SAVAGE CIRCUS「DREAMLAND MANOR」(2005)

  • 2012/03/26(月) 00:00:00

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【No.322】
★★★(2005)

結成当初から数えると約20年間も在籍していたBLIND GUARDIANからThomas "Thomen" Stauch(Ds)が2005年に脱退して結成した新バンドSAVAGE CIRCUSの1stアルバム。元々はBLIND GUARDIANがメインでこちらはあくまでもサイドプロジェクト的な位置付けだったようですが、初期の突進型スタイルを好むThomenとストレートなパワーメタルから距離を置こうとするバンドとの音楽性の相違が大きくなってきたことがきっかけでThomenがIRON SAVIORPiet Sielck(G、B)にコンタクトを取ったところ、スウェーデン産のBLIND GUARDIAN型パワーメタラーPERSUADERJens Carlsson(Vo)、Emil Noberg(G)を紹介されてバンド結成へと至ったようです。

本作最大の特徴はThomenがBLIND GUARDIANの新作用に書いていながら他のメンバーの賛同を得られなかった楽曲を用いているほか、それに影響を受けたPiet、Jens、Emilもソングライティングに加わることで完成した初期BLIND GUARDIANを強く連想させるパワーメタル曲の数々と、それらを表現するのに最適な「Hansi声」の持ち主Jensの強力なボーカルに尽きますね。5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)から徐々にパワーメタルという枠を超え、細部まで作り込まれた壮大でオペラティックな音楽性を追求するようになったBLIND GUARDIANに今ひとつのめり込めずにいた僕のようなファンにとってSAVAGE CIRCUSは「これが聴きたかったんだ!」と思わず膝を叩いてしまうサウンドを提示してくれています。BLIND GUARDIANが成長する中で失いつつあった刺々しさや大仰でクサいメロディといった要素を多分に含んだ本作は、本家のアルバム群の中でも傑作3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)に最も近いように思います。まずは荒々しいギターリフと前のめり気味な展開が初期BLIND GUARDIANらしさを発散しまくる①Evil Eyesを挨拶代わりに叩きつけてくれた時点でガッツポーズ。前曲の勢いを引き継ぎつつ更にスピードを増した②Between The Devils And The Seas、劇的な展開美が魅力のミドル③Waltz Of The Demon、畳み掛けるような劇メロをゴツいクワイアで歌い上げる④Tomorrowland、勇壮で力強い疾走曲⑤It- The Gathering、JensがHansiそっくりに歌うだけでなく自身の持ち味を発揮したパワーバラード⑥Beyond Realityなど、とにかく劇的なパワーメタルで押しまくる作風が好印象ですね。

ただ、序盤に比べるとアルバム後半はやや失速気味なのは否めないし、ズバ抜けたキラーチューンもないと言わざるを得ないのが惜しいかな。それでも本作の収録曲が与えてくれる爽快感や高揚感は今のBLIND GUARDIANでは味わえない魅力として僕の心を熱くしてくれます。本家の傑作アルバムを越えてはいませんが、個人的にはThomen擁するラインナップでのラストアルバムとなった7th「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)と比べると本作の方が好みだし、Thomenの後任にFrederik Ehmke(Ds)が加入した8th「A TWIST IN THE MYTH」(2006)を聴いているとThomenとBLIND GUARDIANは別の道を歩んで正解だったと感じますね。フォロワーの一言で片付けられるサウンドかもしれませんが、そうしてしまうには勿体ないクオリティを誇っているし「もしBLIND GUARDIANがパワーメタル道を邁進していたら…」というファンの想いを具現化してくれているという意味では価値の高いサウンドだと思います。ところが、バンド首謀者であったはずのThomenは体調不良を理由に本作のツアーに参加することはほとんどなくEDGUYのオープニングアクトとして実現した2006年3月の初来日にも代役として元GAMMA RAY~IRON SAVIORのドラマーThomas Nackが同行していたようで、結局はその問題が原因でPietが主導権を握るようになったバンドからThomenは事実上解雇に近い形で脱退。バンドは後任にMike Terrana(Ds/MASTERPLAN、ex-RAGE etc)を迎えて次回作「OF DOOM AND DEATH」(2009)を発表することとなります。

【音源紹介】
・Evil Eyes

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この記事に対するコメント

イモ男さん

こんばんは。そういうライブでの思い出のバンドがあるイモ男さんが羨ましいです。僕はライブ参戦の経験が少なく、アーティストが投げたものをゲットした経験もないので…。
現時点でこのバンドは2枚のアルバムしか出していませんが、僕は1stの方が好きです。Beyond Realityもいいバラードですよね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/03/28(水) 23:41:12
  • [編集]

思い出のバンド

こんばんは。僕はまさにその初来日のライブに参加したんですよ。もちろんEDGUYを観に行ったわけでして、彼らの曲を事前に聴いてもいなかったんですが、とある理由で非常に印象に残りました。というのもJens Carlssonが投げたタオルをゲットしたんですね。ライブでアーティストが投げたものをゲットしたことがなかったので、それはそれはうれしかったです。その時は思い入れも何もないバンドではあったんですが。

それで帰宅後に改めてそのタオルを確認したところ、思いっきりホテル名が書いてありまして…。そういうわけで「思い出のバンド」です。2ndは聴いてないんですが、1stならBeyond Realityが好きですね。

  • 投稿者: イモ男
  • 2012/03/28(水) 22:50:13
  • [編集]

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