NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

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【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

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