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SEVENTH WONDER「THE GREAT ESCAPE」(2011)

  • 2018/09/29(土) 00:00:00

THE GREAT ESCAPE
【No.523】
★★★(2011)

DREAM THEATERがシーンに残した名盤「IMAGES AND WORDS」(1992)の流れを汲むスウェーデン産プログレメタルバンドSEVENTH WONDERの4作目。2nd「WAITING IN THE WINGS」(2006)、3rd「MERCY FALLS」(2008)がいずれも素晴らしい内容だったにもかかわらず、国内盤リリースに至らなかったことにヤキモキしていた僕にとっては待望の日本デビュー盤ですね。本作と同時に国内盤が発売された「MERCY FALLS」はアルバムを通してひとつの物語を描くコンセプト作品だったのに対して今回はそれぞれの楽曲が独立した構成で、本編ラストに配された30分越えの超大作⑦The Great Escapeはスウェーデンの詩人でノーベル賞作家のハリー・マーティンソンの「アニアラ」というSF小説を題材にしているそうです。

テクニカルでありつつも分かりやすいメロディが楽しめた「WAITING IN THE WINGS」でこのバンドのファンになった僕としては、コンセプトアルバムでもあるせいか前作では複雑なサウンドに変化したと感じていました。今回も基本的には「MERCY FALLS」の延長線上にある1枚と言えそうで数回聴いただけでは覚えられない、それでいて繰り返し聴きたくなる不思議な魅力に溢れたプログレメタルが展開されています。初めて聴いた時は重厚感に満ちた①Wisemanのイントロにテンションが上がったものの、キャッチーさを抑えた曲調に煮え切らない印象が残りました。それ以降も時折ハッとさせられる美旋律が登場しつつも、聴き終えた時には頭にメロディが残っていなかったため取っ付きにくさを感じたのは事実ですね。

そんなもどかしさを感じながらもリピートしたくなる魔力を持った本作は聴くほどに味わいが増してくる典型的なスルメ盤。独特のグルーヴ感とAOR風のメロディが融合した②Alley Cat、複雑な構成の中で美メロが効いている③The Angelmakerなどは中毒性が高いし本作の中ではキャッチーな部類に入る④King Of WhitewaterTommy Karevik(Vo)の妹Jenny Karevikが客演したバラード⑤Long Way Homeなど、購入して1年近く経つ頃に本作の良さがわかってきました(苦笑)。後にRoy Khan(Vo)の後任としてKAMELOTに加入することになるTommyはKAMELOTでは見せないような力強い歌声を披露するなど豊かな表現力を発揮、インストパートも相変わらずの充実振りでニヤリとしてしまいます。⑦は素晴らしいメロディが随所に登場するものの、あまりの長さに聴き疲れしてしまう感は否めませんね。素材としては優れたものが多そうなので、この30分を何曲かに分けてくれた方が個人的には嬉しかったかな…(元々20分を超える曲は苦手なので)。個人的には前作、前々作の方が好きですが一般的には本作の評価はかなり高いようなのでプログレメタルファンにとっては必聴の1枚かもしれません。

【音源紹介】
Alley Cat

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