ARCH ENEMY「ANTHEMS OF REBELLION」(2003)

  • 2009/10/09(金) 00:00:00

ANTHEMS OF REBELLION
【No.187】
★★(2003)

2作続けて名盤と呼べる作品をリリースしてくれたARCH ENEMYの5thアルバムは、従来の作品とはやや趣の異なる1枚ですね。前作「WAGES OF SIN」に伴う長期ツアーの間にMichael Amott(G)の中で次回作はリフ、リズム主体のライブ映えするシンプルな楽曲を収録したいという気持ちが募っていったようで、大仰なメロディと泣きのギターソロというARCH ENEMYの看板的要素が大幅にカットされてます。

ファンの間でも賛否両論(やや否が多いかな)分かれている本作を気に入るかどうかは、ARCH ENEMYに何を求めているかによると思います。荒々しくブルータリティに満ちた楽曲と、そこに流れ込んでくるAmott兄弟の美しいツインリードの対比こそがARCH ENEMYの肝だと考えている僕のようなリスナーにとって、本作はやや厳しい内容だと言わざるを得ません。ブルータルな音楽性は健在なんですが、もうひとつの重要ファクターであるギターと叙情メロディの量が少なすぎるんですよね。楽曲もミッドテンポが主体なのもマイナス。といいつつも、従来路線の②Silent Warsやライブで真価を発揮しそうなグルーヴ感が心地よいミドル③We Will Rise、そして過去の楽曲と比べても遜色ないARCH ENEMYの王道チューン④Dead Eyes See No Futureへと至る序盤の流れは好きだったりします。後半も④と共通するメロディを持ったアコギインスト⑧Marching On A Dead End Roadからデスラッシュな⑨Despicable Heroesに繋ぐという静と動のコントラストはありがちながら悪くないし、Christopher Amott(G)がクリーンボイスでバックボーカルを担当した⑩End Of The Line、NU METALっぽい(?)⑪Dehumanizationあたりの新機軸も悪くない。そう、「悪くない作品」ではあるんですけど、これまでのアルバムにあったような突き抜けたメロディと楽曲の魅力に欠けるように思えてしまいます。

そんな不満点の残るアルバムではありますが、サウンドプロダクションの面に関しては過去最高のクオリティを誇っています。前作ではミキシングを担当するに止まったAndy Sneapをプロデューサーとして迎え、彼の得意とする硬質で冷徹な音作りを施した本作は前作以上に各パートの音がクリアに聴こえます。そして、Amott兄弟によるギターのフィーチュア度が低いこのアルバムで主役となっているのが美形ドラマーDaniel Erlandssonです。これまでにも増して彼のドラミングは耳に残るし、メロディよりリズムに重きを置いた本作では彼のプレイこそがサウンドの核になっていると思います。これが加入後2作目となるAngela Gossow(Vo)の咆哮も凶暴性を増してて、バンド全体のレベルアップが感じられるだけに、本来バンドの主役であるはずのギターワークとメロディが控えめになっているのが残念。この音質で「BURNING BRIDGES」みたいな作品を作ってくれたらなぁ、というのが本音です。

【音源紹介】
・Dead Eyes See No Future(Live)

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ピッペンさん

このブログで取り上げるアルバムは好きなものばかりなのですが、やはり僕も聴く回数は少ないですねぇ。ただ良いバンドは色々試行錯誤して自分達の強みを再確認、発見してくれることが多く、ARCH ENEMYもこの後に素晴らしい(僕の好きな)作品をリリースしてくれていますので、このバンドはずっと応援していきたいです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2009/10/13(火) 08:53:25
  • [編集]

個人的にはこのアルバムも好きなんです。
起伏のなさというか乏しさは否定できませんが、曲自体のクオリティは高いので…。
と言いつつ、やはりアンジェラ期では最もリピート数の少ないアルバムではあります(苦笑)

  • 投稿者: ピッペン
  • 2009/10/12(月) 09:43:06
  • [編集]

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