MEAT LOAF「BAT OUT OF HELL Ⅱ‐ BACK INTO HELL」(1993)

  • 2016/07/30(土) 00:00:00

BAT OUT OF HELL2
【No.474】
★★★★(2007)

1977年にMEAT LOAFが発表したロックオペラの金字塔「BAT OUT OF HELL」シリーズの続編に当たる作品で通算6枚目のアルバム。シリーズ1作目は70年代ロックシーンにその名を刻むモンスターアルバムとなり大きな成功をおさめましたが、今回のアルバムが完成するまではMEAT LOAFが喉を痛めたり「BAT OUT OF HELL」の発案者でもある作曲家のJim Steinmanとの関係性が悪化したりと色々あったようです。そんな紆余曲折を乗り越えて制作された本作でもJimが全曲の作詞作曲に加えてプロデューサーとしても関わっていて、結果的には各曲のドラマ性や作り込み度合い、曲名の長さや邦題のユニークさに至るまで様々な面で「BAT OUT OF HELL」以上に濃密な作風となっています。それまで下降線を辿っていたMEAT LOAFの人気も本作で再び盛り返したそうなので、彼のキャリア的にも起死回生の1枚と言えそうですね。

まずはオープニングを飾る1stシングル①I'd Do Anything For Love(But I Won't Do That)〜愛にすべてを捧ぐからして12分に及ぶ大作で聴き手の度肝を抜いてくれます。ビルボードチャート1位に輝いたこの曲でMEAT LOAF自身も第36回グラミー賞の最優秀ロック・ボーカル・ソロ・パフォーマンス賞を受賞するなど彼の代名詞と呼ぶに相応しい名曲となっています。その後に続く重厚なコーラスが印象的な②Life Is A Lemon And I Want My Money Back〜ひどい人生だ、金返せ!などもさることながら、アルバム中盤以降が特に好きですね。明るく快活な⑤Out Of The Frying Pan(And Into The Fire)〜焼け焦げたフライパンの中から(そして炎の中へ)、前曲から一転して胸に沁みるメロディをMEAT LOAFが切々と歌うバラード⑥Objects In The Rear View Mirror May Appear Closer Than They Are〜バック・ミラーに映るオブジェクト達、力強さと高揚感に溢れた⑧Everything Louder Than Everything Else〜何よりも高らかに、テクノ風のサウンドを取り入れたキャッチーソング⑨Good Girls Go To Heaven(Bad Girls Go Everywhere)〜お嬢ちゃんは天国に(不良少女はどこへだって行ける)の流れが実に強力(それにしても曲名が長い/苦笑)。

Jim Steinmanが曲を書き、MEAT LOAFが歌うことで完成する「BAT OUT OF HELL」の世界観はそのままに、一段とスケールが大きくなっていますね。それを象徴するかのように各曲とも長編になる傾向があってJimが熱く語る⑦Wasted Youth〜無為の輩とインストの⑩Back Into Hell〜地獄への帰還を除けば大半の曲が7分以上、①と⑥は10分超えのためアルバム1枚で75分の大作となっています。その長さに聴き疲れしてしまう感は否めないものの、⑧のラストで登場するバグパイプや⑨冒頭のサックスなど突拍子もないと思えるパートですらリピートするうちにしっくりきて、どんどん引き込まれてしまいますね。本作のレコーディング中から「BAT OUT OF HELL」シリーズは3部作として完結させるというアイデアが出ていたそうですが、その最終章がリリースされるのは13年後の2006年(日本では2007年)となります。僕は1→3→2の順に聴き、以前までは3が一番好きでしたが最近では本作がかなり気に入っています。

【音源紹介】
I'd Do Anything For Love(But I Won't Do That)〜愛にすべてを捧ぐ(エディットバージョン)

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

グラハムボネ太郎さん

「I'd Do Anything For Love(But I Won't Do That)〜愛にすべてを捧ぐ」はJim Steinmanの真髄ここにあり!って感じの1曲ですよね。12分の大作をオープニングに持ってくる大胆さも好きです。9月リリース予定のMEAT LOAFの新作「BRAVER THAN WE ARE」にはボートラにこの曲のオーケストラバージョンが収録されるようですよ

  • 投稿者: よしよ
  • 2016/08/07(日) 07:23:01
  • [編集]

フライパンの歌

最高です。大映テレビでジム スタインマンを採用したプロデューサーにアッパレを何枚あげればよいでしょうか?
私的には、このアルバムの一曲目シングル「I'd Do Anything For Love(But I Won't Do That)〜愛にすべてを捧ぐ」がジム スタインマンの集大成だと思っています。全てが入ってる

  • 投稿者: グラハムボネ太郎
  • 2016/08/04(木) 08:01:56
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する