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LIV MOON「SYMPHONIC MOON」(2012)

  • 2017/11/04(土) 00:00:00

SYMPHONIC MOON
【No.503】
★★★★(2012)

圧巻の歌唱力を誇るAkane Liv(Vo)をフィーチュアした国産シンフォニック・メタルユニットLIV MOONの3rdアルバム。Akane嬢と共にLIV MOONを立ち上げた西脇 辰弥(Key)によるナンバーを中心に、外部ライターからの楽曲も取り入れるスタイルを確立した前作「GOLDEN MOON」(2011)から僅か10ヶ月という短いスパンでのリリースとなります。今回はアルバム制作前から高音で歌うWHITE LIV、低音で歌うBLACK LIVという正邪のキャラクター分けをすることを念頭に置いていたのだとか。ただし、このコンセプトについては1曲の中にWHITE LIVとBLACK LIVが混在していることが多いため中途半端に思えるのも事実で、個人的にはアルバム前半と後半でWHITE/BLACKサイドに分けるなど線引きを明確にしてくれた方が嬉しかったですね。デビュー当初はソプラノボイスを売りにしていたAkane Livですが、ロウトーンで歌った前作の収録曲BLACK RUBYの評判が良かったことが低音域も取り入れるきっかけになったらしく、本作ではそんなBLACK LIVの割合が多めになっています。

妖艶なメロディにヴァンパイア目線のドSな歌詞(笑)が乗る①Amen!、シンフォニックメタルの王道②「零の天使」というオープニング2曲は清水 昭男(G/ANTHEM)が作曲、ギタープレイを担当していてLIV MOONの世界観にピッタリの楽曲を提供してくれています。そして本作のハイライトは何と言っても④Kiss me Kill meでしょう。Akane Livの歌唱、メロディ、楽曲の世界観のどれをとっても一級品でLIV MOONのひとつの到達点がここにあると思います。アルバム後半にはドラマティックに駆け抜ける⑦Black Serenade、ゆったりとした幕開けから爽やかな疾走パートに展開していく⑧心月世、LIV MOONにしては異色のダサかっこいい(?)男声コーラスを取り入れた⑨The Last Saviorといったメタリックチューンも収録しているのもグッド(⑨はCONCERTO MOONっぽいですね)。また終盤に配されたWHITE LIVサイドの歌唱が映えるバラード⑩「堕天使の笑み」、WHITE LIVとBLACK LIVが合わさって昇華されていく⑫Masqueradeなどのしっとり系ナンバーもアルバムをいい形で締めくくっています。

アルバムとしてお気に入り度では前作に軍配が上がりますが、タイトルにある通りシンフォニックメタルとしての焦点がこれまで以上に定まっている本作も好印象。前作の「よざくらん〜夜桜嵐〜」タイプにあたるエキセントリックな⑥Fugitiveは悪くはないもののアルバムの中で浮いてしまっていますが…。バンドメンバーも2ndから変更なくLIV MOONとしてのラインナップが固まってきた感がありますね。中でも大村 佳孝(G)のネオクラシカルプレイはLIV MOONの音世界に欠かせない要素になってきています。大きな武器であるソプラノボイスを抑えたボーカルパートやメタル以外の要素があることは賛否両論かもしれませんが、歌唱法の変化は成長過程のひとつ、メタル一辺倒ではない点はLIV MOONならではの特徴だと思っています。日本のシンフォニックメタルシーンを代表する存在への階段を着々と上っていることを感じさせてくれる力作ですね。

【音源紹介】
Kiss me Kill me(LIVE)

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