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ROYAL HUNT「PARADOX」(1997)

  • 2008/07/09(水) 22:27:28

PARADOX

【No.008】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第1位

3rdアルバム「MOVING TARGET」とそれに伴う来日公演の模様を収録したライブ盤「1996」の比類なき完成度で、僕を感動させてくれたROYAL HUNTの4作目にして、僕のミュージックライフの中でも超名盤となっている1枚。今回は「宗教」「神」「人間」をテーマにした、バンド初のコンセプトアルバムとなっています。前作で確立した徹底的なドラマティックワールドの中で、明確なテーマを持ったサウンドはこれまで以上にシリアスな印象。曲間にSEや台詞をはさみ、全8曲でひとつの物語が展開していく圧倒的な構成力はAndre Andersen(Key)の底なしの才能を改めて感じさせてくれます。

アコースティックギターとフルートをバックにバンドの看板シンガーD.C. Cooper(Vo)がディープな低音で歌い始めるイントロダクション①The Awakeningからトライバルなリズムに導かれてミドルチューン②River Of Painが始まります。分厚いキーボードサウンドとROYAL HUNTとしては珍しいオルガンサウンドで彩られた②は円熟味さえも感じさせる堂々とした1曲。そこから切れ目なく繋がる③Tearing Down The Worldはバンド初期にも通じる劇的かつメタリックな疾走チューンで一気に駆け抜けます。物悲しいピアノとSteen Mogensen(B)のベースサウンドから始まる④Message To Godはミッドテンポの曲で、非常によく練られていた歌メロが絶品。そして①のメロディを更に展開させたバラード⑤Long Way Homeはドラマティックな曲調と、曲後半でのD.Cの情感のこもったヴォーカルパフォーマンスが素晴らしい。

そしてここからアルバムは怒涛の後半に突入し、緊張感に満ちたリフから様々なパートが入り乱れる9分弱の大作⑥Time Will Tellへ。この曲の聴きどころは終盤の女性コーラスの後に来るJacob Kjaer(G)の泣きまくりのギターソロで、その凄まじさはこのアルバム最大のハイライトといえるほどです。ギターソロから再び女性コーラス、銃声のSEを挟んで続く⑦Silent Screamはキーボードの美しいイントロから、メロディアスハードかと思えるほどキャッチーなサビへと至る流れが耳に残る本作随一のお気に入り曲です。そして息をつかせぬプログレ風インタープレイが繰り広げられる⑦の終盤からエンディング⑧It’s Overへ雪崩れこんでいく展開は圧巻。⑧も曲単体で見ればEpilogueTimeのような即効性はないものの、この曲の持つ儚さは、このコンセプトアルバムを締めくくるにはピッタリでしょう。最後は再び①に共通するメロディと歌詞「It was a long way home…」でアルバムは幕を降ろします。

とにかく1曲1音たりとも無駄のないドラマティックなメタルの極致。Andreの作曲/アレンジ能力、D.Cの歌唱力、JKのソウルフルなギター、安定したリズム隊と、このバンドの魅力が余すことなく詰め込まれたアルバムで、作品が発表されてから10年以上になる今も愛聴しています。メタルを聴き始めて2年近くが経過した1997年に、僕が初めて出会った生涯聴き続けるであろう名盤です。このアルバムのこととなると、つい長文になってしまいますね。それほど、思い入れのある1枚です。

【音源紹介】
・Message To God

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アルちんさん

こんばんは。ついに聴かれましたか!どうやら気に入っていただけたようで「PARADOX」を愛する者として非常に嬉しいです。僕の中ではアルバム1枚で1曲とみなしている作品ですが、やはり?以降の展開が何度聴いても鳥肌ものです。
そしていよいよ来週はROYAL HUNTの新譜が発売されますね。12月怒涛のリリースラッシュ1発目としてかなり期待しています。

  • 投稿者: よしよ
  • 2011/12/02(金) 23:47:40
  • [編集]

ついに聴いてしまいました!

 14年の月日を経て(今頃^^;)、ついに聴いてしまいました~~。
イントロからから始まった②River Of Painは「ツカミ弱いんじゃない?」と思いつつも聴いてるうちにサビがクセになってしまっている自分がいる(笑)
③Tearing Down The Worldは典型的なRHの楽曲でサビメロがおいしい。
④Message To Godも歌メロからギターソロまで完璧ではありませんか!
⑥Time Will Tellはスゴイ事になってますネ。ギターソロが白眉!!
⑧It’s Overも壮大なエンディングですね。

 大作志向にも関わらず、メロの美しさとサビのキャッチーさ、またギターがおいしいという、長編もなんのその、非常に心地よく聴ける一枚ですね。
 またトータルタイムが49分というのもグッド!
素晴らしい作品でしたよ!!

  • 投稿者: アルちん
  • 2011/11/30(水) 23:16:07
  • [編集]

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