TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」(1996)

  • 2010/11/15(月) 00:00:00

LIVIN IT UP
【No.266】
★★★★(1996)
年間ベスト1996年第3位

ドイツ、スウェーデン、フィンランドといったHR/HM大国に比べると数は少ないもののVANDENBERG、ELEGY、ROBBY VALENTINE、VALENSIAなど注目すべきバンドを輩出してきたオランダから突如として現れたハードポップバンドTERRA NOVAのデビュー作。このバンドの音楽性はFAIR WARNING、デビュー当時のHAREM SCAREMなどと同系統のメロディアスハードですがTERRA NOVA最大の武器は楽曲が発散する「突き抜けるような爽快感」でしょう。この点においてTERRA NOVAの右に出るバンドはいないと言っても過言ではないと思います。それでいてバラードでは一転して胸を締め付ける哀メロを聴かせてくれるのですから堪りません。

逆再生ボイスから繋がる分厚いハーモニーに続き、適度なヘヴィさで刻まれるギターにキラキラキーボードが絡むイントロで勝負ありの①Livin' It Upを聴いた時点で本作のジャケットに通じる清く爽やかなTERRA NOVAワールドに引き込まれます。そんなデビューアルバムの幕開けに相応しくバンドの魅力がぎっしり詰まった名曲①のアウトロを引き継いで始まる曲名そのままの間奏的インスト小曲②Interludeを挟み、ヴァースとブリッジは切なく聴かせておいてサビではパッと明るくなる③Hey Babeに至るという流れには心を奪われました。元気いっぱいの①とサビまではメロウな③が続いていたら違和感があるところを約30秒の②が見事な橋渡し役を果たしています。ただ良い曲を並べるだけでなく、こうした捻りの効いた構成で聴かせるセンスに脱帽。たかが30秒、されど30秒ですね。そんなバンドのセンスの良さは曲順やアルバム構成にも活かされていて、アコースティックギターとオルガンが温かさを演出するほのぼの系④If Dreams Are Forever、ひたすらポップで楽しげな⑤Come Onとポジティブな空気に満ちた2曲、切ないひと夏の恋を歌った名バラード⑥SummernightsVAN HALENJumpを彷彿とさせるシンセでスタートするTERRA NOVA節全開の爽快チューン⑦Once Bitten, Twice Shyまでは曲の良さもさることながら、不思議とこの順番で聴くべきだと思えてくるんですよね。8曲目以降は少し弱いかなと思う楽曲もありますが、エンディングを珠玉のバラード⑩Love Of My Lifeで感動的に締めてくれているので聴後感は良好です。

全ての楽曲を手がけるFred Hendrix(Vo)は作曲能力の高さだけでなくシンガーとしても力量十分で、彼独特のハスキーボイスとバンドの爽やかな楽曲は相性抜群ですね。そしてGesuino Derosas(G)のギタープレイはポップになりがちなTERRA NOVAサウンドにロックバンドらしさと華やかさを添えているし、瑞々しいTERRA NOVAサウンドの鍵を握るFredの実弟Ron Hendrix(Key)の煌びやかなキーボードが優れた楽曲群の魅力を増幅させてくれています。このバンドの初期3作品はどれも甲乙付け難い名盤だと思うし、とにかく聴く者に元気を与えてくれるバンドなので普段はHR/HMを聴かないという人にも(というか、そういう人にこそ?)自信を持ってお薦めしたいアルバムですね。

【音源紹介】
・Summernights

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hirokawaiさん

こんばんは。
そうですよね、このアルバムにはただのメロハーではない何かがあるんですよね。なんと、この名盤を180円でゲットですかー!実際、中古ショップのワゴンセールに並べられているのを見たことがありますが僕は絶対手放したくない1枚ですね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/11/17(水) 21:05:54
  • [編集]

