MASQUERADE「MASQUERADE」(1992)

  • 2014/08/26(火) 00:00:00

MASQUERADE.jpg
【No.405】
★★★★(2010)

90年代前半に創設、1999年に閉鎖されるまでメロディアスなHR/HMを好んで聴く僕にとって最重要レーベルのひとつだったゼロ・コーポレーション。このレコード会社は超マイナーであっても良質のバンドであれば作品を世に送り出すというスタンス(後に有名バンドの作品もリリース)を持っていて、ゼロ・コーポレーションに見出だされた代表格としては今や大物へと成長したSYMPHONY X、僕に哀メロとは何かを教えてくれたMIKAEL ERLANDSSONなどが挙げられますが、このスウェーデン出身の4人組MASQUERADEもゼロ・コーポレーションを語る上で欠かせないバンドだと思います。彼等がデビューした1992年はEUROPE、TNTといった北欧のビックネームが活動休止や解散を表明(後にどちらも再結成)したこともあり、MASQUERADEは北欧メタルシーン期待の若手としてその筋ではかなり注目されていたようですね。

キーボードをフィーチュアした煌びやかで透明感のあるサウンド、伸びやかなハイトーンボーカル、楽曲に華を添えるテクニカルギターといった要素からはTNTの遺伝子が感じられるし、爽やか系ハードポップの極致⑤Ride With The Windは正にその王道を行くナンバーです。しかし本作のハイライトはなんと言っても①Gimme All Your Loveでしょう。「キュイィ~ン♪」と唸るギター、「フゥォッ!」という掛け声から始まるキャッチーでノリのいい曲調とその中に絶妙なバランスで配された哀メロが一体となったこの曲は北欧メタル史に残る名曲ですね。そんな①と同系統のロックチューンでは前述の⑤に加えて⑧Wild Child、⑬Give It A Shotが素晴らしいし、持ち前のメロディセンスを活かしたミッドテンポも明るいムードと北欧ならではの透明感が見事に融合した②Four Letter Words、終盤のオーオーコーラスが◎な③Our Time Has Come、ゆったりしたメロディが心地よい⑨Dancin' On The Edgeと粒揃い。特にアルバム前半の充実振りは目を見張るものがありますね。注文をつけるとすればバラード系のナンバーにもう少しインパクトが欲しかったということくらいでしょうか。アルバム構成にも気を配っているようで⑦Le Baugeux De Triomphe、⑩Liaisonといったアコギインストの小品を挟んだり、曲間をSEで繋いでいたりしています(SEが効果的かどうかは微妙ですが…)。

本作がリリースされるや北欧メタルファンの間で話題となり、シンガーTony Yoansonの声質がTony Harnell(Vo/ex-TNT)を彷彿とさせることもあって「ポストTNTの最右翼」と呼ばれるほどだったとか。そんな当時の盛り上がりもデビューアルバムとは思えないクオリティを誇る本作を聴いていると納得できます。1stアルバムで早くもファンの心を掴んだかに見えたMASQUERADEですが、1994年に発表した2nd「SURFACE OF PAIN」では当時流行していたグランジに感化されたかのようなヘヴィでダークな作風へと変化していて日本での人気は急降下。2001年に2ndの路線を引き継いだ作風の3rd「FLUX」、2005年には未発表音源集(?)「IN DISGUISE」をリリースしたものの、その後は音沙汰がありません。本作の路線で復活してくれたら嬉しいんですけどね…。ちなみに今年の9月3日にアヴァロン・レーベルからリリースされる再発盤にはボーナストラックとして「IN DISGUISE」に収録されていた1stアルバム寄りのナンバーが3曲、⑤と⑬のデモバージョンが追加されているようです。

【音源紹介】
・Gimme All Your Love

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