AT VANCE「HEART OF STEEL」(2000)

  • 2014/10/19(日) 00:00:00

HEART OF STEEL
【No.410】
★★★★(2000)
年間ベスト2000年第5位

Olaf Lenk(G)、Oliver Hartmann(Vo)という2枚看板を擁するネオクラメタル界の新星AT VANCEがデビュー作「NO ESCAPE」(1999)から僅か5ヶ月という短いインターバルで発表した2作目。ベーシストがリズムギターに転向、ドラマーは実力不足を理由に解雇されたためリズム隊が一新された6人編成となっています。今回のアルバムはそんなメンバーチェンジの影響を微塵も感じさせないばかりか、前作から成長した姿をまざまざと見せつけてくれる名盤に仕上がっています。

物悲しいアコギによるイントロ①Preludeから、その旋律を引き継ぐクサメロ疾走曲②Soldier Of Timeへ至る流れは「メタルアルバムの幕開けはかくあるべし!」と言わんばかりのオープニングで胸が熱くなりますね。それ以降もメジャーキーを使ったアップテンポ③The Brave And The Strong、曲名が示す通り鋼鉄魂を鼓舞してくれるミドル④Heart Of Steel、理屈抜きでカッコいいと思える疾走チューンズ⑥King Of Your Dreams⑩Don't You Believe A Stranger(特に前者はグイグイ引っ張っていくOlafのギターリフが気持ちいい)、Oliverの渋い声質が素晴らしい泣きのバラード⑦Princess Of The Night、クラシカルな美旋律が舞う⑧Goodbyeなど前作以上に充実したナンバーが目白押しです。また曲としては地味ながら⑨Why Do You Cry?でフィーチュアされている「ボン♪」という男声コーラスはAT VANCEの隠れた代名詞だと思うのは僕だけでしょうか。そしてこのバンドに欠かせないカバー曲はABBAシリーズ第2弾の⑤S.O.S.、ショパンの曲をOlafが弾きまくる⑪Chopin/Etude No. 4SUPERTRAMP⑫Logical Songを収録。どれもなかなかの出来映えでアレンジ力の高さが窺えますね。

デビューアルバムの時点で既に高かった楽曲のクオリティは更に向上しているしギタリスト、シンガーというバンドのセンターラインに実力者が揃っているため安心して聴くことができます。特にOliverは声質が太いこともあってハイトーンで歌っていても常に余裕を感じさせるボーカルパフォーマンスで作品をワンランク上に押し上げていますね。前作より音は良くなっているもののパタパタ感が残るドラムサウンドが残念ではありますが、それ以外の要素がそんな弱点を見事に補っています。一般的にAT VANCEの最高傑作と言えば4作目にしてOliver在籍時のラストアルバムとなった「ONLY HUMAN」(2002)が挙げられることが多いようですが僕は本作の方が好きですね。

【音源紹介】
・Goodbye

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