敏紫さん

こんばんは。
このアルバム序盤の畳み掛けはメロハー史上に残る流れだと思っています。「爽」と「哀」の両面がありながら、その両方のメロディが秀逸なバンドですよね。また本作に限らずキラーバラードを各アルバムに持っているのも強い。中でもSummernightsとLove of My Lifeという本作の2大バラードはこのバンド屈指の名バラードだと思います。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/11/17(水) 21:04:54
  • [編集]

メタラーまっちゅさん

こんばんは。
ここまで聴き手を元気にしてくれるバンドはいないと思います。冒頭3曲のインパクトはかなり強烈でした。そしてやはりボーカルとギターが魅力的で曲も良いバンドは強いですね。またTERRA NOVAはキーボードの味付けも絶妙というのも高ポイント。地元オランダではブレイクできていないのが歯痒いですが、ずーっと応援したいバンドです。今年の新作も流石にデビュー当時の若々しさはありませんでしたが、期待を裏切らない内容でしたよね!

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/11/17(水) 21:02:51
  • [編集]

かさとりっ子さん

こんばんは。
七五三お疲れ様でした。うちの息子も本来ご祈祷してもらう年なのですが今回は記念写真だけで済ます予定です。
TERRA NOVAは僕的にもオランダのバンドで一番好きですね。このデビュー作から15年が経とうとしているのですから早いものです。このバンドと出会った時は僕も感動ものでした。ウォークマン、懐かしいですねー。初めてMDの存在を知った時は凄いものが出てきたと思ったものですが今やiPodですからね。10年前は想像もしていませんでした。
このブログでのCD紹介はしばらくTERRA NOVA系でいこうと思ってますので、また遊びに来て下さい。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/11/17(水) 21:00:35
  • [編集]

このアルバム、すごく好きです!!
ただのメロディアス・ハードではありませんね。
私の場合、完全後追いのバンドなんですが、
このアルバム、中古で180円で買ったんですよ~。

  • 投稿者: hirokawai
  • 2010/11/17(水) 15:24:11
  • [編集]

こんにちは。

1曲目で僕はノックアウト。
そこからたたみこまれて、動けなくなるほどの衝撃でした。
「爽」と「哀」のメロディのバランスが良いし
曲順も確かに絶妙でした。
バラードがいいので聴いた後も心地良く余韻が残りますね。

  • 投稿者: 敏紫
  • 2010/11/16(火) 11:34:50
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なかなかの衝撃作でしたね。冒頭の3曲で完全にノックアウトされます
からね!本当に彼らの音楽を聴くと元気がむくむくと出てきますよ。

後半が若干フックが弱いのが私も同じ印象なんですが、ラストのバラードが
後味を良くしてくれますね。その後の作品もこのラストにバラードを
持ってくるというのが彼らのパターンになっていますね。新作もしっかり
そういう構成でしたね。

フレッドのコンポーザーとしての実力もお見事だし、なによりあのハスキー
ボイスがたまらなく胸を締め付けますね。ギターのレベルも非常に高い
ですし、本当に素晴らしいバンドだと思います。今年新譜を発表してくれた
のも本当にうれしい出来事でした。

  • 投稿者: メタラーまっちゅ
  • 2010/11/15(月) 20:24:05
  • [編集]

よしよさん

TERRA NOVAの歴史の始まりデビューアルバムのご紹介ありがとうございます。 オランダの国宝にしたいくらいのアーティストですね。ロックなギターにキラキラキーボード、目立たないけれどもしっかりバックを支えるベースとドラム、熱すぎないボーカルに分厚いコーラスこれに出会った時の感動は忘れられません(大げさすぎますかね)。
CDが発売された当時はまだカセットのウォークマンを仕様していてテープが伸びて曲のテンポが遅くなるまで繰り返し聴いていました。まさしくハードポップの名盤です。LOVE OF MY LIFE はマイベストCDの一曲に入っています。
本日、小雨が降る中無事に七五三が終了しました。
久しぶりに本作品を聴きながらゆっくり休もうと思います♪

  • 投稿者: かさとりっ子
  • 2010/11/15(月) 19:20:37
  • [編集]

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