PRIDE OF LIONS「THE ROARING OF DREAMS」(2007)

  • 2015/05/21(木) 00:00:00

THE ROARING OF DREAMS
【No.431】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第5位

天才メロディメイカーJim Peterik(G、Key、Vo/ex-SURVIVOR)が2003年にToby Hitchcock(Vo)と共に立ち上げたPRIDE OF LIONSが放つ3rdアルバム。1stと2ndの間隔は1年弱だったのに対して本作は約2年半振りのリリースになりますが、その間にもライブCD、DVD「LIVE IN BELGIUM」(2006)、Jimはソロ名義で「ABOVE THE STORM」(2006)を発表していることを踏まえるとかなり順調な活動ペースと言えそうですね。前作「THE DESTINY STONE」(2004)が素晴らしい出来だったので発売日にこのアルバムを購入したものの、当時は「手堅いメロディックロック作品」という印象しかありませんでした。ところが数年経ってから改めて聴き返してみると前作に勝るとも劣らない名盤と思えるくらいにハマっている自分に驚いています。

PRIDE OF LIONSの魅力を凝縮したかのような①Heaven On Earth、インパクトのあるアカペラで幕を開けるハードナンバー②Book Of Life、一転してメロウに聴かせる③Love's Eternal Flame、「スピーク、トゥ、ミー♪」のコーラスが耳に残る爽快なアップテンポ④Language Of The Heartと続く序盤から圧巻の畳み掛けです。王道をいく曲を冒頭に持って来て聴き手のハートを鷲掴みし、更にハードなナンバーを2曲目、対照的なバラード系を3曲目、そして4曲目に再び勢いのあるナンバーを持ってくるという構成は前作と同じ。デビュー作「PRIDE OF LIONS」(2003)も似たような組み立てだったので、この流れはもはやPRIDE OF LIONSの様式美と言えそうですね。それ以降も楽曲のクオリティは衰えるどころか更に充実度を増し、絵に描いたような美旋律バラード⑥Faithful Heart、F1中継が始まりそうなイントロからフック満載のサビへと繋がっていく⑦Defying Gravity、力強くドラマティックなタイトル曲⑧The Roaring Of Dreamsという中盤も実に強力です。しかし本作にはそれを凌ぐハイライトが終盤に用意されています。突き抜けるようなサビメロとその直後に鳴り響くホーンの音色がインパクト抜群な⑪Tall Ships、演歌に通じる曲調の中でギターか泣きまくる長編バラード⑫Turnaround、そしてボーナストラックにしておくには惜しい哀メロチューン⑬I Am My Fatherが本当に素晴らしい。ちなみに⑫にはTobyの妹Tori Hitchcock(Vo)が客演していて、兄と堂々と渡り合っています。

70年代にデビュー、80年代にSURVIVORで一世を風靡したベテランでありながら今もなお衰えないJimのメロディセンスには脱帽ですね。本作はSURVIVORの代表作「VITAL SIGNS」(1984)にインスパイアされて制作したアルバムとのことですが「VITAL SIGNS」にも引けを取らない充実盤だと思います。デビュー当初はTobyという卓越したシンガーを擁していながらJimがそれなりの割合でボーカルを務めることに疑問を感じていましたが、Tobyの歌い方はハイトーンに頼りがちなのでJimも適度に歌うことで丁度いいバランスを保っているように思えてきました。そんな中心メンバー以外の顔ぶれも過去のスタジオ盤、ライブでもほぼ固定されているので、もうプロジェクトではなくバンドと見なしていいのではないでしょうか。

【音源紹介】
Turnaround

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