陰陽座「魔王戴天」(2007)

  • 2008/09/04(木) 07:38:15

魔王戴天
【No.035】
★★★(2007)

2枚組にして初のベストアルバム「陰陽珠玉」をリリースし、47都道府県ツアーを終え、バンドとして一区切りをつけた感のある陰陽座が放つ通算7枚目のアルバム。前作は軽めの音でメタルというよりはハードロックアルバムだったのに対し、今回はこれまで以上にヘヴィで攻撃的なメタルアルバムとなっています。

陰陽座の第2章への期待を徐々に高める①「序曲」に続く②「魔王」からして王道メタリックチューンです。この②は陰陽座らしいメロディアスな楽曲をベースに、このバンドならではの和音階、雅楽風コーラスにデスヴォイスなど陰陽座の得意技を詰め込んだ1曲で、アルバムの幕開けには持って来いですね。陰陽座のアルバムでは欠かせない忍法帖シリーズの⑤「覇道忍法帖」では瞬火(B、Vo)自身がこのシリーズに設けた「ボーカルは黒猫のみ」という制約が緩和され、瞬火がサビを歌っているのが特徴。しかも、このサビメロの素晴らしいこと。爽やかに疾走し、終盤で黒猫(Vo)の美しいコーラスと絡み合うパートは鳥肌ものです。続く⑥「ひょうすべ」はファンキーなメロディと演歌っぽい黒猫の声で歌われる韻を踏んだ歌詞が耳に残る1曲で、このアルバムで一番気に入ってます。アルバム後半でガツンと来る⑧「骸」はスラッシーな「悪路王」タイプの曲で、死をテーマにしたストレートなメッセージがグサリと胸に突き刺さります。聴き始めの頃は上記の曲以外は弱いかなぁとも感じたんですが、リピートするうちに他の曲もジワジワ味わいが出てきました。陰陽座流パンクな⑩「生きることとみつけたり」も斬新だしメタルバンドでありながら、こんな曲ができるのも陰陽座の強みだと思ってます。

今回は全曲が瞬火の作詞作曲なのでバンドのメタリックな側面にスポットが当たってる反面、他のメンバーが曲作りに関わることで生まれていた多様性が少ないのが寂しい感じもしますね。とはいえ瞬火一人でも十分バラエティに富んでるので、あくまで陰陽座としては、という話ですが。「最高傑作という言葉すら生ぬるい」というキャッチコピーで語られる本作だけど、僕の中の最高傑作「鳳翼麟瞳」を上回るトコまでは行かなかったですね。

【音源紹介】
・ひょうすべ(Live)

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