TALISMAN「GENESIS」(1993)

  • 2014/08/16(土) 00:00:00

GENESIS_20120810161737.jpg
【No.404】
★★★(1995)

結成当初はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN)のスタジオプロジェクトと見なされていたTALISMANの2ndアルバム。バンド名を冠したのデビュー作から約3年振りとなる今回のアルバムでもJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)がMarcelの相棒を務めていますが、JeffはもうひとつのバンドEYESに専念するために一時TALISMANを脱退するなど再びタッグを組むまでは紆余曲折があったようです。またギタリストにはオーディションで発掘した新人Fredrik Akessonを迎えており、彼は後のTALISMAN作品にも多く参加することとなります。Fredrikは2005年にChristopher Amott(G)ARCH ENEMYから脱退した際にツアーギタリストとして加入(2007年にChristopherが復帰したためスタジオ盤には不参加)、今ではOPETHに在籍するなど現代北欧ミュージックシーンで名うてのギタリストとしての地位を確立しているのでMarcelは見る目があったということですね。

音楽性はというと「典型的な北欧メタル」だった前作から一皮剥けて、後のTALISMANサウンドのキーとなる「独特のうねり」が顔を出すようになっているためデビュー作はMarcelのソロ、今回がTALISMANとしてのリアルファーストアルバムと捉えることができるかもしれません。そんな変化を象徴するかのように1stアルバムで楽曲を彩っていたキーボードは大幅に減少してサウンドが骨太になっています。グルーヴィなバッキングとキャッチーなサビメロが耳に残る①Time After TimeYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)に収録されてそうなハードチューン②Comin' Homeで掴みはOK。HR/HMには似つかわしくないファンキーなアレンジを巧みに取り入れた④If U Would Only Be My Friendを聴いているとTALISMANが凡百の北欧メタルバンドと一線を画す存在だと感じさせられますね。そんなバンドの新生面が強調されている今回のアルバムは楽曲のインパクトという面ではデビュー作に一歩譲りますが、強力な哀メロが炸裂する⑨Give Me A Signはバンドを代表する名曲です(サビ直前のアコギもいい!)。また、MR.BIGの有名曲Addicted To That Rushに酷似した⑤All Or Nothingは冒頭の歌詞までもがそっくりなのできっと確信犯でしょうね(笑)。

TALISMAN最大の特徴であるMarcelのベースはかなり目立ってきているし、Jeffの剛柔を巧みに使い分けたボーカルも安定感を増しています。「お行儀のいい」タイプの曲が多かったデビュー盤よりも、本作ぐらい適度にロックした作風の方がJeffの声が活かされていますね。さほどのめり込めない曲があるのも事実だし音質が良くなかったり、ドラムが打ち込みであるため迫力に欠けるといった弱点は今回も改善されていませんが「GENESIS」(=「創世記」、「起源」)と題された本作でTALISMANは自分達のサウンドを掴んだと言えると思います。なおアヴァロン・レーベルから9月3日にリリースされる再発盤は2012年に輸入盤でのみ発売されていたバージョンと同じ内容のようです。

【音源紹介】
・Give Me A Sign

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

クリンさん

Give Me A SignはTALISMANの全レパートリーの中でも屈指の名曲だと思いますね。もっと長く活動して欲しかったですがマルセルの自殺によってそれは叶わなくなってしまったのが残念です。このアルバムとはHR/HMを聴き始めた1995年に出会いましたが、その当時はあまりピンと来ず10年近くたってから、その良さに気づきました。
STEVEN ANDERSONの記事のコメントについて感動なんて言われると照れくさいですね(笑)。今後ともよろしくお願いします。

  • 投稿者: よしよ
  • 2015/05/04(月) 08:38:07
  • [編集]

よしよさんへ
僕も、「Give Me A Sigh」が大好きでした。
ジェフ・スコット・ソートの歌声が映えるのは、やっぱり、この様なハードでありながらも、叙情味を感じさせるハードロックチューンだと思います。
当時は、とにかく繰り返し何回も聴いて、お好みカセットテープには必ず入れていて、クルマの中で、よく聴いていたのを覚えています。
なので、この曲を聴くと、当時の想い出までもが蘇ってきて、懐かしさで、イッパイになってしまいます…。

それから…STEVEN ANDERSONでの記事の、よしよさんからのコメントに、僕は、感動しています。
涙が出る程、嬉しかったです。
僕も、何十年とHR/HMの話が出来る人と、知り会ったことはありません。
なので、こうして、よしよさんの記事にコメントできている事が夢のようです。
僕からも、よろしくお願い致します。

  • 投稿者: クリン
  • 2015/04/30(木) 02:55:30
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する