ORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」(2004)

  • 2010/01/27(水) 00:00:00

MABOOL
【No.215】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第3位

これまで全くノーマークだったイスラエルから現れたORPHANED LANDなるバンドの3rdアルバム。前作から8年間のブランクを置いてのニューアルバムにあたる本作は、聖書に登場する「ノアの方舟伝説」を壮大なスケールで描いたコンセプトアルバムとなっています。それにしても、このバンドの音像は一言でジャンル分けするのが難しいですね。基盤となっているのはエクストリームメタルなのですがゴシックっぽさもある深遠な世界観の中で、響き渡るデス声とナイーブなノーマルボイスを巧みに操るKobi Farhi(Vo)の歌唱、DREAM THEATER風のプログレ的要素、サズーなどの民族楽器を使ってのフォーク/トラッド要素、イスラエル出身ならではのヘブライ語による語りや女性コーラスなど様々な魅力がありながらキャッチーさも忘れないという非常に独自性のある音を出すバンドです。

そんな音楽性の中で、2人のギタープレイヤーMatti SwatizkiYossi Sassiの泣きを多分に含んだエモーショナルプレイが僕を惹きつけて離しません。ブックレットにどちらのギタリストがどの曲で演奏しているか記載されているのでそれを参考に感想を書くと、ワイルドな風貌のMattiは②Ocean Land⑤Halo Dies(The Wrath Of God)で思わず聴いてるこっちの顔が歪んでしまうほどの泣き泣きのギターを披露してくれているし、ブックレット内の写真で悟りを開いたかのような表情で佇むYossiのプレイは⑥A Call To Awake(The Quest)での構築美あるソロ(DREAM THEATERっぽいインタープレイを繰り広げるキーボードプレイヤーもナイスセンス!)と⑦Building The Arkでのアコギプレイが秀逸ですね。そんな2人のプレイの美味しいところを凝縮したかのような⑪The Storm Still Rages Insideでの尺の長い、それでいてしっかりと組み立てられたソロワークはアルバム最大の聴きどころとなっています。これらのギタープレイの音質がもう少し良ければ更に感動的に響いてきたと思えるのが、残念といえば残念な点でしょうか。

ただそんな気になる点を払拭するだけの孤高性が本作にはあって聴けば聴くほど、どんどんその世界に引き込まれていく魅力的な1枚なので、この作品とは歌詞/対訳を読みながらじっくり対峙したいですね。現在のところ日本盤の発売はありませんが、ORPHANED LANDは最新作「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」で日本デビューを果たすので今後、本作の日本盤が出るかもしれないと期待しています。お気に入りはストーリーが佳境を迎える⑨Calm Before The Flood~⑫Rainbow(The Resurrection)という終盤の流れで、この辺りは音楽を聴いているだけで、その情景が目に浮かんできそうなほど。本作における情景描写の妙はDREAM THEATERの神盤「METROPOLIS PT.2」に迫るものがあると言ったら褒めすぎかもしれませんが、大きな感動を与えてくれます。ちなみに僕は本作「MABOOL」とアコースティックライブ5曲を収録した「THE CALM BEFORE THE FLOOD」の2枚組仕様盤を持っているのですが、アコースティックライブ盤の方はデス声を完全廃除し、バンドのエキゾチックな面に焦点を当てた音源で和みますね。

【音源紹介】
・The Storm Still Rages Inside

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ORPHANED LAND / MABOOL

イスラエル産ゴシック/デス・メタルバンドの3rdアルバム。 プログレッシブ感もあり。やや、ジャンル不明な感じ。 OPETHあたりの雰囲気も彷彿...

  • From: Raining Blood |
  • 2010/01/27(水) 00:13:28

この記事に対するコメント

メタリストさん

こんばんは。
ORPHANED LANDは個性という点では他のバンドにないものを持っていると思います。最新作を今、聴いているのですが本作以上に深い作品のようで、即効性はありませんがじわじわとしみ込んで来る不思議な魅力があります。ただ本作以上に聴き込みを必要としそうな作品です。
2nd以前のアルバムは僕も日本盤が出ればチェックしてみようと思ってます。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/01/28(木) 19:30:39
  • [編集]

hideさん

こんばんは。
本作はイスラエル出身バンドと聞いて驚き、アルバムの素晴らしさに驚いた1枚でした。日本デビューを果たした新作がきっかけとなって、過去のアルバムも国内盤が出ないかなぁと期待しています。
僕は日本盤の新作(DVDなし)をゲットしました。DVDの内容が気になりますねー。
トラックバックありがとうございます。こちらからもトラックバックさせていただきます。

  • 投稿者: よしよ
  • 2010/01/28(木) 19:26:36
  • [編集]

このアルバム、私の好みでは無いものの
非常に個性的だし、
良曲も多いし、これまでどうして日本デビューされなかったのか不思議なくらい
音楽的にレベルの高いことをしているんですよね。
最新作でようやく日本デビューするとのことですが、もし2nd以前のアルバムも
日本盤で出るのなら、聴いてみようかな~と思っています。

  • 投稿者: メタリスト
  • 2010/01/27(水) 01:43:45
  • [編集]

このアルバムいいですよね~!
スケール感と構成力は、イスラエル恐るべし!といったとこでしょうか?
国内盤でなかったのは残念でした。
知り合いに勧めると、たいてい気に入ってもらえるアルバムでした。
そんなのも、珍しい。
そして、新作でやっとの国内発売。嬉しいです。
自分はアマゾンでDVD付を注文したので、ただ今到着待ちです。

  • 投稿者: hide
  • 2010/01/27(水) 00:18:45
  • [編集]

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