍しいスルメ盤なのかも?

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/05/24(火) 00:36:20
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こんにちは~

 僕もよしよさんと同じく、この6thは初めて聴いた時は「マンネリ」「似たり寄ったり」を感じて「次回作もこの路線が続くなら、正直もう買うのやめようかな」とまで思ってしまったのですが…。
何回か聴くとやっぱりいいんですよね。

 当初全然良さがわからかったけど、よく聴けばサビメロいいじゃないの①Stabbing The Drama、このアルバムのキラーチューン⑦Distance、コンパクトなデスラッシュナンバー⑥Stalemate、⑩Blind Eye Haloとそこいらのバンドでは作り得ない楽曲にガッツポーズな訳で、まだまだSOILWORKとの付き合いは続いて行くのでしたwww

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/05/21(土) 10:56:42
  • [編集]

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