TALISMAN「TALISMAN」(1990)

  • 2014/08/12(火) 00:00:00

TALISMAN.jpg
【No.403】
★★★(1995)

10代の頃からYngwie Malmsteen(G)と音楽活動を共にし、 彼のソロ名義で2作目にあたる「MARCHING OUT」(1985)にも参加していたスウェーデン屈指のベースプレイヤーMarcel Jacob(故人。2009年7月に自殺)が自分のやりたい音楽を追及するために結成したTALISMANの1stアルバム。後にMarcelとJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)を中心としたバンドへと成長していったTALISMANですが、結成当時はMarcelのソロプロジェクト的な色合いが強かったようでシンガーもJeffではなく「Mr.北欧ボイス」ことGoran Edman(Vo/ex-MADISON)が想定されていたのだとか。ところがGoranがYngwieに引き抜かれたためMarcelが「MARCHING OUT」のバンドメンバーでもあったJeffに声をかけたという経緯があったようです。なおキーボードプレイヤーとしては後のYngwieバンドに長期間(1989年から2001年まで)在籍することとなるMats Olaussonも参加していて良い仕事をしています。

TALISMANは後にファンキーでグルーヴィーな要素を強めていきますが、本作は透明感あるキラキラサウンドと瑞々しいメロディの数々が楽しめる「これぞ北欧メタル」な1枚となっています。力強くもキャッチーな歌メロをフィーチュアしたオープニングチューン①Break Your Chains、冒頭のアカペラからして爽快感に溢れたハードポップ③I'll Be Waiting、北欧ならではの哀メロが冴え渡る⑤Just Between Us、⑨Day By Dayなどはこのバンドのみならず北欧メタルを代表するナンバーだと思います。また上記4曲には一歩譲るもののハードにドライヴィングする⑦Queenも結構好きだし、それ以外も佳曲揃いでMarcelが優れたソングライターであることを証明してくれていますね。アルバムの中で明らかに浮いているロックンロール⑩Women, Whiskey, And Songsこそ微妙ですが、本編を締めくくるインスト⑪Great Sandwichでは泣きのギターとMarcelらしいベースソロが楽しめて好印象。

このアルバムにはいくつかのバージョンが存在していて、僕が最初に聴いたのはオリジナルの11曲にボーナストラックとしてライヴ音源が6曲も追加されたゼロ・コーポレーションからの国内盤でした。追加音源の中にはMarcelも参加していたJohn Norum(G/EUROPE)の1stソロ「TOTAL CONTROL」に収録されていたLet Me Love You、Eternal FlameやMarcelがJoey Tempest(Vo/EUROPE)と共作したEUROPE随一のメタルチューンScream Of Angerといった興味深いナンバーも含まれていますが音質が極めて悪いためほとんど聴いていません(苦笑)。また2003年には本作のナンバーをGoranが歌ったデモバージョン7曲とインスト1曲が追加されたリマスター盤が再発され、GoranによるTALISMANの曲が聴きたくて買い直しました。一部、曲タイトルや歌詞が異なるGoranバージョンはJeffが歌うオリジナルと聴き比べても遜色ないばかりか、中にはDay By DayのようにGoranの方がはまっていると思える曲もあるほどです。バンドはJeffの持ち味を活かすため作を重ねるごとに今回のアルバムで展開しているような北欧サウンドから離れていくことになるのですが、もしGoranがフロントマンになっていたらTALISMANがどのような方向性へ進んでいたのか聴いてみたい気もしますね。ちなみに9月3日にアヴァロン・レーベルから再発される国内盤にはGoranが歌っている音源は収録されていないようです。

【音源紹介】
・I'll Be Waiting

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この記事に対するコメント

クリンさん

Jeffがいたからこそ後に唯一無二のTALISMANサウンドが完成したのは事実ながら、初期TALISMANのサウンドであればJeffよりGoranの方がマッチしてますよね。Goranが歌ったデモ音源も収録した本作の2枚組は今もAmazonで入手可能なようです。通常盤を持っていると買い直すことを躊躇してしまうと思いますが。昨年9月にマーキーから出た国内再発盤にGoranバージョンも収録されていると良かったんですけどね…。

  • 投稿者: よしよ
  • 2015/05/11(月) 22:35:04
  • [編集]

僕も、「Break Your Chains」〜「Day By Day」の4曲が大好きで、中でも「Day By Day」は、北欧ハードポップの名曲だと、僕も、思います。
僕も、ゼロ・コーポレーションから出されたライブ6曲が収録されたCDを持ってますが、よしよさんが書かれていたリマスター盤のヨラン・エドマンが歌っている「Day By Day」があることを、この記事を読むまで知りませんでした。
僕も、ジェフ・スコット・ソートの声は、1stの北欧的煌めきのあるリリカルな楽曲には合っていないと思っているので、ヨランが「Day By Day」を歌えばこの曲の良さが引き立つのは、間違いないと思います。
僕も、聴いてみたかったです。
あとは、やっぱり、11曲目のインスト「Great Sandwich」も、物哀しい哀愁が漂っていて、大好きな曲でした。

  • 投稿者: クリン
  • 2015/05/10(日) 03:33:22
  • [編集]

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