陰陽座「夢幻泡影」(2004)

  • 2008/08/31(日) 07:36:29

夢幻泡影
【No.032】
★★★(2004)

作品を発表する度に着実にメジャーバンドへの階段を上り続ける陰陽座のインディーズ時代から数えて通算5作目に当たるこのアルバムは、普遍的なヘヴィメタルへ更に一歩近づいた作風です。「和」のテイストとして雅楽風コーラスや演歌を思わせるパートもある黒猫(Vo)の歌唱といった要素が挙げられますが、このアルバムの曲が英語で歌われていたら、優れたメタルバンドとしてすんなり受け入れることができそうなほどです。

これまでとは一風異なった雰囲気を持つ序曲①「夢幻」に続く②「邪魅の抱擁」は典型的なメロディックパワーメタルで純粋にカッコいい!この曲のサビでの黒猫と瞬火(B、Vo)が異なるメロディで異なる歌詞を歌い上げながら、それが一体となり迫ってくる様は圧巻で身震いを覚えるほど。ツインボーカルを本当に効果的に聴かせるなと感心しました。そして陰陽座の王道チューンともいえる③「睡」狩姦(G)作の爽やかな空気を伴ったメロディアスハードの④「鼓動」と序盤の畳み掛けはお見事です。ただ、決して悪いわけじゃないんだけど後半が少し弱いかなぁと思うのも事実。前作はそれぞれの曲のインパクトが強かったのですが、今回はその域にまで達していないというか…。

そんな中、僕の心をググッと捉えてくれたのが⑦「煙々羅」です。これまでの陰陽座のレパートリーとは明らかに違う都会的な空気を持つこの曲をメインで歌っているのは瞬火です。前作で歌唱力のアップを見せつけてくれていたけど、この曲での彼の歌声も実に魅力的に響いてきて、フワフワとした浮遊感のあるメロディを実に心地よく響かせるこの曲は黒猫じゃなくて瞬火が歌うべきだとさえ思えてきます。後半に⑦の他にもう一つ山場があればという贅沢な気持ちもありますが、年一作のペースを守りながら、これだけの充実作をリリースし続ける陰陽座の懐の深さを見せつけてくれる良質アルバムですね。

【音源紹介】
・煙々羅

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する