MEAT LOAF「BAT OUT OF HELL」 (1977)

  • 2016/07/14(木) 00:00:00

BAT OUT OF HELL
【No.473】
★★★★(1995)

巨漢シンガーMEAT LOAFが1977年にリリースし、全世界累積セールスが3,700万枚以上という驚異的な売上を記録しているモンスターアルバムにしてロック/ポップス史上5番目に多く売れている作品(売上枚数、ランキングはどちらも2007年時点)。MEAT LOAFというのは勿論ニックネームで本名はMarvin Lee Adayといい60年代に歌手デビュー、70年代以降は俳優としても活動している人物でMEAT LOAFという愛称は少年時代の彼がアメリカンフットボールの練習中に得意のタックルでコーチを倒したというエピソードから来ているのだとか。本作の収録曲は全て作曲家Jim Steinman(Key)によるもので、彼がピーター・パンにちなんだミュージカル「NEVERLAND」のために書いた楽曲をロックオペラ作品として発表するというアイデアを実現するにあたり、Jimが以前から交流のあったMEAT LOAFに声をかけたことからアルバムの制作がスタートしたそうです。

JUDAS PRIEST「PAINKILLER」(1990)を彷彿とさせるアルバムジャケット、「地獄のロック・ライダー」という邦題から激しめのサウンドかと思いきや、本作で聴けるのは軽快なピアノやサックス、手拍子などをフィーチュアしたロックンロールで初めて聴いた時は拍子抜けしました。想像していた音楽性と異なっていたものの本作の収録曲はドラマティックな要素があって大仰な展開を見せてくれるし、MEAT LOAFのボーカルも力強くて聴き応えがあります。そんな本作の魅力を凝縮したのが9分を超えるタイトル曲①Bat Out Of Hell~地獄のロック・ライダー~でしょう。それ以外では穏やかな曲かと思っていたら3分30秒辺りから一気に激しくなる④All Revved Up With No Place To Go~暴走~、劇的な3部構成の中でMEAT LOAFと女性シンガーEllen Foleyが白熱の掛け合いを見せる⑥Paradise By The Dashboard Light~ロックンロール・パラダイス~などがお気に入りですね。とはいえ本作と出会った1995年当時はそれほどのめり込むこともなく、2007年にリリースされたシリーズ最終章に当たる「BAT OUT OF HELL Ⅲ‐ THE MONSTER IS LOOSE」を好きになり、改めて聴き返した時にこのアルバムの凄みに気づいたというのが正直なところですが(苦笑)。

Jim SteinmanはIt's All Coming Back To MeCeline Dionに、昭和を代表する学園ドラマ「スクール☆ウォーズ」の主題歌「ヒーロー」の原曲Holding Out For A HeroBonnie Tylerに提供している名うてのソングライターで、このアルバムにおいてもその才能を遺憾無く発揮していますね。俳優でもあるMEAT LOAFは抜群の表現力で曲毎の登場人物になりきって情感たっぷりに歌い上げています。そんな彼の歌唱力が一際輝いているのが車の中で彼女と熱い夜を過ごそうとしていたら急に結婚を迫られ、それに応じて結婚したものの後になって昔を懐かしむ男の悲哀(?)を描いた⑥、オペラ風の長編バラード⑦For Crying Out Loudですね。全7曲と収録曲数は少ないながらどの曲も濃密なので物足りなさは感じません。海外では有名アーティストとなっているMEAT LOAFですが日本では知名度が低く本作も2007年にリマスター盤がボーナストラックとDVD付で再発されるまでは廃盤となっていたようです。やはり「巨漢シンガー」という言葉がぴったりなルックスと「地獄のロック・ライダー」というおどろおどろしい邦題がブレイクできなかった要因でしょうか。内容的にHR/HM要素は薄く、幅広い層に受けそうなサウンドなので日本でも彼が評価されると嬉しいんですけどね…。

【音源紹介】
Bat Out Of Hell

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グラハムボネ太郎さん

はい、ハマりました(笑)。バリー・マニロウは全く知りませんでしたが調べてみると「涙のラストレター」という曲がJim Steinmanによるものみたいですね。Jim Steinmanの曲ってアルバムに1曲だけ収録されているケースもあって全部聴こうとすると大変そうですね。是非ともソロかコンピレーションアルバムを出してもらいたいです。

