ROYAL HUNT「EYEWITNESS」(2003)

  • 2010/05/23(日) 00:00:00

EYEWITNESS
【No.236】
★★★(2003)

「新作はニューメタルやジャズ、ゴスペルなどの要素を取り入れ、これまでと違う作風になる」とAndre Andersen(Key)がコメントをしていたため、期待よりも不安の方が大きい中で購入したROYAL HUNTの7thアルバム。いざ本作を聴いてみると、パイプオルガンをバックにJohn West(Vo/ARTENSION)が深みのある歌声を響かせる様が教会の荘厳なイメージを連想させるゴスペル調③The Prayer、ピアノやサックスのサウンドがジャジーな空気を生み出している⑥Wicked Lounge、これまでになくモダンなアレンジで迫る②Can't Let Go、④Edge Of The World、⑧Help Us Godなど、確かにAndreの言う新しい要素は含まれてはいるものの、その根底に流れるのはこのバンドがこれまでに聴かせてくれたメロディック・メタルサウンドで一安心という感じです。

そんな新機軸と呼べる楽曲を含んでいる一方で①Hunted、⑤Burning The Sunなど従来路線のナンバーも健在で、多様性はあれど結果的にはどこを切ってもROYAL HUNTらしいアルバムといえそうです。ただ初期に比べるとネオクラシカル色は確実に薄くなっていて、それと反比例するようにJacob Kjaer(G)のエモーショナルプレイの旨みがどんどん増してきているのが特徴ですね。バンド史上初めて同一シンガーで制作した3枚目のアルバムということもあってか、Johnのボーカルとバンドのフィット具合が一段と増していてROYAL HUNTが円熟期を迎えたと感じさせてくれる1枚でもあります。③、⑥などはソウルフルなフィーリングを持ち合わせたJohnあってこその楽曲ですね。

気になるのは過去のアルバムには必ず存在していたキラーチューンがないことでしょうか。⑤などはかなりいい線を行っているとは思うのですが、もう一押し突き抜けた感覚が欲しいというのが正直なところです。本編ラストのタイトルトラック⑩Eye Witnessもメロウな冒頭部分から徐々に曲が盛り上がってきてJohnのハイトーンが炸裂して「さぁ、ここからだ」というところでレコードの針が壊れたような効果音が入って曲が唐突に終わってしまうためモヤモヤ感が残ってしまいます。曲が良いだけに勿体ないですね。その後を非常に美しいバラード⑪Day Is Dawning(日本盤ボーナス)で締めくくってくれているので聴後感は悪くないし、全体を通して聴いて良いアルバムだと感じることはできるものの音楽性の幅を広げた反面、小粒な楽曲が並び大きく盛り上がるハイライトがないままに終わってしまっている感もあります。といっても本作が僕好みのメロディックメタル作品であるということは間違いなく、上に挙げた不満点についてもROYAL HUNTだからこそ要求してしまう贅沢な希望なんですけどね。

【音源紹介】
・Edge Of The World

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アルちんさん

こんばんは。このアルバムは発売前にAndreが「今回はこれまでにない要素を含んだ作品になる」的な発言をしていたので一抹の不安がよぎりました。でも実際に聴いてみると典型的ROYAL HUNTチューンあり、新要素ありでなかなか楽しめました。ただアルちんさんも書かれているように後半がやや弱いですかね。Eye Witnessは完全版が聴きたいです。あと日本ボートラが予想以上に良かったので驚きました。聴くにつれて味が増す1枚だと思いますね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/10/30(日) 23:54:21
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PAPER BLOODより好き

 こんばんは。引き続き7thの「EYE WITNESS」も買ってしまいました。
①HuntedからROYAL HUNT節バリバリで期待感タップリなのです。③The Prayerはマッタリの癒しナンバー、ヘヴィな④Edge Of The World、このアルバムのハイライトの疾走チューン⑤Burning The Sunは久々にキタコレな必殺ナンバーで過去の名曲にも負けていません。
ただ後半が失速していまい⑩Eye Witnessは、こんなにイイ曲がブツ切りで終わってしあうのが悲しい一曲;;。ただ日本版にはボーナスがあるので、助かります。
Eye Witnessで終わってたらスッキリしなかったなぁ。

 このアルバム後半が弱いのですが、かなり良いアルバムかと思います。
PAPER BLOODよりもジックリ聞き込みたいなぁと思います。

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/10/30(日) 23:13:53
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ピッペンさん

こんばんは。
ROYAL HUNTには大好きな作品が多いのでどうしても他作品と比べてしまうのですが、本作はこのバンドのアルバムの中では聴く回数が少ないほうに入るという感じですね。新味もありながらROYAL HUNTらしさもしっかり残っている辺りにAndre Andersenの非凡さを感じます。
僕にとって本作はいろんな曲調があって面白い反面、ガツンと来る1曲が欲しかったという贅沢な希望を持ってしまう1枚でした。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/05/24(月) 21:24:17
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僕はこのアルバムは結構好きなんですよ。というか、ジョン・ウェスト在籍時のアルバムもほとんど好きなんですけどね(笑) ジャジーな曲とかもありますが、全てROYAL HUNT印が押されているので安心して聴けますし、やっぱりメロディのクオリティが高いってことなんでしょうねぇ。

  • 投稿者: ピッペン
  • 2010/05/23(日) 12:27:17
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