USER of a common name「FREEWAY」(2006)

  • 2015/10/28(水) 00:00:00

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【No.450】
★★★(2006)

母国スウェーデンから約2年遅れで1stアルバム「USER」の日本盤が2005年にリリースされるや、直後に来日公演を行うなど上々の日本デビューを果たしたUSER of a common nameの2作目。溌剌としたポップサウンドと程よい歌謡曲テイスト、ほんのり漂う哀愁といった要素が評価されたのか、本作は日本先行発売となっています。今回もデビュー作で提示していたバンドの強みは健在で「ソフトな曲はソフトに仕上げ、ハードな曲にはヘヴィなサウンドを施した」とメンバーが語る通り、一段とメリハリが強調された作風に仕上がっていますね。

まずはオープニングの①Don't Stop Loving Meが前作のハイライトチューンDo Youを彷彿とさせるアップテンポで掴みはバッチリ。その流れを引き継いだ佳曲②I Will Get Over Youを挟んで繰り出される③Miss Wantedはライナーノーツで「昭和のアイドル歌謡(褒め言葉)」と評されたナンバーで一度聴いたら耳から離れないメロディが強力だし、徐々に盛り上がっていく展開に引き込まれる哀愁ミドル④St.Deniseなど前作の流れを汲みつつ一回り成長したバンドの姿を見せてくれます。そして今回のアルバムの作風を象徴するのが⑤I Believeでしょう。デビュー作ではあり得なかったほどのヘヴィネス、終盤にはLinda Karlstedt(Vo)らしからぬシャウトもフィーチュアしつつサビはメロウな1曲となっています。ピアノをバックにLindaが切々と歌うパートで始まる7分の大作⑥Freeway、エモーショナルな⑧Someoneなどのバラードもなかなかの出来。アルバム前半に比べると後半の楽曲がやや弱く感じられますが、演歌に通じる悲哀を帯びた本編ラスト⑫A Widow's Griefが素晴らしいため聴き終えた時の満足度は高いですね。

楽曲面では相変わらず僕のツボにハマるものとそうでない曲が混在しているため、1枚のアルバムとしては物足りなさが残ることは否定できません。とはいえ前作から成長した姿を見せてくれているのも事実で、特にLindaのボーカルパフォーマンスは従来の可愛らしさに加えて、歌い回しに艶っぽさが感じられるなど更に表現力がアップしていますね。楽曲の振り幅も大きくなった本作は、デビュー作以上にバンドが自分達のやりたいことを追求したアルバムと言えるのではないでしょうか。順調に活動していくかに思えたUSERですがLindaの健康問題(椎間板ヘルニア)やレーベルとの関係性が悪化したことなどからバンドは解散。その後はどのメンバーも表立った音楽活動はしていないようです。

【音源紹介】
Don't Stop Loving Me

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