  • 投稿者: よしよ
  • 2016/08/07(日) 07:20:53
  • [編集]

ようこそ、ジム スタインマンへ

ハマりましたね(笑)
ジム スタインマン関連は多そうでいて実はそんなに無いから全部聴きたくなりますよね!
ちゃんと、バリー マニロウもお願いします

  • 投稿者: グラハムボネ太郎
  • 2016/08/04(木) 07:54:22
  • [編集]

yomamoyoさん

僕もMEAT LOAFは実際に聴いてみて想像と違う音楽性だったので、驚いた記憶があります(もっとゴリ押しのメタルだと思ってました)。このゴージャスなサウンドはMEAT LOAFの大きな特徴ですね。地獄のロックライダーシリーズしか知らない僕ですが、いつがは彼の他のアルバムもチェックしたいと思っています。

  • 投稿者: よしよ
  • 2016/08/02(火) 23:13:22
  • [編集]

お久しぶりです。MEAT LOAFは今までせいぜいCD屋辺りで名前を見かけるくらいで聴いたことが無かったのですが、自分の想像していた音楽性とは全然違くてびっくりしました。
70年代だからブルース臭のするハードロックだろうとか勝手に思っていたのですがw、QUEENのごとくゴージャスな音楽だったんですね~。

  • 投稿者: yomamoyo
  • 2016/08/01(月) 02:51:11
  • [編集]

DREAMDANCERさん

初コメントありがとうございます。たしかにロックオペラといえばSAVATAGEの名前も思い浮かびます。SAVATAGEはあまり聴けてないのですがMEAT LOAFからの影響が大きいのであれば改めて聴いてみたいですね。僕の中で現在Jim Steinmanへの注目度がアップしていて彼の関連作品を調べています。ボニー・タイラーについては「SECRET DREAMS AND FORBIDDEN FIRE」(1986)を買ったので近々記事にしたいと思ってます。

  • 投稿者: よしよ
  • 2016/07/17(日) 21:47:02
  • [編集]

すみません。最後の曲名が間違えておりました。"Stark~"ではなく"Love And Death~"の方が正しいモノでした。

  • 投稿者: DREAMDANCER
  • 2016/07/16(土) 09:06:05
  • [編集]

初めてコメントさしていただきます。この作品好きですネ。正しく"ロックオペラ"と呼んで差し支えない名作ですし、世界で最も売れたアルバムの5本にもランクインされている天文学的売り上げを記録した作品だったと思います。そして以前から思っていた事なのですが、"Gutter Ballet"や"Streets A Rock Opera"で知られる『SAVATAGE』の作品ってこのミート・ローフ作品からかなりアイディアを拝借していると思いますネ。ソレと本作が気に入って様でしたら、ジム・スタインマンのソロ作"Bad For Good"[1981年]やボニー・タイラーのヒット作"Faster Than The Speed Of Light"[1983年]も気に入るのではないでしょうか?(前者にはヒーローのひな形にもなったというべき"Love And Death And An American Guiter"も収録されています)。

  • 投稿者: DREAMDANCER
  • 2016/07/16(土) 09:03:37
  • [編集]

初めてコメントさしていただきます。この作品好きですネ。正しく"ロックオペラ"と呼んで差し支えない名作ですし、世界で最も売れたアルバムの5本にもランクインされている天文学的売り上げを記録した作品だったと思います。そして以前から思っていた事なのですが、"Gutter Ballet"や"Streets A Rock Opera"で知られる『SAVATAGE』の作品ってこのミート・ローフ作品からかなりアイディアを拝借していると思いますネ。ソレと本作が気に入って様でしたら、ジム・スタインマンのソロ作"Bad For Good"[1981年]やボニー・タイラーのヒット作"Faster Than The Speed Of Light"[1983年]も気に入るのではないでしょうか?(前者にはヒーローのひな形にもなったというべき"Stark Raving Love"も収録されています)。

  • 投稿者: DREAMDANCER
  • 2016/07/16(土) 09:02:07
  • [編集]

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