ROYAL HUNT「FEAR」(1999)

  • 2010/05/01(土) 00:00:00

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【No.232】
★★★(1999)
年間ベスト1999年第9位

ベスト盤並みの濃厚さを持った2枚組ライブ盤「1996」、コンセプトアルバムの名盤「PARADOX」、それをライブで完全再現してみせた「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」と、僕がROYAL HUNTに最ものめり込んでいた時期に突然届いた看板シンガーD.C. Cooper解雇という衝撃のニュース…。D.C.がソロ活動に力を入れ始めたことからAndre Andersen(Key)との間がギクシャクし始めているという噂は飛び交っていましたが、実際にこの第一報を耳にした時は本当にショックでした。しかし後任がARTENSIONの超絶シンガーJohn Westだと聞き、それまでの不安が期待に変わった5thアルバムです。1stと2ndが「華麗」、3rdと4thが「荘厳」なイメージだったとすると、本作はそこに「剛健」な要素が加わったという印象です。また本作はコンセプトアルバムではありませんが作品タイトル通り、全ての楽曲が「恐怖」をテーマにしていて曲間をSEで繋ぐという手法を取っています。

アルバム製作の最終段階でJohnの加入が決定したため本作の楽曲が彼の声域をフルに活かしきれてないのが残念ではありますが、それでもやはりJohn Westは抜群の歌唱力の持ち主だと感心せずにはいられません。D.C.にはなかったブルージーな渋さを発散する③Cold City Light、耳をつんざくハイトーンシャウトが炸裂する④Lies、⑥Voicesなどの歌いっぷりには痺れます。そして本作はギターオリエンテッドと言えそうなほどJacob Kjaer(G)のリードギターが大活躍していて、彼ならではの粘りのあるトーンで繰り出されるギターソロの登場頻度も過去最高で、ROYAL HUNTになくてはならない魅力的な要素となりましたね。④のイントロなどは正に彼の独壇場でAndreのキーボードが引き立て役にまわっているし、勢いのあるスピードチューン②Faces Of Warで切れ味鋭く入ってくるソロ、叙情バラード⑤Follow Meでの泣きのプレイも素晴らしいです。

ただ全7曲ともが5分以上、長いものは9分というAndre Andersenの1stソロ作「CHANGING SKIN」を継承するかのような大作志向の楽曲はというと、これまでのアルバムに比べると即効力に欠けるため地味な印象は拭えません。その要因のひとつは本作最長曲であるオープニング①Fearのイントロの長さで、Johnが本格的に歌い出すのは曲がスタートして5分近く経過してからだったりします。この曲後半の劇的な盛り上がりが素晴らしいだけに惜しいですね。1998年にリリースされた「CHANGING SKIN」(全6曲)と本作の楽曲から選りすぐりのものをピックアップして、適度な長さにアレンジすれば名盤になったのでは…という気もします。とはいえAndre節は本作でも健在なので聴けば聴くほど味わいが増してくる1枚ではあります。本作の2008年リマスター盤にはこのバンドにしては珍しくブルージーなU-Turn(ミニアルバム「INTERVENSION」収録)、14分に及ぶ大作Intervension(企画盤「THE WATCHERS」収録)というオリジナルアルバムには入っていない2曲が追加されています。

【音源紹介】
・Lies

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アルちんさん

こんばんは。「FEAR」から行かれましたかー。タイトルトラックは長いイントロを乗り越えてサビに到達するとかなりいいと思います。イントロを短くして終盤に更なる盛り上がりがあれば最高なのですが。LiesはJKの弾きまくりギターが従来のROYAL HUNTとは異なる印象でインパクトがありました。本作以降JKは一段と存在感を増しましたよね。確かにFollow Meはこれからの寒い季節にマッチしそうなバラードですね。
次は「PARADOX」いよいよですか。アルちんさんがどのような感想を持たれるのか興味津々です。僕は12月7日発売の新作への期待が高まっているところです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/11/23(水) 23:08:44
  • [編集]

FEARから行きました!

 こんばんは、よしよさん。
すっかり寒くなってしまって布団の中でHMを聴く軟弱なアルちんです(笑)

 当時はポニーキャニオンから出たのですが、全く売れず私も1年ほど前に新品の初回限定版が投売りされていたのをゲットしてしまいました><
(どんなけ売れなかったんだよ~~)
 そんな経緯と恐怖を主題にしたコンセプトアルバムとの事で、ビビリながらCDをトレイに入れてみたわけですが、①FEARから「イントロ長っ!!」とは思うのですが、歌メロはなかなか~ただ盛り上がらないまま終わってしまいました。
②Faces Of WarもROYAL HUNTっぽいのですが、これも盛り上がらないまま終わってしまいました><
③Cold City Lightはキャッチーで渋いな。お気に入りです。
キタ~な④LiesはいきなりJKのザクザクしたリフがたまらない典型的なRH節の楽曲でこのアルバムで一番いい!ですね。(イントロ長いけどw)
⑤Follow Meもこの寒い時期にはたまらないバラード!キテます。
この③~⑤の流れいいかも~。

 トータルで49分というのもあまり疲れないので、何かリピートして聴いてしまう魅力はあるのですが、やはりいかんせん地味だなぁ。とは感じてしまいますが、思っていたよりも良かったというのも正直な所です。

 さぁ次は最高傑作と名高いPARADOX行ってみますか!!

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/11/22(火) 23:40:46
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ピッペンさん

こんにちは。
いくつかのレビューを見てると本作こそがROYAL HUNTの代表作だ、という意見も目にしますね。僕も本作を深く味わいつくそうとかなりリピートしましたが、結局こういう感想に落ち着きました。いい作品なんですけどねぇ。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/05/09(日) 16:05:01
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このアルバムは地味ですが、スルメ盤というか聴けば聴くほどいいなぁと思いますよね。
華やかさには欠ける嫌いがありますが。。。

  • 投稿者: ピッペン
  • 2010/05/09(日) 10:05:52
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