SILENT FORCE「INFATUATOR」(2001)

  • 2010/06/16(水) 00:00:00

INFATUATOR.jpg
【No.241】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第9位

それまでは全く無名の存在でありながら1994年にROYAL HUNTに加入以降、1996年と1997年のBURRN!誌の人気投票シンガー部門で2年連続チャンピオンに輝くなど一気にトップシンガーの仲間入りを果たしたD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)でしたが、ROYAL HUNT脱退の引き金になったと言われる初のソロアルバムやバンド脱退後にAlex Beyrodt(G/ex-SINNER)と結成したSILENT FORCEなど、彼が作曲に関わった作品では煮え切らない楽曲が多かったので、Andre Andersen(Key/ROYAL HUNT)のようにD.C.の旨みを活かせるソングライターと組んで欲しいと思っていました。SILENT FORCEの2作目に当たる本作がリリースされると聞いた時も、前作「THE EMPIRE OF FUTURE」のイメージからD.C.のソングライティングパートナーとしてのAlexに疑問符が付いていたのですが、「STRATOVARIUSと同行したツアーの中で自らの目指すべきサウンドが見えてきた」とAlexが語っているように、STRATOVARIUSに通じるメロディックパワーメタルサウンドを下敷きとしつつJUDAS PRIEST譲りのタフネスを注入したパワーメタルのお手本ともいえる本作のサウンドは前作のイマイチ感を払拭する出来栄えとなっています。

このアルバムを語る上で欠かせないのが、インパクト絶大のクサメロで疾走する④Promised Landとタイトル通り力強く勇壮なメロディを見事な構築美で聴かせる⑥We Must Use The Powerという2大メタリックチューンの存在でしょう。この2曲を聴けるだけで本作を買う価値があると思えるほどですね。その他にも、本作のストロングスタイルな作風を象徴するかのようなD.C.のシャウトがいきなり炸裂する①Overtureに続く正統派メタルソング②Fall Into Oblivion、ROYAL HUNTでは聴けなかったD.C.のRob Halford(Vo/HALFORD、ex-JUDAS PRIEST)張りのスクリームを軸に、僕がD.C.の声域で一番美味しいと思っているミドルレンジも味わえるアグレッシブな⑤Infatuatorや組曲形式の⑦Cena Libera~⑩Pain(⑩は日本盤ボーナストラック)など聴きどころは多いです。また、ラストをD.C.お得意のバラード⑭In Your Armsから静かなインスト⑮Northern Lightで締める構成もグッド。

Alexのギタープレイはブックレット写真のモロYngwie Malmsteenなルックスから想像するほどネオクラシカルに傾倒し過ぎることなく、楽曲同様に骨太かつメロディアスなサウンドで曲に山場を設けてくれていますね。最初はD.C.をフロントマンに据えているバンドとしてSILENT FORCEに注目していましたが、Alexのメロディセンスとギタープレイも僕好みです。そしてAlexのギターと時には激しく絡み合い、時には楽曲のドラマ性を高めるキーボードプレイヤーTorsten Rohreや楽曲をしっかりと支えるリズム隊も安定感があるので、上手いボーカルと演奏で楽しめるメロディックメタル作品となっていますね。メタルの中でもメロディアスなものを好む僕としては、ラスト2曲を除いて徹頭徹尾メタルな本作においてD.C.の声域が高音に偏っているように感じられるのと、全体を通して聴いた後に少し聴き疲れするのが難といえば難ですが、④と⑥というキラーチューンを軸にトータルで見ても隙の少ない好盤だと思います。


【音源紹介】
・Infatuator

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